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ムーンライト

ここ数日、心なしかセミの声に元気がない。

一週間前までは朝6時から信じられない声量で喚き散らしていたのに。
木にひっついていたセミを一匹捕まえてみた。
黒くて艶やかで立派なクマゼミ。
目線ほどの高さにいたそいつは存外呆気なく捕まえることができた。

お腹をビクっと震わせて、「ジ」って言った。

あんなに煩わしかったセミの大合唱も千秋楽に差し掛かるとなると少し寂しい気持ちになる。

虫の鳴き声に一喜一憂するのってなんだか雅ですね。

高校の頃なんとなく立ち寄ったTSUTAYAでバリー・ジェンキンスが監督を務めた。MOONLIGHTという映画をジャケ借りした。
マイアミの貧困地域を舞台に自分のアイデンティティと居場所を模索する黒人の少年の成長を映像美と音楽と共に描いたヒューマンドラマだ。
その中でわたしが特に印象に残ったセリフがある。

"月明かりを浴びて走り回っていると、黒人の子供が青く見える。お前をこう呼ぶ。「ブルー」と”

今日、仕事に行く前に久しぶりに髭を剃った。
風呂場にあったアロエのジェルを使ったら信じられないくらいすべすべに剃れた。
最近暇があれば海に行って肌を焼くようにしている。
何故なら少しシュッとして見える気がするから。
口髭の生えていたあたりは髭がなくなると周りの肌に比べると日焼けしておらず、髭の生えていた形に跡が残っている。
もはや白を通り越してぼんやりと青く光っている。

”日光を浴びて伸びた髭を剃ると、ウチナーンチュの顎は青く見える。俺をこう呼べ。「ブルー」と”

仕事に来ていく制服を誤って二日連続で洗濯せずに着てたっぽい。
なんか今日ちょいちょいおじさんの匂いがするなぁと思ったら自分だったみたい。
無香料の汗拭きシートってちょっとスースーした匂いがする。
完全な無香料でスースーしない手ぬぐいのような汗拭きシートが欲しい。






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