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国産ミニチュアの潮流

最近、ミニチュアの国産化の流れが加速している。

元々日本は模型の分野では非常に高い技術を持った国だが、ことミニチュアの分野では海外のミニチュアメーカーに大きく水を開けられ、ユーザーは輸入に頼る時代が続いていた。
勿論、過去のTRPGブームの時代にアオシマや海洋堂といったメーカーが国産メタルフィギュアを販売していた時代もあった。

だが、その後の国産ミニチュアの潮流は細々とした物になって行き、オーロラモデルなどの一部の老舗が、何とか国産ミニチュア市場を支えている状況が長く続いていたのだ。
その流れに大きな一石を投じたのがジャイアントホビーだ、完全国産のミニチュアゲーム『サイクロプス』をスタートにミニチュアの国産化を進め、遂にボードゲーム『DORASURE』で大ヒットを飛ばした。

『DORASURE』のヒットは国産ミニチュアの存在を全国的に広める事に大きく貢献した。そもそも以前からのコレクター層だけでなく、メタルフィギュアの存在すら知らない人達が『メタルフィギュア』というジャンルを知る事になったのだ。
効果はそれだけではない。「国産ミニチュアであっても売れる」という実例が出来た事で、様々なディーラーが参入を始めたのだ。
その中でも、元々ミニチュアを扱っていたB2Fゲームズ、タチキタプリントの動きは早かった。人気漫画『ダンジョン飯』のメタルフィギュアをワンダーフェスティバルで頒布。キャラクターだけでなく登場モンスターまでミニチュア化していく。

B2Fゲームズの動きはそれだけに止まらない。新ブランド『NSミニチュア』を立ち上げ、
版権の縛りの無い国産ミニチュアビジネスに乗り出した。キャラクターミニチュアだけでなく、3Dプリント製のモンスターや、建物、城壁など、そのラインナップは多彩だ。

老舗オーロラモデルも負けてはいない。これまでの版権物やリアル等身の汎用モデルに加えて、可愛らしくもファンタジーの雰囲気をガッチリおさえテディベアシリーズを矢継ぎ早に展開。今もラインナップを増やし続けている。

この様な各ディーラーの動きの一方で、大手でも国産ミニチュアのリリースの動きがある。
人気小説『ゴブリンスレイヤー 』のTRPGにはメタルフィギュアが同梱。さらに小説の新刊でもメタルフィギュア付きの豪華版を発売するなど面白い動きが出始めている。

さらに先日、マックスファクトリーとアークライトが行った国産ミニチュアボードゲーム『ドラゴンギアス』のクラウドファウンディングはわずか3日で500万円以上を集める人気ぶりだ。

こういった流れを見ると、国産ミニチュアの分野が大きく動き始めているのを感じる。

さて、つい文が長くなったが最後に最新の国産インデーズミニチュアを紹介させて欲しい。ULTLAZONE table top minituresの3Dプリントモデル『魔神の契約者 ラヴ』だ。
可愛らしいデザインと極めて精緻な造形のこのミニチュアは販売開始直後に即完売。Twitter上でも次々に作例が発表されている人気モデルだ。

僕も一目で気に入って購入してみたが、3Dプリントにありがちな積層痕等も最小で、実に素晴らしいモデルである。
現在メーカー品切れだが、来月には再生産の予定との事なので、興味のある方は是非手にとってみてほしい。

さてさて、国産ミニチュアの大きなムーブメントが来ているという話をしてきたわけだが、上手く伝わっただろうか?

僕個人としては、この流れがさらに大きくなり、いずれ海外製品にも肩を並べる様になる事を期待しており、今後の展開を非常に楽しみにしている。

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