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飲み会の締めに「食らう」日

二、三日前会社の人と飲みに行った。

割と自宅で晩酌をするのは日は多いが、外で酒を飲む機会は多くて月に一、二回程度だ。
一軒目はかなり辺鄙な場所だったので2軒目に移動するためのハンドルキーパーとして終始高い高い烏龍茶をぐびぐび飲んだ。
2軒目は同僚行きつけのBarに移動してそこでようやく飲み始めることができた。
早く皆と足並みを揃えるために濃いめのハイボールをつまみもなしにぐいぐい飲んだ。
気のいいバーテンがハブ酒を振舞ってくれた。ハブ酒はいいから唐揚げをください。そう思ったが常識に手足が生えて地面を這いずり回っている私からそんなことは口が裂けても言えない。
結局そのあと朧げだけど山原のオフロードくらいのハブ酒に遭遇した気がする。

飲み会も終わりみんなは帰路に着く。
私は近くの漫画喫茶で泊まることにした。
以前泥酔した私は漫画喫茶で一人で2部屋押さえて寝るというアリバイ作りとしか思えない失敗をしでかしたことがある。料金ももちろん二倍。ペラペラなマットレスで身を縮めて寝たのに7,000円くらいした。ほんとに「食らった」と思った。

二度と同じ轍は踏まない。今回は強い意志を持って、無人のレジで受付を済まし、カードキーを受け取り部屋に無事入室することができた。
オートロック付きの防音の個室、広くはないが朝まで休息をとるのは充分だ。
冷房の効いた静かな部屋に横たわると心地よい眠気がやってきた。
時刻は午前4時、仕事は13時からだが十分に休める。
20分ほどウトウトしてたら強烈な尿意と喉の渇きに目が覚めた。
備え付けのスリッパを履き、トイレへ向かう。
背後から重い鉄の扉と錠の閉まる音がした。

スマホ、財布、車の鍵、全て、全てがあの忌々しい121号室に閉じ込められてしまった。
時刻は4時半、快活クラブは大ノースタッフタイム。
壁に備え付けられていた内線電話にかけてみる。
頼む、誰でもいいから出てくれ。
多分ディストピアで無線見つけた時と同じ心境だった。
無情にも遠くに響く電話の呼び出し音にはどれだけかけても誰も、誰も出ることはなかった。

結局そのへんにあった机に突っ伏して仮眠をとりながら救援(スタッフ)が来るのを待つことにした。

結局朝8時、ほぼ一睡もできないまま出勤してきたスタッフさんに内鍵をしてしまった旨を伝え鍵を開けてもらう。

そこから寝りにつこうと思ったが直前まで読んでいたちょっとエロい漫画のせいで寝れなかった。

3,600円、前回に比べるとマシだが机で突っ伏すだけにしては高すぎる。
今回も無事「食らった」



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