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養生訓 現代日本語訳 英訳 第1回

本日から貝原益軒の著作『養生訓』の現代日本語訳と現代英語訳を公開します。2019年10月22日にアマゾンのキンドルで出版した書籍です。本書は476章ありますので、一日一章を公開します。

はじめに
本書は貝原益軒の著作『養生訓』の現代日本語訳と現代英語訳です。貝原益軒は寛永7年(1630)年11月14日、福岡城内に生まれました。生誕388年です。正徳4年(1714)年8月27日に84歳で死去しました。没後305年になります。『養生訓』は正徳3(1714)年、貝原益軒が83歳の時に刊行されました。
 東洋医学に関心のある筆者は『養生訓』の現代語訳の著書を20代の頃から読んでいました。キンドルで出版できる時代となり、『養生訓』を現代日本語訳と現代英語訳で
出版しようと志(こころざし)ました。参考文献とウエブサイトの活用で原文を元に翻訳を完了しました。
 本書は、付録として「経絡索引」、「植物索引」、「薬剤索引」が「書名索引」「人名索引」を掲載しております。本書の活用に役立てば幸いです。
また、「小見出し一覧」を作成しており、読者の参考になると期待しております。本書の活用によって、東洋医学研究の参考になれば幸いです。

凡  例  
一、 本書は、『養生訓』の原文、現代語日本語、現代英語によって構成した。
二、 原文の意味を考慮し参考文献等を参照して、現代日本語訳に翻訳した。現代日本語を現代英語に翻訳した。
三、 本書の原文は参考文献を参照した。
四、 各章に通し番号を付けた。
五  付録として「経絡索引」、「植物索引」、「薬剤索引」、「書名索引」、「人名索引」を掲載した。
六  「小見出し一覧」を掲載した。
参考文献
著書名   『日本の名著 14 貝原益軒』
著者    貝原益軒 責任編集  松田道雄
昭和44年8月1日初版印刷 昭和44年8月10日初版発行
発行所   中央公論社
著書名  『養生訓』
著者    貝原益軒 訳者  伊藤友信
1982年10月10日第1刷発行 発行所  株式会社講談社
参考辞書
新和英大辞典 第五版 発行所  研究社
新英和大辞典 第六版 発行所  研究社
広辞苑    第六版 発行所  岩波書店
新漢語林   第二版 発行所  大修館書店

参考ウエブサイト
ビーイング https://www.bing.com/
グーグル      https://www.google.co.jp/
中村学園大学  https://www.nakamura-u.ac.jp/en/
ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/メインページ

巻第一 総論 上  Volume I General remarks No.1

原文 (Oj001-01-01)
人の身は父母を本(もと)とし、天地を初とす。天地父母のめぐみをうけて生まれ、又養はれたるわが身なれば、わが私の物にあらず。天地のみたまもの、父母の残せる身なれば、つつしんでよく養ひて、そこなひやぶらず、天(てん)年(ねん)を長くたもつべし。是(これ)天地父母につかへ奉(たてまつ)る孝の本也(もとなり)。身を失ひては、仕ふべきやうなし。わが身の内、少なる皮はだへ、髪の毛だにも、父母にうけたれば、みだりにそこなひやぶるは不孝なり。況(いわんや)大なる身命を、わが私の物として慎まず、飲食・色慾(よく)を恣(ほしいまま)にし、元気をそこなひ病を求め、生付(うまれつき)たる天年を短くして、早く身命を失ふ事、天地父母へ不孝のいたり、愚(おろか)なる哉。人となりて此(この)世(よ)に生きては、ひとへに父母天地に孝をつくし、人倫の道を行なひ、義理にしたがひて、なるべき程は寿福をうけ、久しく世にながらへて、喜び楽みをなさん事、誠に人の各願ふ処ならずや。此(かくの)如(ごとく)くならむ事をねがはば、先(まず)、古の道をかうがへ、養生の術をまなんで、よくわが身をたもつべし。是人生第一の大事なり。人身は至りて貴とくおもくして、天下四海にもかへがたき物にあらずや。然るにこれを養なふ術をしらず、慾を恣にして、身を亡ぼし命をうしなふ事、愚なる至り也。身命と私慾との軽重をよくおもんぱかりて、日々に一日を慎しみ、私慾の危をおそるる事、深き淵にのぞむが如く、薄き氷をふむが如くならば、命ながくして、ついに殃(わざわい)なかるべし。豈(あに)、楽まざるべけんや。命みじかければ、天下四海の富を得ても益なし。財の山を前につんでも用なし。然れば道にしたがひ身をたもちて、長命なるほど大なる福なし。故に寿(いのちながき)きは、尚書に、五福の第一とす。是万福の根本なり。

