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【BO1勝率73%】ゼンディカーの夜明けドラフト徹底攻略【8000字無料】

こんにちは。ライターのガンプ(@ganp15)といいます。


普段はMTGアリーナの戦略についてツイートしたり、大会に出たりしています。

MTGアリーナでの実績としては、こちらを参考にしてください。

https://mtgazone.com/?s=ganp

https://mtgazone.com/top-mythic-standard-and-historic-decks-september-2020-season-week-1/


このnoteは新セット「ゼンディカーの夜明け」のドラフト攻略です。

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【勝率は最終的に70%後半で推移。基本的に赤白をプレイしていました】


200を超えるドラフトをプレイした結果得られた「勝率をあげるためのポイント」をまとめたので、「これからドラフトをプレイしようと思っている」「もっとドラフトで勝ちたい」「どんな組み方があるのか知りたい」という方の参考になれば嬉しいです。


今回も、無料部分と有料部分の2章に分けて解説をしていきます。

無料部分
ゼンディカーの夜明けの各アーキタイプと基本となるピックのやり方の解説
有料部分
強力なアーキタイプで勝率を伸ばすための具体的なピックのコツの解説


どうか最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

【読者の方の感想の一部】
kouya@mtga用さん「確かな自信と実力に裏打ちされた強い記事。学びたいなら買い」
noblepantherさん「成功を反省するという考えに納得させられました。自分でもピック譜を振り返りながら思考をしてみます」
isuさん「ZNRドラフト記事は公式にもあるけど、勝ちたいな~て人はこの記事オススメ」
Dr.Monday(VeryGoodDoctorRecords CEO)さん「大変勉強になります!!買いました」


★「色の強さ」より「シナジーと組み合わせ」の環境

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ゼンディカーの夜明けは各色の強さのバランスがとれており、単色でのカードの強さにはあまり差がありません。

どの色も、組み合わせによって一気に強くなるカードが多い環境です。


このような環境では、とにかく卓の上下と色が被らないことを最優先に考えるのが定石。

①まず、各色の強いコモンを3~4枚知っておく
②1~3手目はあまり決め打ちしないで各色の除去などを広くとっておく
4~6手目に強いコモンが流れてきた色をガンガン集める(下に流さない)
④2パック目からは集まったカードとシナジーが多い色の組み合わせに進む

といった流れで動くと安定して強いデッキが組めるのでオススメです。


この中でも、特に重要なのが③。


上の席の2人が集めていなさそうな色を正確に見極め、その色の強力なカードを下に流さず集めきることで「メインカラーが上下4人と被らない状態を作ること」がこの環境の攻略法です。

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とはいえ、「各色の強いコモンなんて知らない…」という方も多いはず。


そこでここからは、各色で優先的にピックしたい強力なコモンをランキング形式で見ていきましょう!

※今後さらにプレイしていく中でカードの点数の評価が変動した際はその都度書き換えていきます!

シナジーの白

白はシナジー前提カードが多く、1位と2位以外のコモンは流れてきてもあまり指標になりません。

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1位は《ナヒリの束縛》。優秀な除去ですが、色拘束が強くパーティに弱いのが懸念材料。

2位は《英雄たちの世話人》。制空権をとれる強力なコモンです。
回復シナジーの白黒やライフレースする赤白で使うと特に強いのが特徴。

3位は《探検隊の癒し手》。2マナ2/2警戒絆魂は強力で、白黒クレリックをやるときはぜひ集めておきたいカード。

4位は《カビーラの先導》。パーティカードですが、基本は赤白戦士用のカード。3マナラインの膠着を突破してライフを削る優良カードです。


テンポの青

青には強烈なコモンはありませんが、弱いカードも少ない安定した色です。

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1位は《泡の罠》。特に速攻デッキ相手に1マナで除去してテンポをとれるのが強力。特に青緑をやるなら絶対におさえておきたい1枚です。

2位は《乱道への突入》。対応力が高く、キッカーシナジーも強力。テンポもとりやすい優良コモンです。《泡の罠》とほぼ同クラスの強さ。

3位は《タジームの乱動魔道士》。序盤の相打ち要員から、終盤はキッカーシナジーや除去回収をこなし、回収ループもありうる強力なカードです。

4位は《狡猾な泉魔道士》。序盤から後半まで強くつかえるナイスカード。オーラで封じられた自分のクリーチャーを回収することもあります。


除去の黒

黒は除去カラー。クリーチャーは弱めなので、生物の質が高い緑や白と組みたいところ。

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1位は《命取りの協力》。4マナ以上ではやや使いにくいとはいえ強力。
3マナ以下で使える構成なら文句なしのトップコモンです。

