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旅立ち

タイトル画像は2011年2月16日、両国橋の公園の早咲きの桜です。

note.com 目次機能が便利なので、今まで章ごとに分けて掲載していたのをまとめることにしました。
これで読みにくい私の話が少しは読みやすくなると思います。

01 高速バス

卒業生が、挨拶に来てくれました。

これから徳島駅から高速バスで出発するので、旅立ちの前に来てくれたそうです。

1977年、大学1年の夏に家庭教師を始めました。
1985年、塾の講師を始めました。
1989年、島村塾を開きました。

教えるということについて、多少の経験は積んできたつもりです。
その私の経験の中でも、彼は特別な生徒の一人でした。

そのことについて書きます。
本人の了解は得ています。

今日は、もう遅いので、明日にでも…。

02 餞

高3生が卒業して挨拶に来たら、必ず話すことがあります。

島村塾に来て志望校に合格したら卒業生です。
3月からはいつでも勉強しに来てもいいです。
受講料は必要ありません。
たまに金髪とかトラガスのチャラいおにーちゃん、おねーちゃんが来るでしょう?
あれは、みんな島村塾の卒業生です。
大学の一般教養までなら教えられます。
困ったら聞いてください。
私のLineかSkypeのアカウントは知っていますか?
知らなかったら simamuraj で検索したら見つかります。
問題を写メ撮って送ってくれたら教えます。
できたらSkypeがいいです。
TwitterのDMでも構いません。
パソコンから返事が打てるから。
専門教科はダメです。
理系なら教えられる教科もあるけど、それは自分でやりなさい。
専門教科は自分でしないといけません。
最初から遅れないように勉強してれば大丈夫です。
友達を作りなさい。
県外の学校なら、できれば寮に入りなさい。
それから、できればサークルに入りなさい。
厳しい本気の体育会とかでなくてもいいです。
何かのサークルに入りなさい。
そうすれば、先輩ができるし出題傾向や過去問の情報が入ります。
入って3ヶ月は頑張って勉強しなさい。
そうすれば、そういう友達ができます。
楽しく過ごしてしまうと、そういう友達ができます。
だから夏休みまでは頑張って勉強しなさい。
入って2週間くらいはオリエンテーションが続きます。
つまらないけど、しっかり聞きなさい。
各講義の最初の授業は、特にしっかり聞きなさい。
高校までと違って、大学は自分で決めることが多いです。
油断してるとほっとかれます。
それでは頑張って。
いってらっしゃい。

卒業生が挨拶に来ると、だいたい毎回言ってます。
もちろん、こんな話し方はしません。
いつものように話します。

あちきんとこに来はってたお人が、志望校受かりはったら、卒業生どすさかいに、これからはお好きなときに来ておくんなまし…。

普通に話を進めようとか思わんのかって思うでしょ…。

うちに来とって志望校受かったら卒業生やけん、これからはいつ来てもかんまん。

みたいな感じです。
話してるときはいいけど、文字にするとなんかちょっと変です。
しかもやたら誤変換と誤文節区切りが多くなります。
っていうか、どっちにしても文章に書いてみると長い。

これを毎回言ってるから、これまでに何回、何十回、多分、もっと言ってます。
実際、卒業生はちょくちょく来てくれます。
勉強しに来る卒業生も結構います。
その中でチャラい、ケバい率は70%くらいでしょうか。
チャらくてもチャらくなくても、みんな普通に真面目でいい子達です。
普通に真面目でいい子達は、頑張って志望校に進むと、なぜかチャらくなります。
むしろ真面目でいい子達ほど、チャラくなります。
中学生とかは、ちょっと怖いと思うかもしれません。
去年来てた卒業生は、百歩譲っても見た目チンピラです。
久しぶりに来たときは、金髪でした。
目ヂカラが凄くて、威圧感もハンパないです。
でも、中身は物凄く真面目で、言葉遣いも態度も丁寧で、友達を大事にする、本当にいい奴です。
彼についてもお話したいんですが、それは、また別の機会に…。

