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整数問題(地方上級 H29)

卒業生からラインが来ました。
前回とは違う地方上級公務員の過去問について、解答と解説はあるけど、解答も別解も何を言ってるのかよく分からない…って質問でした。

解答と解説も読みましたが、正攻法で簡単な問題をわざわざ難しく説明しているように思いました。

20230915 追記
記事の最後の方に、ほんのちょっぴり違う解き方があります。

問題

あるイベントの参加者は100人以上200人未満であった。
この参加者を何人かのグループに分けるとき、8人で分けると2人余り、18人で分けると8人余ることが分かっている。
この参加者を7人で分けると何人余るか。

解答

よくある整数問題ですが、この問題には穴が2つあります。
ここを広げろと出題者が開けてくれてるんだと思います。

まず人数が100人以上200人未満しかいないのに18人という大きな数で分けたから候補となる数が少ないです。
18人で分けると8人余る人数は18m+8で表せます。
mは0以上の整数です。
参加者は100人以上200人未満なので、
100≦18m+8<200
92≦18m<192
5.1…≦m<10.6…
mに入る可能性のある整数は6,7,8,9,10の5通りです。
時間はもったいないですが、5回計算すれば答えは出ます。

もう1つの穴は、8人で分けると2人余り、18人で分けると8人余る…8が2つあることです。
8人で分けると2人余るので参加者は8n+2とも表せます。
8n+2と18m+8は、どちらも参加者を表しているので、
8n+2=18m+8
両辺に8があるので、2と8をそれぞれ移項します。
8n-8=18m-2
8が2つあるから、左辺が8でくくれます。
8(n-1)=2(9m-1)
両辺を2で割って
4(n-1)=9m-1
9m-1は4の倍数であることが分かります。
mの候補は6,7,8,9,10ですが、9m-1は4の倍数…偶数です。
mに偶数を入れると偶数-1で奇数になるので、mに入るのは候補のうちの奇数の7か9の2通りです。
9×7-1=62…4の倍数にはなりません。
9×9-1=80…4の倍数です。
つまりm=9で18m+8=18×9+8=170
問題は参加者を7で割ったときの余りですから、
170÷7=24…2
余りは2となります。

だらだらと説明したから長いですが、解くだけなら2、3分…かからないと思います。

条件に合う整数を求める…整数問題は、できるだけ候補を絞りこんで最後にちょっとだけ計算する…可能性を疑った方がいいです。

20230915 追記
教室で生徒に別の問題を教えているときに、ちょっとだけ違う解き方を思いつきました。
8n+2=18m+8
8n=18m+6=6(3m+1)
4n=3(3m+1)
4と3は互いに素なので 3m+1は 4の倍数です。
m=6,7,8,9,10 の中で3m+1が4の倍数になるのはm=9のときです。
簡単になるわけではないですが、道は1本ではないということです。
お粗末さまでした。