2位は《大群への給餌》。《ドレイクの休息地》などのボムエンチャントも破壊できる優秀な除去です。ライフロスが痛いので白黒以外では2枚が限度

3位は《弱者成敗》。範囲に少々難がありますが、インスタント3マナ除去は強力。戦闘を上手くからめて1:2交換を狙っていきましょう。

4位は《略奪する破戒僧》。白黒クレリックの軸となる優秀なカード。1体だと心もとないですが、複数並ぶととてつもない威力を発揮します。


速攻の赤

赤は速攻。青赤ウィザード以外では基本的に前のめりに構築していきます。

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1位は《乱道の噴火》。2マナ3点火力はテンポがよく、終盤はキッカーで残り5点を削りきってくれます。コモン全体でも1位の強さ。

2位は《同期した魔術》。5マナと重いものの、インスタント除去はやはり優秀。相手のライフを2点ほど削れるのも地味にありがたいです。

3位は《献身的な魔術師》。3ターン目にこれで2マナ出せる構成にして、3/2展開から《乱道の噴火》へとつなげるのが赤の定番パターンです。

4位は《グロータグの虫捕り》。単体でも2/2トランプル。強化呪文と相性がよく、4マナ域とも相打ちできるスペックを持つ優良アタッカーです。

同率4位で《探検隊の勇者》。3マナ4/3はコモンとは思えない強さ。戦士デッキ専用なのでピックの腕が問われるハイリスクハイリターンカード。


サイズの緑

緑はサイズに優れたクリーチャーが多いため、除去の強い赤や黒と組ませれば安定して強いデッキになりやすいのが特徴です。

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1位は《狂気の一咬み》。安定しない除去ですがうまく使えば2マナで6マナ生物も除去できるのは強力。クリーチャーの選択がカギになります。

2位は《梢のベイロス》。先手4ターン目に出たときの強さは圧倒的。6/5という4マナでは止められないサイズで相手を踏み潰すことができます。

3位は《ジョラーガの幻想家》。簡単に1:2交換する緑のアドバンテージ源。このカードの存在からタフネス4以上の価値が高くなっています。

4位は《ナーリッドの群棲》。2マナでも5マナでも強力。緑黒でも緑青でも活躍する優秀なコモンです。


強いアーキタイプを狙いつつ、空いている色を探そう

1パック目でメインカラーが決まりかけてきたら、次は「どのアーキタイプに進んだら強いのか」を考えるのがオススメです。


例えば、1パック目で白に進むことがほぼ確定した場合。

ZNR環境では白を含むアーキタイプとしては「白黒が圧倒的に強く」、次に「赤白が強力」で、「青白と緑白が弱い」という特徴があります。


そのため、1パック目の後半に流れてきたカードから「白黒や赤白で使いやすいカード」を優先的に集め、「青や緑の中堅カード」を流してでも「黒や赤の脇を固めるカード」を集めた方が、最終的に強いデッキに仕上がる可能性が高くなります。

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そういう意味では、ZNR環境における各色の組み合わせ(アーキタイプ)の強さをざっくりと理解しておくのがオススメです。

ZNR環境における各アーキタイプの強さを表にすると以下の通り。

Tier1:青緑・白黒(圧倒的な強さ)
Tier2:緑黒・青黒・赤黒(除去が多ければ強い)
Tier3:赤青・赤緑・赤白(テンポ良く組めれば強い)
--------(大きな壁)--------
Tier4:青白・緑白(レアがないならあまり狙いたくない)

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まず、ZNR環境で突出して強いのは
①《ドレイクの休息地》を軸にした青緑
②《生命の絆の僧侶》を軸にした白黒

【!】これら2つは人気のアーキタイプなので自分は無理に狙わず「参入できたら嬉しいな」くらいに考えています。


次に強いのが黒系。

緑黒・青黒・赤黒のどれに進んでも強力です。

【!】取れた黒のカードとシナジーしやすい色を集めたいところです。

その次がテンポの赤軸系。

赤いカードをしっかりと集める必要があるので上と被ってしまうと大きなリスクがありますが、組めれば赤緑でも赤白でも戦いやすいです。

【!】青赤ウィザードだけは青軸のスペル重視構築でないと弱い点に注意。
また、赤緑もアンコモンの上陸カードが重要になりやすいので、できればコモン軸でも速攻で攻めやすい赤黒や赤白を狙っていきたいところ。


アーキタイプの強さランキングをおさえたら、次は実際の組み方について。

各アーキタイプの特徴と組み方のコツを見ていきましょう!