03 始動

高3生が卒業して挨拶に来たら、必ず話すことがあります。彼にも話しました。

……………

入って3ヶ月は頑張って勉強しなさい。
そうすれば、そういう友達ができます。
楽しく過ごしてしまうと、そういう友達ができます。
だから夏休みまでは頑張って勉強しなさい。

彼には、一言、はさみました。
まあ、○○には、言わんでもええ話やけどな。

今の彼に勉強しろとか、頑張れとか言うのは、魚に泳げって言ってるようなもんです。
彼が島村塾に入ったのは、2年前、高2の4月でした。
彼は、中学1年の初めから、中学に行かなかったそうです。
そういう事情で高校ではなく、専修学校に進んでいました。
卒業後の資格等、高校とは違うらしいのですが、ややこしいので、以下、学校と書くことにします。
中学に行かなかった理由は聞いていません。
聞いたのは、中学での勉強は、ほとんどしていないということ、それから、どうしても行きたい大学があるということだけでした。
あと、英検をとりたいと言ってました。

彼の大学受験は、中学1年の英語と数学から始まりました。
最初に渡したのは、文英堂の『ぐーんとやさしく中1英語』と『ぐーんとやさしく中1数学』でした。
彼は、1ヵ月半かけて、それぞれ2周しました。
予定よりも時間はかかりましたが、なんとかやり遂げました。
頑張ろうという気持ちはあっても、まだ勉強の仕方も分かってなかったんだと思います。

念のために書いておきますが、このお話は、面白くないですよ。
オチとかもないし。
じゃあ、お前の書いている話のどれが面白いんだ?って言われたら、あれなんですが…。

まあ…。

他の話は、多少は盛りもしますが、このお話だけは盛りません。
っていうか、盛った話は、盛ったって書きます。
やったこととか時期とか、なるべく正確になるように当時のメモ…google keep のアーカイブを読み返しながら書いています。

一人の生徒の成長の記録です。

04 不合格

中学1年の英語と数学を1ヵ月半で終らせた彼は、次の1ヶ月で中2の英語と数学を終らせました。

この頃から、英検の準備を始めました。
英検4級から始めましたが、4級は受験はしませんでした。
次の1ヶ月で、中3の英語と数学を終らせました。
終らせたというのは、問題集を終らせたという意味ではなく、大学受験の準備としての学力を身につけたということです。
それから、英検3級の問題集と単語集を始めました。
この頃から、集中力が長く深く維持できるようになって来ました。
質問することが少しずつ増えてきました。

そして10月、中1の勉強を始めて半年足らず、英検3級を受験しました。
結果は、不合格でした。
自信はあったと思います。
努力もしています。
見せかけの、誰かに認めてもらうための努力ではなく、行きたい場所に行くために必要な知識と能力を身につけるための本物の努力です。
その姿を見ていた私は、絶対大丈夫だと思っていました。
肩を落とす彼に言いました。

次は受かるよ。
実際、次は受かると思っていました。
私の言葉に、彼は答えました。
もう受けません。

ここに書くお話は、すべて事実です。
できるだけ間違いのないように、当時のメモ読みながら書いています。
こんなにも孤独で必死の闘いがあったことを知ってもらいたいからです。

このお話を書くことを了承してくれた、彼に感謝します。

05 挑戦

10月、中1の勉強を始めて半年足らずで受験した英検3級は、不合格でした。

彼の努力は本物でした。
集中力も勉強時間も文句のつけようがありませんでした。
それでも不合格でした。
中学3年間の英語を一から始めて半年足らずで完成させることはできませんでした。

肩を落とす彼に言いました。
次は受かるよ。
彼は答えました。
もう受けません。
次は2級を受けます。

私は、進路や受験について生徒が決めたことを否定しません。
島村塾の生徒は、私が生徒の受験について、それは無理って言うのをほとんど聞いたことがないと思います。
最後に生徒に無理って言ったのは、6年位前でした。
どこの大学に行きたい、なんの資格を取りたい…相談されたら、その生徒の学力と合格までに必要な学力の差、受験までに使える時間について考えます。
だいたい届きます。
気休めではなく、本当に届くから、大丈夫って言います。

