「黒死館殺人事件」の思い出

 個人サイトのほうで三大奇書の一角「黒死館殺人事件」の感想を書いた。

 「黒死館」をはじめて読んだのは高校生のときだと記憶しているが、そのあたりからフロイトとか読むようになって人生の歯車がくるってきた。「黒死館」に手を出したのも、難しい本ならなんでも読んでみたいという気持ちがあったからだと思う。こういうチャレンジ精神は読書家のサガだが、「黒死館」はまさにそういう気持ちを煽ってくる本だった。この流れで手を出した思想書で挫折することは多く、ぼくはそれで「エクリチュールの零度」とかえんえん積み本にしているのだけども、「黒死館」は晦渋とはいえ小説なので、なんとか読み通すことができた。

 同じ三大奇書でも、「ドグラ・マグラ」は何周も読んだが、「黒死館」は通しでは1回しか読んだことがないと思う。とか言いつつ、本棚から取って適当にページをめくっているとだいたいおもしろくなって読み進めてしまうので、累計では2.5回ぐらい読んだことにはなると自負している。「虚無への供物」は一回しか読んだことがないし、筋もほとんど忘れてしまった。もう一回ぐらい読み直してみようかな。

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