青緑キッカー

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青緑キッカーは《ドレイクの休息地》を貼ってから延々とキッカー呪文を連打することで2/2飛行を大量に並べ、アドバンテージ差をつけて勝つデッキです。


キーカードは《泡の罠》《タジュールの荒廃刃》《狡猾な泉魔道士》。

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序盤に速攻で詰められるのが弱点なので、1~2マナでアタッカーを処理できるカードを重視して集め、《ジョラーガの幻想家》のようなアドバンテージをとれるブロッカーでドレイクが並ぶまでの時間を稼いでいきます。


5マナ以上のアタッカーを《狡猾な泉魔道士》でバウンスしながらドレイクを展開できれば、勝利は目前です。

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《沼》と一緒に引いたら2/3として使える《ブラックブルームのならず者》や終盤に引いてもキッカーシナジーが期待できる《荒地の開墾》をピックできた場合は、黒マナソースを3~4枚確保して《血の招き》や除去をタッチするのもあり。


キッカー呪文を回収する《ムラーサの発芽種》とセットでグルグル回転させていれば、相手が自然と息切れして投了してくれることが多いです。

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また、《タジームの乱道魔道士》など優秀なウィザードがコモンに多い色なので、ウィザードを4~5枚ほど集められたら《凍える罠》を積んで序盤を耐えられるように構築すると勝ちやすくなります。

《ドレイクの休息地》があれば圧倒的な強さを誇るデッキですが、それ以外は中堅のデッキ(青黒の方が強い)なので、《ドレイクの休息地》をとれるまでは青緑に絞らず、手広く受けたほうが良いでしょう。


白黒クレリック

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白黒クレリックは《コーの祝賀者》を始めとした「回復する能力を持ったカード」で《生命の絆の僧侶》などの回復誘発系カードの力を最大限に引き出し、相手を圧倒するミッドレンジデッキです。


大量にライフ回復できるおかげで、赤系の速攻デッキに強いのが特徴。

《大群への給餌》や《血の対価》といった「ライフ損失がある代わりに強力なカード」を採用しやすく、アンコモンさえ取れていれば多少上下と色が被っていても勝てるデッキに仕上がりやすいアーキタイプです。

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キーカードは《秘宝の薬瓶》・《従者つきの癒し手》・《略奪する破壊僧》

トークンを生け贄にすればドレインが誘発し、ドレインでトークン生成が誘発するので、毎ターンドローとチャンプブロックとドレインが可能に。


《略奪する破壊僧》が横にいれば、一度も殴ることなく勝つデッキに仕上がります。


白黒の欠点としては、シナジー依存度が高いうえに人気の高いアーキタイプであること。

キーとなるアンコモンを取れないとまったく勝てないデッキになってしまうので、上が白黒のカードを流していることを確認してから参入するのがオススメです。


緑黒ミッドレンジ

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緑黒は+1/+1カウンターシナジーが用意されていますが、除去と高サイズのクリーチャーを集めるのが基本になります。


黒のコモンに4種類存在する除去と2マナパワー2、「4~5マナのタフネス4以上」を重視していきます。

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コモンで地味に重要なのが《ニマーナの忍び歩くもの》。

ZNR環境には「パワー4の優良クリーチャー」が少ないため、4マナ3/4というサイズでしっかりと序盤の盤面をとることができます。


ならず者なので《探検隊の潜伏者》を接死ブロッカーとして使え、除去で1:1交換を繰り返した後にだせば4/4威迫としても活躍してくれるので、余裕があればしっかりと集めておきたいところ。


また、緑黒は《カザンドゥの踏みつけ》を最も強く使えるのが特徴。

除去で相手の脅威を的確に処理した後に場に出し、カザンドゥへの除去対策になる《マラキールの再誕》や《バーラ・ゲドの復活》を回収すれば勝利は目前です。

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《瑠璃池のミミック》+《カザンドゥの踏みつけ》は黒緑タッチ青で重宝する強力なコンボ。

青の両面土地は《ベイーンのヴェール》や《ウマーラの魔術師》も強力なので、黒緑に進むときはこれらも積極的にピックして黒緑タッチ青を狙うのもアリです。


青黒ローグ

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青黒ローグは「ならず者」シナジーと「墓地8枚以上」系カードを軸にしたテンポデッキです。


