今回の台風11号は強かったのか?

今日2022年9月5日は、沖縄地方にまだ台風11号が影響を及ぼしている最中です。

沖縄本島では、8月31日頃から少しづつ風の影響がでてきていましたが、ニュースで説明されているような瞬間風速70mを伴うような台風だという様子はない、沖縄県民にとっては「ごく普通の台風」といった感じでした。

最近はこう書くと怒られるかもしれませんが、ポテトチップスやポップコーンを数袋、飲み物と一緒に近くのスーパーで買ってきて、昔感じたちょっとした台風パーティー感を楽しみました。

今回の台風でいつもと少し違ったのは、沖縄本島に風と雨を打ち付けた影響期間が長かった事です。台風は、来ても大体2,3日で過ぎていくのですが、今回は8月31日頃から今日の9月5日夜までの6日間、中程度の台風らしい雨と風が続きました。

今年は6月中旬の梅雨明け以降は沖縄本島ではあまりまとまった雨が降らず、本島中南部の渓流などは水量がほとんどなくなっているもののありました。海中では、台風が来ないことで海水温が上昇して、サンゴが白化して死滅する状態が増えてきている、というニュースも流れていました。

そういった中、台風11号が到来しました。
陸には雨を降らせて、海では海水をかき混ぜて、海水温の低下を進めてくれました。サンゴの白化がこれで止まると思われます。気温も少し下がりまし
た。                                ➡サンゴの白化(沖縄県)

台風が来るたびに今70代の父親が口にするのは、1959年9月に沖縄地方に襲来した「サラ台風」です。wikipediaによると最低気圧908.1ヘクトパスカルの強さの台風です。その風で、家がみしみし音を立てていて、家が飛ばされるのではないかと、台風の間中はとても怖かった、とのこと。幸い父親も家も飛ばされませんでしたが、この台風による被害は大きかったことが記録されています。
サラ台風(wikipedia)

まだ9月が始まったばかりなので、おそらくあと2,3個は沖縄地方に影響する台風が発生するのではないでしょうか。

9月の台風は強くなると言われますが、サラ台風の当時に比べると、ほとんどの家が木造から鉄筋コンクリート造になったり、水タンクも設置されるところも増えるなど、身近なところだけでも台風と共存していく為に、いろいろ社会が進化しているのが分かります。

まだ看板の一部が飛ばされていたり、飛ばされたものでガラスが割れる被害がたまーに発生するなどしていますが、これも一昔前に比べたら、多くの人や企業が、風が強くなる前に物をひもで縛って飛ばないように固定したり、飛んできたもので店の正面のガラスが割れるのを防ぐためにネットを張ったりしているので、被害も減っているのだと想像できます。

2011年の東日本大震災以降、防災や減災の情報についてより多く発信されるようになった事、そして発信される情報も最悪の事態を想定するような内容になっていることなど、被害を少なくする面からは効果がでているように見えます。いわゆる「オオカミ少年効果」を恐れずに、何もなくてよかったね、という意識を防災に関しては醸成していきましょう、という流れができてきたようにも思います。                      ➡オオカミ少年効果

沖縄本島にとって、台風11号は「普通の」台風として過ぎ去っていった感があります。特徴としては、風や雨の強さというよりも、影響がとても長い台風でした。


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