今年も大丈夫でした。
『無理』は言わないけど、「もうちょっと上行けるよ」は、言います。
頑張っている子供ほど、自己評価が低くなりがちだからです。

私:それは無理。
3級落ちて、3ヶ月で準2級飛ばして2級は無理。

彼:頑張ります。

私:頑張るんは、ほんまによう頑張っとる。
ほなけど無理なもんは無理。

彼:頑張ります。

この時点で、2月の受験で志望校には十分に届くと思っていました。
もっと上の大学でも届くと思っていました。
だから英検に使う時間がもったいなかったです。
6年前なら2級でもよかったんです。
大学受験のついでに勉強できましたから。
2016年に2級に100語程度の英作文が導入されました。
彼の志望する大学の英語はマーク式、英作文も整序形式です。
2級のために英作文の勉強をすることは、無駄とは言いませんが、受験勉強のコースからは外れています。
そのことも話しましたが、彼の意志は変わりませんでした。
本人や親御さんの意志が固いなら、それを目指すのが私の仕事です。

結局、5月下旬に英検2級を受験することになりました。

06 覚醒

私の説得は彼の心には届かず、英検3級に合格しないまま、準2級をとばして、半年後に2級を受けることになりました。

2級の勉強と同時に、高校英語、現代文、古文、現代社会の勉強も始まりました。
ここは少し自信がないです。
もしかしたら、現代文と古文は、入塾した当初から始めていたかもしれません。
数学は、中学の範囲が終ったところで、受験に使わないので止めておくことになりました。

この頃から、彼の勉強に対する考え方が、さらに強いものになってきたように思います。
英語は、英検も合わせることで、他の教科よりも時間をかけるようになりました。
最初に渡した単語集と熟語集は、使い込まれて、2倍くらいの厚さになっていました。
彼は、自転車で来ていたのですが、帰りは…多分、来るときも、単語集や熟語集を自転車のカゴに入れていて、信号待ちのときに読んでいたようです。
途中で抜けて食事に出かけるときも、単語集は離しませんでした。

当然のように、英語は伸びました。
他の教科も伸びましたが、文字通り0から始めた英語が一番伸びました。
特に英作文力は驚くほどでした。
塾に来たら1つか2つ、英作文を添削するんですが、筋道のしっかりしたきれいな英文を書くようになりました。
受ける大学には自由英作文がないのが本当に残念でした。

それから、ギターを始めました。
彼に島村塾を紹介してくれたのは、以前、うちに来ていた女の子でした。
その女の子は、彼のいとこなんですが、ライブハウスで歌ったり、駅前で弾き語りの路上ライブをしたりしてました。
私も一度、聴きに行ったことがあります。
よく通る綺麗な声でした。
そのいとこの写真を掲載したいのですが、そしたら、せっかく彼を彼と呼んでいる意味がなくなるので、写真を見たい人は、島村塾で言ってください。

そのいとこの影響なのかもしれません。
とにかく、ギターを始めました。
ギター教室の帰りにはギターを抱えていたんですが、弾いてって頼んでも、それだけは全力で拒否されました。

英検2級を受験、そして合格発表。
もう驚くことでもないですが、当然、合格しました。
塾講師を始めて36年、この10年くらいは、受験については、だいたい分かるようになったつもりでした。
実際、だいたい思っていた通りになります。

彼は、その先にいました。
よく私の意見を聞かずに、自分の意志を貫いてくれました。
英検は、受験勉強にも役に立っていたと思います。
英検の採点結果を見せてもらったんですが、英作文は94%でした。

それを見たときに言いました。
もう中学行かんかったコンプレックスはないやろ。
彼はうなずきました。

一度はころんだかもしれません。
でも彼は自分で道を見つけ、必死で挑んで成長しました。

そして壁にぶつかりました。

07 White Knight

高2の春、彼には、志望する大学、学部がありました。
そこに進学するために島村塾に入りたい…と、最初の面接では聞いていました。
でも、どうやら本当に行きたい学部は違っていたようです。
もう少し難しい…偏差値でいうと7~8高い、人気の学部に行きたかったようです。
別の学部を志望すると言っていた理由は、詳しくは聞いていません。
偏差値が高いから自分には無理だと思っていたのかもしれません。
受験勉強をしている中で、自分に向いている学部が分かったのかもしれません。
とにかく彼には、絶対に行きたい大学、学部がありました。

