読書感想文という名だけの独り言

こんにちは。銀猫と申します。

気がつけば後5日で2022年も終わってしまうというところまで来てしまいました。

今年一年何をしてたのかと問われても何も返せないぐらいには何もしてないですが2023年ものんびりと過ごせたらな…とは思いますね。

さて、そんな日々を過ごすにはやはり読書。

今回、読了した書籍は「竜殺しのブリュンヒルド」(ISBN978-4-04-914216-7)です。電撃文庫から出ている東崎惟子先生の著書であり、第28回電撃小説大賞にて銀賞を受賞された作品でもあります。

こちらは2022年6月に刊行されましたが、同年11月にその第2部として「龍の姫ブリュンヒルド」(ISBN
978-4-04-914679-0)が刊行されています。…まだ買えてないです許してください。

内容としては「竜に育てられた娘が育て親である竜の仇を取るべく人の国で彷徨う」と言ったところでしょうか。サブタイトルに「2人の父親」と書きたくなるぐらいには養父である竜と実父であるジギルトの話が出てきます。おかげで内容を分厚くさせようとしたらゲシュタルト崩壊が起きそうです。

普段、自分は電撃小説大賞の応募作品は確認はしても読まないことが多いですが(後々読むこと自体はあります。)、新刊の確認中に見た表紙の綺麗さに見惚れて買ってしまいました。パッケージ買いには当たり外れが大きいですが今回は大当たりを引けた気がして大満足です。

作品中の主人公であるブリュンヒルドにも惚れ込みましたが、他の主要キャラたちの心情も事細かに描かれていて色々な視点で世界観が見れる作品だと思います。

また、最後にラノベならではの「どんなに不利な条件下でも覆す」場面もあり、それまでに色々な場面で不利だというのが見えていたため「こうな形で打開するのか!」と感心していました。

ただ、最終的には全員が全員救われない見事なまでのバッドエンドなのでハッピーエンドを期待してる方には酷かもですね。

自分自身としてはこの作品はこの終わり方が1番綺麗に締められてるなと思いますね。それもあって続きが読みづらいです……でも読みたい………

いつか読んで書くとしましょう。……読めれば。

以下に世界観含めてキャラ達への所感を。ネタバレ前提で書きますので行間空けます。興味がある方は是非とも読んでみてください。電撃文庫の特設ページがあって試し読みもできます。










まずは、ブリュンヒルドについて。竜の娘であり『竜殺し』の娘でもある彼女は、エデンにいた頃と人の国にいた頃で随分と印象が変わりましたね。エデンにいた頃は家族想いの健気な子であったのに人の国にいる頃は悪女と言っても差し支えないほどの人心掌握術でした。まぁ、家族を奪われたことを考えるとこうなっても仕方ないとは言えますが…また、それを可能としたのが知恵の実とは。恐ろしや。ザックスから譲り受けた『狼に育てられた少女の本』を戒めとして持つほど竜の娘でありたいという願いもまた、父親想い故でしょうか。

次に、白銀の竜について。ブリュンヒルドの養父である彼についてはあまり多く描かれていませんでしたが、プロローグやエピローグなどを読む限りだと淡白な印象でした。しかし、永世帝国で少女の絵を描き続けたり、地獄に落ちた少女を憎むと伝えるあたり1番人らしいのではないかな、と。特に第一に神教えを信じているあたりとか。どこぞの神官ですか。……ある意味神官の立ち位置ではありますが。

そして、人の国ことノーヴェルランド帝国の人たちについて。特に軍人3人についてはジギルドは英雄、ジグルスは努力、ザックスは善良の象徴に近いのかなと。

ジギルドはそのままですが、人の世において竜は討伐の対象である以上、人が善、竜が悪というイメージが強いですからね。

ジグルスはジークフリート家の名前があるにも関わらず1から軍に入隊してるあたり、1番の努力家ではあるのかなと。年相応らしい場面も見えましたが、その根底にあるのが彼の努力の賜物ですし。

ザックスは見事なまでの善良さでしたね。…ブリュンヒルドにいいように扱われるぐらいの。ここまで相手のことを考えて行動する人、滅多にいないのでは。妻子を亡くした経緯や、ブリュンヒルドを本当の娘のように振る舞う仕草は見ていて悲しくなりましたね。二重の意味で。

最後に永世帝国について。プロローグやエピローグでの舞台でもあるこの場所、一時とはいえブリュンヒルドと白銀の竜が出会いを果たすことができたのは一体何故なのか。白銀の竜は神から許された事としていますが、一体何故許されたのか。ブリュンヒルドの父親想いの行動を見てか、白銀の竜が少女を絵を描き続けるほどの想いなのか。本当に奇跡と言っていい出会いは、2度と出会えない事実を突きつけるものだと言っているようで悲しくなります。

今回はここまで、また次巻を読んで書きたいと思えれば書こうと思います。では。(読むのかな…)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?