2024/2/11 チェロのポジションってナニ?

チェロのポジションがわかっていない。
1ポジションはわかる。3や4もわかる気になっている。2は謎。5や6も、たぶん使っているけど把握していない。ドッツァウアー3巻の後半になるとト音記号がわさわさ出てくるので、追々もっと高いところも使うのだろうけど、それが何ポジションなのかもわかっていない。
夏の合宿に向けた曲選びのため、先生に「合宿の発表会の持ち時間は7分だっけ。ソロやる? 僕とデュオやる?」と聞かれ「先生と弾ける機会なんてとっても貴重なので、持ち時間全てを使って先生とデュオがしたいです。ただ、ピアノと合わせる機会もなかなかないので、そちらも捨てがたいです」というワガママ全開の回答をした。
「じゃあ、ピアノ付きのデュオをやろうか」
そんな選択肢があったのか。
私には夢のようなハイパーゴージャスな発表会になりそうで楽しみすぎる。はやく夏になってくれ。いや、もっと練習してから臨みたいので、そんなにはやく夏になられても困る。
それはさておき、曲を選ぶにあたって「何ポジションまでいけるの? 7? 8? 前は、ハイドンCを弾いてたよね」と聞かれた。
「わかりません。これまでポジションの概念なく弾いていたので……」
わからないなら調べなさいと、自分に言いたい(今、言った)。
習い始めて真面目に練習していた高校時代、なんとなくおさえてなんとなく音が出てしまったので、ポジションについて特に意識したことがなかった。
拡張やらハーフポジションという概念もなく、薄らぼんやり1ポジションを認識していたのみで、あとはテキトーに上がったり下がったりしていた。おそらく、4歳から高校を卒業するまでろくに練習しないままウッカリ続いてしまった、バイオリンで培った能力だけで弾いていたのである。
今思い返せば、バイオリンでもしっかり体に落とし込めていたのは、1stと3rdのみだった気がする。音程がアバウトすぎて、よく弾いたもんだというか、実のところ弾けたことにしてたんだなと、振り返ってみて思う。当時は私なりに色々とあったのだが、長くなるのでカット。
そのようにノリとカンだけで弾いてきてしまった、基本を知らない大きな野生児が私である。先生に習い始めてようやく、基本がなってない自覚が出てきた。これぞまさに、不知の自覚ってやつか。
話がずれた。
先生が「高い位置で、そうそう、その辺。音が外れててもなんでもいいから、その辺でビブラートをやってごらん」とおっしゃる。
よくわからぬままテキトーにおさえたところでビブラートをかけてみた。2の指、1、3、とテキトーにおさえる指を変えてみる。うごうご。
「うん、デュオならそのくらいまで弾ければ十分だね。きれいな曲いっぱいあるからね」
あんなビブラートでよかったのだろうか。そういえば、前の先生からビブラートを習うこともなく、なんとなく弾いていた。今の先生からは、ビブラートは上下均一に同じスピードでと教わったが、できていた……のか? 夏までにはイケそうと判断された……のか? 書きながら、聞いておけばよかったと思う。
7分あれば、短い曲が2つばかりできるそうだ。
先生が過去にドミンゴの歌を聴いて感動し、楽譜を入手した(んだか作ってもらったんだか)という歌曲を見せてくれた。
「ドミンゴって、プラシド・ドミンゴです? よね?」
「そう~。ファーストチェロはあなただからね」
「はい」
「ビブラートの練習にもなると思うよ」
あとで歌を聞いて、歌詞の意味も確認しよう。
それにしても、まさか先生とデュオさせていただける日が来ようとは(まぁ世の中どんな不測の事態があるかはわからんのだけども)。
ふと、先生のお宅に初めて伺ったときのレッスン終了時を思い出した。おそらく「なんか珍獣が来ちゃった。まぁ追い返すのもかわいそうだし……」と単発で見るつもりだっただろう先生に対して(※私見)、厚顔無恥で心を塗り固めて次のレッスンをお願いした日である。2年経ち、その時には想像しえなかったことが起きている。すごいぞ!
と、感動するのはいいのだが、これは何ポジションねと言われたときに(今のところ言われてないけど)サッと対応できるよう、ポジションを把握したい。
先日、風姿花伝を読んだ。その中に「曲と云ふは、節の上の花なり」とあった。節は定まれる形木、つまりは型で、その上に花が咲くのだと。
先生が「楽しみたいなら基礎を身につけなさい」とおっしゃることを、また別の形で提示された気がした。
というわけで、はよポジションを確認せにゃ! 過去にかっ飛ばして終えたことにし、実家に置きっぱなしのウェルナーに載っていることを祈りつつ。

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