その学部の公募推薦は、英検2級以上がなければ受験できませんでした。
だから、英検2級にこだわっていたのでした。

話は変わりますが、自転車での行き帰りでさえ信号待ちで単語帳を開いていた彼は、学校の休み時間やちょっとした空き時間にも勉強していたはずです。
彼の誕生日、何人かの同級生からプレゼントをもらっていました。
メッセージも添えられていました。
彼は、そのメッセージを机において勉強していました。

ちらっと見ただけですが、
○○、受験、がんばって!
絶対合格!
みたいな感じだったと思います。

それを見て自分を奮い立たせていたんでしょう。
受験に真剣に立ち向かう彼は、友達に恵まれていました。

彼が、次は2級を受けると言ったとき、応援してくれる友達に応えるために、2級に挑戦しようとしているんじゃないかと思ったんです。
だから、2級を受けることには反対しました。
結果は最後に大学合格で見せればいいし、寄り道してたら足元すくわれる…と思ったからです。

それが、本当は、行きたい学部は違っていて、その公募推薦は2級がないと受けられない…ということでした。
そして無謀とも思える挑戦で、当然の結果の合格を得て、公募推薦の受験資格を手にしました。

数日後、彼は、がっかりした顔でやってきました。
公募推薦は高校の生徒が対象で、彼の通う専修学校の生徒は対象に入らないんだそうです。

私の失敗です。
公募推薦を希望する生徒には、受験資格について必ず確認するんですが、学校の種類については、全く考えていませんでした。
本当に申し訳なかったです。

でも公募推薦が受けられないだけで、一般入試は受けられます。
英検2級を持っていると、その成績に応じて、英語の試験を高得点で換算されます。
それがなくても、彼なら、間違いなく一般入試で合格します。

心配なのは、彼の気持ちでした。
私が少し休んだほうがいいと言うくらいに自分を追い込んで勉強をしていた彼が、そのままの気持ちで勉強を続けられるか…それだけが、心配でした。

それは、いらない心配でした。
彼は、変わりませんでした。
あの気力は、簡単に折れるものではありませんでした。
昨日までと同じように、油断なく真剣に勉強していました。

さらに数日後、彼は、嬉しそうな顔でやってきました。
公募推薦を受けられるようになったと教えてくれました。
担任の先生が、大学と交渉してくれたそうです。
これまでの彼の頑張り、現在の学力等を考慮して、特例として公募推薦を受験することを認めてもらったそうです。

彼は、友達だけではなく先生にも恵まれていました。

担任の先生に、心から感謝いたします。
担任の先生が先のことですから、私がお礼を言うのは筋が違いますが、

本当に、ありがとうございました。

今日のサブタイトル、White Knight は、彼を救ってくれた担任の先生です。
もちろん、彼が敵対的買収に晒されていたという意味ではありません。

08 桜 最終回

公募推薦の準備を始めました。

彼に限らず、面接のある生徒には、希望があれば面接練習をするんですが、私はすることがないくらい、自分で仕上げてました。
座る姿勢とか話し方とか、本人は気がつかないようなことを少し直したくらい…そういえば、声が小さいのは、なかなか直りませんでした。
彼は、基本的に静かな人間だから、仕方ないんですけど。

公募推薦の受験会場は県外だったので、徳島に帰ってから2週間自宅待機している間に合格発表がありました。
だから、結果は、Skypeで報告してもらいました。

今、そのSkypeのチャットを見返しています。
コロナで休校の間、自宅で書いた英作文の添削をしたり、勉強のしかたについて相談したり…懐かしいです。

彼からの最後のチャットは、

無事に○○大学、△△学部合格できました!
本当にお世話になりました。
また来週には塾に行きます!

でした。

こうして、彼の受験勉強は終りました。

ところで、チャットを読み返していて、色々思い出しました。
受験勉強については、意見がぶつかることも多かったです。
彼は、どんどん新しい勉強をしたがるので、ゆっくりじっくり進めるように抑えていました。
彼の受験勉強については、そういう点だけが難しかったです。
たとえは悪いですが、元気一杯で力の有り余る大型犬を連れて散歩している感じです。

彼:○○もしようと思います。

私:やめとき。
そういう楽しい勉強は、受験が終ったらしたらええ。
高3がする勉強ではない。

彼:楽しい勉強ってあるんですか?

