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世界が揺れた・・・

はじめに、
皆様、ご無沙汰しております。
連日の猛暑の中、
皆様、お元気にお過ごしでしょうか?
私は、一日の9割の時間
エアコンに支配されつつ、体の自由を奪われ
肉体の自由を奪われ、
惰性で過ごしております。

今回も懲りずに、膝枕で妄想して、暴走
実は、膝枕の個性って何て考え出して。
このお話は、脚本家 今井雅子さんの短編小説を
愛してやまない、筆者の妄想の産物。
ご迷惑でなければ、見逃して、見過ごして下さいませませ。

世界が揺れた・・・

原案:今井雅子 二次創作:倭國

   貴方も膝枕に・・・

冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して
深めのリクライニングチェアーに腰を下ろす。
ラフな服装で構わない。
エアコンの温度調整、暑くもなく寒くもなく、窓の外では8月の太陽が容赦なく照り付けている。毎年、毎年苛酷になっていく夏の日差しを避けるべくカーテンを引いた、屋外の気温は体温を優に超えていると朝のニュースは伝えていた。

VRゴーグルを着用し、ワイヤレスヘッドフォンを着用、VRコントローラーを手にして起動ボタンを押す。

微かに機械音を感じながら、リクライニングチェアーに体をあづける。

ブルーバックの視界に《電源が入りました》の白抜きの文字が浮かび上がる。
「Power ON 
体調のすぐれない方は、使用を中止してください。
プログラムを起動してよろしいでしょうか?」

青から黒く変わった視界に、 《YES/NO》の白抜きの文字が浮かび上がる。右手のVRコントローラーのトリガーを引いてYESを選択、確定する。

「Link START !  視覚を同調いたします・・・視度補正実行します。」
2~3度目の前の文字がぼやける。
普段から眼鏡を着用しないと、自転車にも乗れない自分の視界がクリアになるのを感じた。奥の方までしっかりと見える、霧が晴れたような感覚にも感じた。
まるで脳に直接映像を送り込まれるように、視覚的よりも感覚的に認識しているようにも感じられる。

「聴覚同調します・・・」
ナビゲーションの声が頭の中に直接語りかけてくるのを感じる。
極限まで軽量化されたヘッドホンからは,
掛けていることを忘れるくらい、自然でクリアな音声が再生された。
「あなたを素敵な夢の世界へ VRMMORPG ヒッザニア・ストーリーズへようこそ」

「最初に、アバターの作成をいたします。」
《オート/マニュアル》の選択肢が目の前に浮かび上がる。
マニュアルを選択

「性別を措定てください。」
《男性/女性》
女性を選択

「肌の色を選択してください。」
色パレットが目の前に現れ、ポインターで選択するらしい。
雪のように白い肌を選択した。

「初期装備を選択してください。」
初期装備との事であまり、選択肢は多くなく
グレーのトラッカーショートパンツを選択した。

「体型を選択してください。」
体型の選択?
深くは考えていなかったので、標準体型を選択した。

「スタートいたします」

一瞬、視界が暗くなり、視界の奥の方の消失点より、赤、青、黄色、緑・・・無数の色の帯が自分の脇や頭上を後方に向かって流れていく
色の帯の先から眩しい白い光が少しづつ広がり、体を包んでいった。

暖かい

光に少しづつ慣れてくる。
高い天井の室内、規則的なモーターの音、ローラーの回る音。
コトコト、コトコト不自然な振動に身を任せどこかに流されているように感じる。少しづつ覚醒する意識・・・
その時私は、黒いベルトの上を無数の膝と共に一列になって流されていた。

「ひざ?」

長く続くレーン、その脇を行きかう人々、皆、白衣を着ていた。
体の自由が利かない、ただ上を見ながら流される、
ここでかわいい音楽でも流れていれば、さながら、イッツアスモールワールドの様だ。
残念ながらモーター音とローラーの回る音しか聞こえてこない。

しばらく流れに身を任せていると、一人のオペレーターの前で停止した。
固定された視界の中、かろうじて名札が見えた・・・
「・・・薫?何とか薫」苗字はうまく読みとれなかったものの、
このオペレーターは、薫と言う名前らしかった。

薫は、私の体をまさぐり数本のコード取り付けた。
少しくすぐったかったが、声が出ないし体も動かない、薫にされるがまま身を預けるしかなかったのである。
薫は無心にモニターを見ながら、キーボードを叩いている。
作業の進行につれて私の体は、少しずつ自由を取り戻していく。
固定されていた視界は少しづ広く自由になってきた。固まっていた体は少しづつほぐれてきて、身をにじらせることができるようになってきた。

声は・・・一生懸命に薫に語りかけるのだが、薫は反応してくれない。
聴こえていないのか、発声されていないのか?

時間だけがむなしく流れる。

ほんの数分の様であり、とても長い時間の様でもあった。
薫がこちらを見て笑い掛けてくれたところで、再び視界がフェードアウトしてゆく。

「待って、薫・・・」

次に目が覚めた時は、暗く狭い壁に囲まれた場所・・・。
やたら、揺れる。
街の雑踏の音が聞こえる・・・。
しかし、どこまでも深い闇の中。
「苦しい・・・」
正座の姿勢で狭い箱に閉じ込められて、寝かされている?
太ももの重さがお腹を圧迫して息が苦しい。

「ヤバイ、しんどい、一旦、ログアウトしよう。」
右手を振ってみる・・・あれ?
左手を振ってみる・・・あれ?
「ログアウトメニューが表示されない?」
そもそも手がない。
「ログアウトできない。」

遠くの方から声が聞こえてきた。
「まくら・・・」
「受け取ってもらっていいですか?」

世界が大きく揺れた。





「調子に乗っちゃって・・・(≧◇≦)v」
異世界転生ではなく膝界転生ww

転生ではないか、膝SAO
貴方も膝枕になれる、どんな膝になりたいですか?
続きは自由に、色んな話に入り込んでください。

戦う話はほぼ無いので、命まではいただきません。



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