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R5司法試験・民法の話

 おはようございます。今日は民法の話をしましょう,うっ・・・頭が・・・
 
 私が再現答案(構成)でもなくこんな感じの駄文を書いてるのは,似たような脳内実況再現をあげてくださっていたR4受験生の方がいらっしゃったのですが,その方のブログは再現答案ほど身構えず読め,かつ当日の焦り等の心情描写も把握することができた点で非常に有用だったからです。
 来年の受験生かもしれないし,何年後になるかもわからないけど,1人でも,今年の問題を過去問として解いた後に読んで当時の人間の感触を掴んでもらうことができたならば,このブログには意味があったかなと思います。
 
 サムネは知らないゲームです笑


〜試験開始前〜

 「昨日は(当社比)大きなやらかしはしてないはず。今日も流れに乗りたい。」
 「民法,改正で混乱しないように過去問を3〜4年分しかやってない関係でちょっと不安はあるけど,京大は民事系に強いって散々聞かされてきたし,多分大丈夫!」

〜試験中〜

設問1

 「まさかだけどこれ配偶者短期?短答知識としてうっすら持ってはいるけど,論文で出るのか・・・。友達が模試でなんか出たとか言ってたな(私は面倒くさかったので模試を何一つ受けてませんでした。なお,後から判明したのですが,模試の当該問題作問者は予備抜けした高校同期でした。ふざけんなw)。とりあえず相続とか配偶者居住権の否定とかから丁寧に小銭稼ぐか・・・。」

 「んで,多分この勝手に総菜屋開いたみたいなのが何かに引っかかるんだろ(事実から逆算思考)。あ,あったこの従前の用法が〜みたいなこれか。ん?でも遺産分割未了ならまだこいつ居住建物取得者じゃないから主張できなくね?(なんか読み落としてそう。)それでいいや,そろそろ先行くか。」

 「主張2は共有権か。共有権者は全部使用できるんだからこれはその通りだろ。(なんかこっちの主張も用法に関する条文追加されていたらしいですが,時間ペース的にもこれ書けば十分か,くらいに思って書いてません。その検討落としてます。まあ,他人の再現とか読む限り結構落としてる人いたのでここはそんなに気にしてません。)」


設問2

⑴について

 「お,受領義務だな!ローでやったぜ!流石にあんなアホみたいな民法総合を履修させられたことはある,京大は民法に強いなぁ。」

 「まずは催告解除には趣旨から別に期間伝える必要はない的なので小銭稼ぎをした後に,受領義務は原則否定!」
 「んで,事実引用しながら鯉は生物で,管理に場所をとる,時間が経てば経つほど価値が下がる,その他餌代等のコストがかかるみたいな性質を踏まえれば,これは債権者の協力が必要な債務であって,債権者側に例外的に受領義務が肯定される,と。(次の問題への動揺で例外部分の規範明示できず,三段論法が崩れました。原則例外論の形で答えたので読んでて崩壊まではしないでしょうが,これは良くないですね。)」

⑵について

 マジでこの顔になりました。ぐにゃあ〜ってあんな感覚なんですね。脳内再現の前に説明します。
 京都大学は,昨年亡くなられた民法の大家であるSOM先生の影響が非常に強く,学部,ロー問わず一部の民法分野についてガラパゴスになっている節があります。例えば,不当利得で公平説を取ろうものなら間違いなくカスみたいな点数がきます。

