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宮廷魔術師殿の探索行
宮廷魔術師となった、かつての弟子の依頼を受けて、迷宮を探索する事となった大魔法使いドラウプニルと仲間達であったが...。
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「ドラウプニル師と迷宮に潜るのも50年ぶりですなぁ。宮廷の仕事に忙殺される身には、日々気楽に冒険に出かけられる皆様の立場が、実に、実に羨ましい。」
レギン「師匠、あの人感じ悪いんですけど?」
ドラウプニル「ガキの頃からスカした野郎じゃったが、宮廷暮らしで嫌味に磨きがかかったわ。」
順調に探索を進め、まもなく宝物庫に差し掛かろうという、その時!!
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「こっこれは、いや、なんとも...。」
巨人を前に、目を白黒させ動揺する宮廷魔術師
ドラウプニル「なんじゃボンブール、これが宮廷魔術師殿の憧れの気楽な冒険の日々じゃ!存分に楽しまんとな。」
ボンブール「...。」
激しい戦いの末、巨人を退け、宝物庫へ踏み入れた一行だったが...。
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オリン「爺さん正気かよ?この分け前の配分はおかしいだろ?!」
ドラウプニル「宮廷魔術師殿には王への手土産が必要なんじゃ。自由なワシらと違ってな。」
オリン「うーん、確かに王家とじゃ喧嘩にならねぇか...。」
ドラウプニル「まぁ、とりあえず儂は、奴のチビりそうな顔が見れて満足じゃ。実に、実に傑作じゃった。」
オリン「俺は満足じゃねぇよ!!」
オリン達の不平をよそに、ボンブールが宝物庫の中でもっとも大きな宝箱を開けようとした、その時!!
宝箱はその正体を現し、ボンブールに襲いかかった!
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ボンブール「あぎゃー!!!」
エイラ「あ、本当にチビった!」
オリン「何やってんだあいつは?まるで素人じゃねぇか...。」
ひとまず野営地に引き返した一行は、早々に食事を済ませ、眠りについたのだが...。
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ドラウプニル「眠れんようじゃな、ボンブール。」
ボンブール「これはこれは、しばし夜風に当たるつもりが、起こしてしまいましたか。」
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ドラウプニル「そろそろ、お前さんの本当の目的を教えてくれんかの?この一帯の迷宮をしらみつぶしに回って、何を調べとる?あぁ、他の連中の耳は気にせんで良いぞ。儂の眠りの魔法がバッチリ効いとる。」
ボンブール「はて、何の事ですかな?」
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ドラウプニル「とぼけんでもいい!王家が金に困っとる様な話は聞いたことも無いし、お前さんの小芝居もちと度が過ぎる!いくら贅沢で鈍ったとしても、宮廷の主席魔術師があの様は無いわ。」
ボンブール「いやはや...。まぁ、ドラウプニル師はいずれお気付きになるとは思っておりましたが…。」
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ボンブール「王からはくれぐれも内密に進めるよう指示を受けておりましてな。今は、仔細をお話出来んのです。」
ドラウプニル「ほう?そういえば、何ヶ月か前、酒場で妙な話を聞いたのう...。ある冒険者一行が、迷宮でワシらの呪われた同族そっくりな者どもを見たとか...。」
ボンブール「師よ!そこまでです!」
ボンブールの頑な表情を見たドラウプニルは、大きくため息をつくと、そこで会話を打ち切った。
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ドラウプニル「まぁ、もう少しお前さんの茶番に付き合ってやるとするわ。早く寝ろ。明日も早いぞ。」
ドラウプニルがテントの中へ消えるのを見送ったボンブールは呟く
ボンブール「見破られるも何も、はじめから全てご存じだったとはな...。」
数週間のち、いくつもの迷宮の探索を無事終えた一行は解散し、ボンブールも王宮へと戻っていった。
公の書物には、彼がその探索行で、かつてない程の量の宝物を持ち帰り、その報告を受けた王が大いに喜んだという記録が残されているのみである。
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