懐中時計の針について
懐中時計の針
別の記事で懐中時計の文字盤のお話をしましたが、針も時計のデザインにとっての非常に重要なパーツです。
しかも、針を見なければ時計の本来の役割である「時間を伝える」ことができないわけですから、一番見られるパーツでもあります。
デザインだけでなく時間の見やすさを考慮して様々なデザインや工夫が凝らされています。
代表的な針のデザイン
ここではアンティークの懐中時計によく見られる代表的なものを紹介します。
1.スペード
先端がスペードの形をした針。かなり一般的で多く見られます。
懐中時計では短針のみスペード型のものが多いです。
ハーフハンター(デミハンター)ケースの時計の場合、蓋を締めた状態でも小窓から短針と長針の区別をつけやすいように、スペードが2つ(ダブルスペード)になっています。
2.ブレゲ
伝説的な天才時計師ブレゲが考案した針です。
針の先端のドーナツ型の円盤によりとても視認性が良い針です。
こちらもアンティークの懐中時計によく見られる針です。
3.ルイ
とても手のこんだデザインのゴージャスな雰囲気の針です。
アンティークのものは型抜きではなく1本1本手彫されています。
細かいデザインの違いでルイ14世針、ルイ15世針、ルイ16世針などがあります。
4.ドルフィン/アルファ
ドルフィン…ひし形の片方を伸ばしたような形の針です。ドーフィンとも呼ばれます。
アルファ…ドルフィンの根元部分が細くなってた形の針です。
5.カセドラル
「大聖堂」の名がついた針です。
先端にひし形になっていて、穴が空いているタイプもあります。
6.バタフライ
蝶の形をしたとてもおしゃれなデザインの針です。
7.モーニング・グローリー
ガス灯のようなデザインの針です。
8.コブラ
短針の先端がコブラの頭部のように見えることからこう呼ばれます。
ミリタリーウォッチや古いドレスウォッチなどに使用されます。
針に関する豆知識
針の色について
アンティークの懐中時計だとゴールド、ブルー、ブラックが多いです。
ブルーの針は「青焼き」といって、金属を焼入れすることで表面に酸化皮膜を作りそれが青く見るタイプのものがあり、作成に手がかかるため高級な時計に使用されています。
針の取り付け方法
19世紀以前の古い時計などに例外はありますが、中心の軸部分に軽く指してあるだけのものがほとんどです。
接着剤や溶接などで接続されず、軸と穴のサイズがピッタリと合っていないと固定されません。
針の交換
針は非常に繊細な部品ですし動く部分でもありますので、古い時計の場合途中で交換されていることがよくあります。
しかし「針の取り付け方法」でも説明したように、針は軸と穴の絶妙なフィット感で固定されているので、交換部品が殆ど残っていないアンティークの時計の場合、デザインがぴったりで取り付けられる交換用の針が見つかる可能性は少ないです。
穴の方を少し楕円形にしたり雑なものだと接着剤で無理やりつけてあるものもあります。
短針、長針、秒針の色やデザインがバラバラだったりサイズがあっていないといったものもよくあります。
針には刻印があるわけではないのでオリジナルかどうかの判断はとても難しいです。
当店の懐中時計の商品リストはこちら
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