デッキの軸になるのが《影のとげ刺し》+《ズーラポートの決闘者》のコンボ。パワー5以下のクリーチャーをタダで返り討ちにすることができます。

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緑の低速デッキにはテンポで競り勝ちやすい一方で、赤い速攻デッキを苦手としているのが特徴。

3~4マナ域と相打ちできる《スカイクレイブのイカ》や2~3マナ域を止める《ニマーナの忍び歩く者》、赤系には1:2交換も狙える《隠然たる襲撃》などをしっかりと集めて、赤いデッキへの耐性を上げておきたいところです。


青黒ローグの切り札は、以下の3枚。

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この中でも、《秘宝のゴーレム》と《精神削りの刃》は墓地を肥やせないとほぼ何もしないカードなので流れてきやすいのが特徴。

ならず者デッキはこれら2種類の「流れてきやすいわりに強力なカード」をいかにうまく使いこなせるかがカギになってきます。


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ただ、これらは飽くまでも「ならず者に寄せる構成」にする場合の話。

そもそも青黒はならず者に寄せるよりも、後半でも強い除去とキッカー持ちを重点的に集め、《確実な潜入者》などでコツコツとアドバンテージを稼ぐ構成のほうが安定して勝つことができます。


青赤ウィザード

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青赤ウィザードは「スペルかウィザードを唱えるたび」に誘発する能力を積極的に活用するテンポ・コントロールデッキです。


コモンのウィザードは青の方が優れているため、青を中心に赤の除去をタッチする構成になります。

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青軸タッチ赤ではコモンだけで勝ちきるデッキを組むのが難しく、またクリーチャーサイズにも恵まれていないので、青を集めているときに《崖崩れの魔術師》・《秘宝の護符》・《ウマーラの神秘家》といったデッキの軸になるアンコモンが流れてきた場合に狙うアーキタイプになります。


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青赤ウィザードは青緑キッカーとは真逆で「速攻デッキには強いが、サイズに優れた緑系を苦手としている」デッキ。


《目覚めし激浪》や《火砕のヘリオン》などのタフネス5や《探検隊の占者》のような飛行アタッカーを積極的に集めて、中堅クリーチャーを足止めした隙に空からライフを削りきるような構成にすると勝ちやすいです。

ドロー付きの-4/-0修整の《凍える罠》も2~3枚採用して、中堅アタッカーをしっかりと返り討ちにできる構成を狙いたいところ。


赤緑上陸

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赤緑上陸は、赤と緑の優秀なトランプル持ちアタッカーを《猛炎の連射》でサポートし、ブロッカーを突破しながら毎ターン4点以上のダメージを与え続けることを狙うアグロデッキです。


《縄張り持ちの大鎌猫》と《スカイクレイブの土百足》の二大トランプルアタッカーがどちらも上陸カードであるというだけで、デッキの軸は飽くまでもトランプル


トランプルもブロッカー性能もない《アクームのヘルハウンド》などはできるだけ採用せず、《ムラーサの粗暴者》などの守りにも使えるクリーチャーを重視することで「相手からの攻撃を首の皮一枚で耐えた返しにトランプルでライフを削りきる」構成を目指します。

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赤緑で勝つには「いかに相手の計算を超えたアタックができるか」が全て。


追加の上陸に加えてドローから更なる打点を呼び込める《浄化の野火》や「赤緑だから飛行はない」と油断した相手にささる《岸壁安息所の帆凧》を駆使して、相手のたった1回の不用意なアタックを確実に咎めていきましょう。

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赤緑の最大の強みは、「《猛炎の連射》を強く使いこなせる」こと。

トランプルで攻めているときしか役に立たないとはいえ、2マナ4点ダメージはアンコモンの《轟く叱責》に匹敵する強力な除去になりえます。


裏を返せば、ミラーの後手で《猛炎の連射》にやられないという意味でも《火砕のヘリオン》は強力なブロッカー。

上陸を再度誘発させつつライフを削り、相手のアタッカーをガッチリと止められるので、赤系に進むときは積極的に集めておきたいですね。


★赤系パーティ(赤白戦士・赤黒パーティ)

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赤白・赤黒はピック方針が細かくなるので、ここではザックリとだけ解説。


赤系のパーティデッキは、赤の戦士を軸に「白のパーティカード」や「黒の除去」をそえて序盤の突破力にすべてをつぎ込んだデッキです。

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2ターン目《グロータグの虫捕り》
3ターン目《献身的な電術師》から《秘宝の斧》で5点
4ターン目《髑髏砕きのミノタウルス》で13点