私:ノートを綺麗にまとめるとか、受験から外れてやりたい勉強をするとか、そういうのは、高2の夏休みにしとくか、受験が終わってからしたらええ。
この忙しいときにすることちゃう。

色々と意見もあると思いますが、私は、受験勉強で求められるのは、効率よく必要な知識と技能を身につけることだと思っています。
だから、受験に直接必要のないことは、たとえ勉強であってもするべきではありません。

そして志望する大学学部に合格しました。
県外から帰ってきて自宅待機期間を終えて、彼が塾に来ました。

合格の挨拶をする私は、言いました。

これからどうする?
バイトする?
免許とる?
青春する?
楽しい勉強する?

彼は、答えました。
英語の長文は続けます。
数学が中学までで止まっているので、高校の数学がしたいです。
大学で必要なので、toeic の勉強もしたいです。

それから卒業するまでの間に、数学1Aの基本的な問題集を終らせ、さらに1Aの入試基礎の問題集と2Bの基本的な問題集を終らせました。
もちろん toeic の勉強も進めています。

たぶん、彼は、自分が納得するまで勉強するでしょう。
そして、そう簡単には納得しないでしょう。

さて…

高3生が卒業して挨拶に来たら、必ず話すことがあります。
これから高速バスで県外の大学へと旅立つ彼にも話しました。

入って3ヶ月は頑張って勉強しなさい。
そうすれば、そういう友達ができます。
楽しく過ごしてしまうと、そういう友達ができます。
だから夏休みまでは頑張って勉強しなさい。

彼には、一言、はさみました。

まあ、○○には、言わんでもええ話やけどな。

今の彼に勉強しろとか、頑張れとか言うのは、魚に泳げって言ってるようなもんです。
それは、彼が、遥か遠くにあると思えた目標に向かって全力で進み、辿り着いたからだけではありません。
辿り着いたあとも満足することなく次の目標を探して、再び全力で進もうとする彼だから、言わんでもええ話なのです。

最後に、もう一言、付け加えました。
○○が、どこまで上っていくか、楽しみにしとるよ。

この2年間、私がしたのは、ほんの少しの軌道修正だけでした。
受験という足枷もなくなった今、それも必要ありません。
誰かに言われるまでもなく、彼は、楽しい勉強を心ゆくまで追い求めるでしょう。

どこまで上っていくか、楽しむことにします。

終わりです。

09 それから

○○が、どこまで上っていくか、楽しみにしとるよ。

この言葉で彼を送り出したのは、去年の3月でした。
もうすぐ1年になります。

その彼からメッセージが来ました。
合格の報告以来のメッセージでした。
その一部です。

英検の勉強は今も続けています。
準1級は取得して、先日1級を受験したんですが数点足らず落ちてしまいました。
次回の英検で余裕の合格を目指します。

準1級の合格は連絡くれなかったのに、1級の不合格で連絡をくれたのは、よっぽど悔しかったんでしょう。

彼らしいです。

彼が卒業するときに、大学で勉強して英検1級とりなよ…とはいいました。
4年間しっかり勉強したら、きっととれる…と思っていましたから。
1年でとろうとするとは思いませんでした。

次の試験では余裕で合格すると言っています。
彼が言っているのなら、きっとそうなるでしょう。
彼は高2の秋に受けた英検3級で落ちています。
落ちてからの彼の頑張りと成長は凄かったです。

英検1級の不合格通知も見せてくれました。
彼からメッセージが来たときに、ブログに書いていいかと聞きました。
彼は構わないと言いましたが、これもいいとは言ってません。

私も載せていいか聞いてません。
怒られるかもしれませんが、中学英語をゼロから始めても努力すれば3年でここまで来られるという道標として載せます。

この話は完全に実話です。
何も盛っていません。
中学1年の初めに不登校になった彼が高2の春から頑張ってきた結果です。
自分が心の底から頑張ろうと思うならそれは一番大きなエネルギーです。

終わりです。