 そして,その中でも最大のガラパゴスと言っても過言ではないのが,ここで問われた損害論分野です。普通の受験生であれば,相当因果関係説を予備校やローなんかで叩き込まれているから,そこまで難しい問題ではなかったのではないでしょうか。ところが,京都大学では相当因果関係説は叩かれるどころか,あたかも最初からそんな説など存在していないかのような扱いを受けます。そして,保護範囲論というよくわからない難解なものをベースに授業が進んでいくのです。
 仮に,学部が京大ではない,又は予備校に通っていた人であれば,何とか記憶から相当因果関係説で対処ができたのかもしれません。しかし,私のような予備校は過去問や選択法だけ参考にするけど通ってまではいないような純正京大産の人間には,この問題が「平均的受験生が書くことは何も書けない」ということしかわかりませんでした。
 そんなこんなで,「ここだけは絶対出ない,京大というそれなりの集団が全く違うこと書かざるをえないような論点だし,出るわけがない」とたかを括って対策もほとんど何もしていなかったこともあって,416条の1項と2項の区別だって,未だあんまりついていませんし,流石に416の条文摘示はしたけど適当です。
 とにかく,この問題に関しては京大は民法に最弱だったと言えるでしょう。

 「とりあえず・・・他の要件検討して・・・,んで,因果関係。確か,①事実的因果関係の有無→②保護範囲の範囲内か→③金銭評価のフローだったよな。①は問題なくて,②。短答のなんかの問題で予見の対象は債務者・不履行時だった気がするけど,改正民法下では契約締結段階でどのリスクをどっちが背負うかというリスク分配を契約の趣旨から導くことが重要だから・・・(これ現場でそのまま書きました。ここまで来ればもはや何書いてるかもわからん。),契約締結時・両当事者で予見できたかは判断すべきなんだ!」
 「んで,⑴の事情踏まえれば債権者受け取らなかったらどんどん値段下がるのはわかりきってるし保護範囲には含むだろ(価値判断)。金銭評価,多分この設問で一番聞かれてることなんだろうけど。。。受け取らなかったらどんどん下がるのは分かり切ってんだから現状の損害を認めていい,全額認容!」

 「営業利益は後から思いついたって問題文にあるしさっきの基準からは保護範囲には含まん!認めんぞ!」


設問3
 「はぁ,はぁ・・・。もう進むしかねえ・・・。なるほど,賃貸料とは違って転貸料には原則物上代位は認められない論パ貼り付けた上で,この事実から例外を認められないかの検討だな。確か例外は『賃貸人と同視できるか』だったはずだけど,身内とかではないし,本件で同視というにはなんか気持ち悪さがあるな。『賃貸人と同視できる又はそれに比肩する程度に転貸人の保護を図る必要がない時』とかにしとくか。あとは事実拾いまくって実質債権を不当に優先回収してるって構造を捉えれば,保護の必要がない方向に当てはめできるな。」
 
 「やべえ時間が1分しかない!!!債務不履行になってからの分しか認められないから6月分のみ!!根拠条文は探す時間ないから挙げられません!!」


〜感想〜

 いかがでしたか。今年私と一緒に受けて,「お,こいつはどんなこと書いてんだろ〜」と思ってご覧になった方は,わけがわからなかったのではないでしょうか。損害論,何点くるんでしょうね笑。0点ではないとは思いますが,有力説を多分理解しきってないまま書いたので,3割程度のひどい点が来ることは間違いないと思います。逆に,1ヶ月半たってなお混乱しながら何書いたかちゃんと覚えてる自分の記憶力を褒めたいくらいです。独自説じゃないだけマシか・・・?
 一方で,ネット上で見れる答案の中では,受領義務を一切書いてない答案が相当数ありました。割とボーダー層でも書いてない人が多いな,と印象を受けたので,反対に⑴三段論法若干崩れたけど原則例外の形は崩さず書けた分こっちで首の皮は繋がったんじゃないでしょうか。

 設問1は正直あの程度書けていればボーダーレベルでは差はつかないと思っています。
 設問3については,こんなもんだろうと思います。間に合っただけヨシ!

 民法はとにかく京大の授業復習がメインで,残りの論点について趣旨規範ハンドブックで頭に入れ,それこそ配偶者短期居住権のような論点でもないところについては短答知識で乗り切る,という方針でした。今年以外はそれで足ります。今年以外は!!!!!!!!(憤怒)。仮に落ちていても知識面でこれ以上の対策をするつもりはありません。」

 ご覧いただきありがとうございました!



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