のブン回りを狙いつつ、《ゴーマ・ファーダの先兵》や《轟く火花魔道士》でブロッカーを突破していきます。

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アーキタイプそれ自体はそこまで強くない一方で「パーティ・装備品・マナカーブ上のシナジー」が山ほど存在するおかげで、組み方を分かってしまえば流れてきたコモン中心でも7勝できてしまう強力なデッキです。

流れが良くないときは10手目以降でも取れる《ぐらつく峰の伏兵》をうまく使いこなせるかが焦点になります。
《秘宝の斧》によって環境的に強い3/4というサイズになる(+タフネス4~5でも止めにくい)のがポイント。


自分の過去200戦を超えるドラフトゲームの中でも安定して勝てているのは明確に赤白・赤黒。

直近10ドラフトでは以下のように赤ばかりをプレイしています。

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無編集動画ですが、こちらでサンプルとなる対戦動画をアップしているので、ぜひ参考にしてみてください。

両面土地の補正を前提とした構築

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ゼンディカーの夜明けドラフトを語るうえで外せないのが、「両面ランド(MDFC)」です。


基本土地とMDFCのバランスとしては

①赤系アグロなら「土地16枚+MDFC1~2枚」
②上陸系なら「土地17枚+MDFC1~2枚」か「土地16枚+MDFC3~4枚」
③青緑黒のキッカーデッキは「土地16枚+MDFC3~4枚」
④それ以外は「土地16枚+MDFC1~3枚」

が目安になります。


特に緑赤は土地を手札に戻す優秀な生物がコモンにいるので、MDFCを3~4枚入れたデッキのバリューが高くなりやすいです。

(ただし赤には積極的に入れたいMDFCが少ない点に注意)


そして、アリーナで重要になってくるのが「MDFCの初手補正」

これについては海外メディアやプロプレイヤーの方が有料記事で公開している内容とも重なってくるので、ここからは有料で解説していきます。


今回の有料部分の内容としては次のとおり。

①データ分析によるMDFC初手補正仮説と強くなるMDFC・弱くなるMDFC
すべてのMDFCのピック基準の一覧表(BO1ベース)
③赤白や赤黒を組むときのピック方針とは?
④赤白を組むときのピック優先度一覧
⑤意外と知られていない強すぎる「コンボ」とは?
キーワードを重視すると弱くなるカードたち
⑦ZNRの全コモンのピック基準一覧表
⑧ドラフトに成功したとき、どれだけ反省できるか?
+「実際の自分のピック譜とそのピック理由」

価格は500円。

いつも通り、3~5ドラフトで2000gem(1100円相当)は差がつく内容を意識して書いているので「ドラフトで勝ちたい!」「効率よくカードを集めたい」という方は、ぜひ読んでいってください!


ここまでの内容が良かったら、この記事の感想をツイートしていただけるだけでもすごく励みになります!


①初手補正の仮説と強くなるMDFC・弱くなるMDFC

アリーナのランクドラフトはBO1という都合上、土地事故を緩和するために初手に補正がかかっています。

その結果、MDFCにおいても特殊な計算が行われている可能性が高く、BO1ではデータ収集結果と理論値に大きな乖離があります。

【!】ここでの理論値とは「MDFCをすべて普通の呪文と考えた場合に、アリーナ側が公表しているアルゴリズムにのっとって計算した確率」のこと
つまり、MDFCには普通の呪文とは異なる補正がかかっているわけです。

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この乖離はせいぜい5%程度の差なので、ただ普通にプレイしているだけではその差を感じることはありません。

「MDFCはBO1だと弱いな」と感じても「たまたまだろう」で済ませてしまう程度の差です。

しかし、自分が行った過去200戦を超えるBO1の初手データは、明確に理論値から数%ほど乖離した値を示しています。


結果、p値(偶然であるかどうかを判断する値)は0.001を下回る結果に。

【!】偶然では説明がつかない「MDFC独自の補正」がかかっていることを意味しています。

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https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034393/


これについては17landsやプロプレイヤーの辻川大河さんも同様の検証結果を得ており、私個人のデータの偏りではないことが示されています。


データから得られたアルゴリズムへの仮説については両者と概ね同じですが、そこから得られるMDFCの取り扱いについての自分の結論は少し異なります。


その仮説と結論とは

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記事を読んでいただき、ありがとうございました!