現代日本語訳 (Tj001-01-01)
長寿(ちょうじゅ)は幸せの根本
 人間の身体は父母から生成したものです。天地と父母の恵により生まれた身体です。自分自身の身体であるようで、自分自身の身体でない。天地の賜物(たまもの)であり、父母が残してくれた身体だから、謹(つつし)んで大切にして養生して、天寿(てんじゅ)を保つように、努力しなければなりません。
 これが天地と父母に仕える孝行の本分です。身体を失っては仕えないのです。自分の身体にあるわずかな皮膚や髪の毛は、父母から受け継いだものであるから、理由もなく傷つけることは不孝である。
 まして、大なる生命を自分一人のいのちとして慎(つつし)まず、飲食・色欲をほしいままにして、元気をそこない病気となり、もって生まれた天命を失う事は、天地と父母への最大の不幸です。馬鹿馬鹿(ばかばか)しいことです。
 人間としてこの世に誕生したならば、父母と天地に孝を尽くして、人倫の道を実践し、義理にしたがい、なるべく幸福になり、長寿を喜び楽しむことは、人々の願望(がんぼう)であろう。このように願いたいと希望するなら、まず、今述べた道を考えて、養生の方法を学んで、健康を保つことです。これこそ、人生で最も大事なことでしょう。
 人間の身体は貴重であり、全世界のなにものにも変えることができません。
 したがって、養生の方法を知らないで、欲にふけり身を滅ぼし、命を失う事は、最も愚かな事です。命と私欲のどちらが大切かよく考えて、日々の生活を慎み、私欲の危険性を恐れる事です。深淵(しんえん)を望むように、薄氷を踏んで歩くような細心の注意を払って生活をすれば、長生きができ、災難も免れるでしょう。
 とにかく、人生は楽しむべきである。短命であれば、全世界の富を得ても仕方のないことです。財産を山のように積んでも何の役にも立たない。したがって、道理に従い、身体を保ち、長生きする事が一番幸福な事なのです。
 尚書(しょうしょ)(書(しょ)経(きょう))に「長寿は五福の第一」とある。長生きは、すべての幸福の根本といわれているのです。

英訳 (Te001-01-01)
Longevity is the root of happiness.
The human body is generated from parents. It is a body born by the grace of the heavens and earth and the parents. It seems to be his own body, not his own body. The Gift of heaven and earth because it is the body that parents had left, I respectfully cherish and care, to keep my natural life span, we must make an effort.
This is a dutiful duty to serve the heavens and earth and the parents. If you lose your body, you will not serve. The slight skin and hair in your body because it is inherited from parents, it is lack of filial piety to hurt for no reason.
Not to mention, you will not refrain from the life of one person as your life, you want to eat food and lust, become bastard sickness, the thing that loses the destiny born with, it is the greatest misfortune to heaven and earth and parents. It is ludicrous.
If we were born in this world as human beings, I will do my best to my parents and the heavens and earth, practice the way of humanity, in accordance with the law, be as happy as possible, to enjoy the joy of longevity, it is the desire of the people. If you want to hope like this, at first, thinking of the way I mentioned now, learn how to cure and is to stay healthy. That's the most important thing in life. The human body is precious and cannot be changed to the nothing of the whole world. Therefore, do not know how to cure, to be engrossed the greed, to lose a life, it is the most foolish thing. Thinking about which is important is life or desire, refrain from daily life, fear the dangers of self-desire. As you desire a deep channel in a river, if you live with the utmost care, such as like walking on thin ice, can live longer, the disaster will be spared.
Anyway, life is must to a fun one. If it is short-lived, it is no value getting the wealth of the whole world. The wealth is piled up like the mountain, and it is useless. Therefore, obey to reason, keep your body, a long life is the happiest thing.
The Book of History (Shujing) of an old book of China is a description, "Long life is the first of five happiness" Longevity is called the root of all happiness.


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