胎界主第三部 ソロモン王青年期 7-23の感想
いやはや。胎界主の更新がいきなり止まって尾籠先生の安否が心配されるという、21世紀でも最大級の事件がありましたね。まさかadslモデムという言葉をこの時代になって聞くとは思いませんでした。何はともあれ、先生がご無事で何よりでした。この事件によりnoteの感想更新も止めていたんですが、ゴソっとまとめて「ソロモン王青年期」の感想を書いていきたいと思います。
ところで私事ですが、去年ブログに書いた胎界主の感想記事のアクセス数がいまになって爆増しており、じつは世間に胎界主ブームが来ているのではないかと思っています。胎界主まんじゅう、胎界主キーホルダーぐらいからはじめて最終的に胎界主ランドができるまで頑張っていきたいですね。何が?
ベールフェゴールの激怒
さて、ソロモン王との誓約に向かったベールフェゴールですが、フルカス・ベリトというおなじみの下級魔王ふたり組に無碍な扱いをうけてしまいます。
フルカスといえばベリト閣下に負けた唯一の男としておなじみですが、こんなにエラそうな姿が見られるとは感動ですね。
この後カッコいい戦闘モードを見せたりするベールフェゴールですが、それもむなしく狂気ゼブブが出てきて、ふたりとも最初からループに陥っていたことが判明します。ベールフェゴールがよく言う「あれぇ? 」というのも、初見時は彼の勘の鋭さや何らかの能力をあらわしているのかと思っていたんですが、単にループにたいする既視感だったんですね。(作中描写における)2ループ目の、ロンパった目で同じ会話を繰り広げるふたりの様子は見ていて悲しくなってしまいます。
ベールの専有胎界
つぎに話の舞台はベールの専有胎界に移ります。カエルがモチーフになっていておしゃれ。胎界主世界で広く普及している動くイスもありますね。尾籠先生の動くイス推しはなんなんでしょう。
さて、我々はベール大主陛下のご尊顔をはじめて拝むことになります。おじいちゃんなのは予想していていましたが、意外と小さかったですね。ベリアル大主が地表を蒸発させたりしているイメージがあったので、四大魔王はみな巨体・大火力なのかと思っていましたが、そんなこともなさそう。まあ思い返してみれば、本編に登場した帝王も人間サイズでした。
そんなベールの前に姿をあらわしたのは、調子に乗るだけ乗り倒したソロモンです。登場シーンはめちゃくちゃカッコいいですね。尾籠先生の漫画力がどんどん上がっている気がします。極限漫画家級位だ。
まあ展開を先取りしておくと、この会話がはじまった時点ですでにソロモンは勝っており、全体としてこれは茶番と言えなくもないです。しかし、会話の中で様々な情報が出てきているので、それは順番に見ていきましょう。
1. ソロモンはアスタロトによって創り出された?
本編中の描写を見る限り、ソロモンの力はサタナキアが与えたもののように見えますが、どうもベールもソロモン自身も「ソロモンに力を与えたのはアスタロト」と思っているようです。すでにソロモンはベールの召喚を試みていた、と思われるセリフもありますし、他の魔王もアスタロトの手引によってだいたい召喚し終わったような感じでしょうか。
アスタロトがサタナキアと裏で通じているとも思えないし、このあたりの認識の齟齬はおもしろいですね。アスタロトからすると寝て起きたらいきなりソロモンの存在級位がバカ上がりしててびっくり、みたいな感じだったのかもしれません。
2. 魔界はベールの胎界
「ベールはソロモンに侵食されている」というのは第一部・二部から明かされていたことですが、なぜベールなのか、という謎が解けましたね。ベールを抑えれば、魔界じたいを抑えたことになると。帝王 → 存在級位が高い、ベリアル → 火力が高い、ベール → 魔界の主、 ルキフグ → ?? というパワーバランスなんでしょうか。こう並べてみると、アスタロトとの絡みも含めルキフグが急にあやしく見えてきたな…。
3. アトゥムガイアリリスは四大魔王が捕縛した
アトゥム・ガイア・リリス本来の胎界は夢想胎界なんだけども、それを魔界に捕縛しているということのようです。2. も含め、今までされていた「魔界の主はリリス」という説明とは微妙に矛盾しますね。
4. 主ならば、専有胎界内では極限存在級位にも勝てる
ベールがフカしているだけなのか、それとも普遍的な事実なのかはわかりませんが、専有胎界では「設定」の変更が自由にでき、主はほぼ無敵なようですね。「魔界はベールの胎界」ということと「ベールの専有胎界がある」ということの違いがわかりにくいですが、どういうことなのかな。
これを踏まえると、ベールゼブブがソロモンを専有胎界に引きずり込んだときはベールゼブブのガン有利だったのかもしれませんね。<>さえ出てこなければなァ。
ソロモン大勝利
ベールがソロモンを捕縛し、ベールゼブブは大喜び、すべてが丸く収まったかのように見えました。しかし、実際にそこにあったのは、グルグル巻きにされたベールフェゴールと勝ち誇るソロモンの姿が。この会話じたいがソロモンの見せていた幻で、いつのことからかはわかりませんが、既にベールは負けていたということでしょう。
ここでソロモンが使っている技は、「胎界主ピュア」のラストシーンでピュアが(リースの中の聡明ワシに)使ったものと似ていますね。こころの緒を思考の読み取りだけでなく、もっと攻撃的につかう技なんでしょうか。
ベールフェゴールが簀巻きにされている理由はいろいろ考えられますね。単にソロモンの趣味だとか、存在級位がある程度高くないとソロモンの身代わりにできないとか。
そして、ソロモンをベールおじいちゃまと思い込まされてしまったゼブブ。第三部では正気ゼブブを見られると思っていたのですが、ついぞ本編に登場することはありませんでしたね…。そもそも、「ソロモンに狂わされる前のベールゼブブ」と「一部・二部の正気ゼブブ」が同一の人格を持っているかもあやしいし、我々がほんもののベールゼブブを見られることはないのかもしれません。
本日はここまで。ADSLモデムも直り、次回の更新も楽しみですね!
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