【ネタバレあり】ゴジラxコング 新たなる帝国【映画感想】


はじめに

この記事はネタバレを含んでいる。そのことを覚悟してから読み進めて欲しい。お前がまだゴジラxコング新たなる帝国を観ていないのなら、すぐにブラウザバックして映画館へ走れ。お前がGWを後悔なく過ごすためには、そうすべきだからだ。

ゴジラxコング 新たなる帝国とは

ゴジラが復権して久しい。2014年のギャレゴジで眠りから目覚めたゴジラは2016年のシン・ゴジラで日本を席巻し、G-1.0で世界を瞠目させた。そんな中で現れたのが、ギャレゴジから始まったLEGENDARYスタジオのモンスターバースシリーズ、マイケル・怪獣キチ・ドハティ監督がメガホンを取った2019年のゴジラキングオブモンスターに続くゴジラvsコングのアダム・ウィンガード監督がメガホンを取ったのが、正統続編たる本作ゴジラxコング新たなる帝国だ。
https://www.youtube.com/watch?v=huiIUQZF2Xs

ゴジラxコングってバディムービーなの?

そう考えているヤツがいるなら先に教えておいてやろう。ゴジラxコングはバディムービーではない。トレーラーとかビジュアルのイメージがバディムービーっぽい感じを出しているが、まったくそんなことはない。どちらかというと、「コング 新たなる帝国 ゴジラの放射熱線を添えて」とでも言った方が実情に近いだろう。だが、それは全くこの映画の価値を毀損しない。最高の怪獣映画であることに疑いはないからだ。

見どころ1:コングの成功譚

ゴジラxコングはバディムービーではない。ではなんなのかと言われれば、ひとつはコングの成功物語と言えるだろう。髑髏島が壊滅し、天涯孤独の身となったコング、ゴジラvsコングではゴジラ相手に若干芋ひいたコングが一頭の漢として成長し、勝利と栄光をつかみ取る物語だからだ。序盤、孤独を背負っていたコングが、すべてを手に入れるストーリーラインは喝采を上げたくなることだろう。ジョジョの奇妙な冒険の荒木飛呂彦先生も、物語は必ずプラスで終わらなければならないと言っている。その点でいえば、ゴジラxコングは100点満点の作品だ。

見どころ2:大迫力の画面構成

ゴジラxコングは、過去作と比較したわけではないから断言はできないが、怪獣の巨大感を意識させてくれるカットが多いように思う、常に怪獣は画面いっぱいに描写され、威圧感と畏怖を感じさせてくれる。印象的なカットも多い。コロッセオで眠りにつくゴジラ、イタリアの街を我が物顔で闊歩するゴジラ、エジプトで破壊の限りを尽くすゴジラ、どれも最高だ。少し前にこの映画はコングの成長譚だと書いた。それは間違いない。だが、モンスタームービーという視点で見るなら、主役は間違いなくゴジラだ。本作ではコングはそのストーリーの主軸が地下世界なことや、映画中ではベイビーフェイスの役割を与えられていることもあって、地上を破壊する描写はほとんどない。その部分のフラストレーションを全てゴジラが払拭してくれている。傍若無人な破壊の権化、怪獣王ゴジラが我が物顔で建造物を破壊する姿に興奮しないオスはいないと言っていい。

見どころ3:あっさり濃いめの人間パート

本作の人間ドラマパートは少ない。明らかに少ない。だが、だからといって印象に残らないわけではない。すべてのキャラクターが個性的で、エキセントリックで、飽きさせない。流石にゴジラキングオブモンスターズのアースマザーに勝る逸材はいないが、4人(+1)まで絞り込まれた人間たちは全員がしっかりと記憶に残る者達ばかりだ。怪獣映画で人間に与えられる時間は少ない。怪獣が主役だから必然的にそうなる。だからこそ、濃いキャラクターが必要なのだと理解させてくれる作劇だ。ぶっちゃけ、人間パートが必要かと言われると、コングパートがかなりドラマに描写を割いているのでそれほど必要ない気もするのだが、なければないでバランスが悪くなるのでゴジラxコングの分量は怪獣映画の理想に近いものなんじゃあないかと思う。人間パートでドラマやると怪獣オタクに評判悪いからコングパートでやっちゃお~っていうのは本当にいいアイデアだね。

見どころ4:大迫力の怪獣バトル

怪獣映画の本懐は怪獣同士がぶつかり合う大迫力の怪獣プロレスだ。ディザスター映画と本質的に違うのがこの点だ。そういう意味で、初代ゴジラやそのDNAを継いだシン・ゴジラ、G-1.0はディザスター映画寄りだったと言える。もちろん、そういう切り口も怪獣映画の醍醐味の一つだし、ゴジラのDNAの一側面と言える。日本側がディザスター映画の側面を強調したのに対して、ハリウッドは2代目ゴジラ~平成vsシリーズまで連綿と続いた怪獣プロレスのDNAを受け継いだ。最終決戦で画面を所狭しと怪獣たちが暴れまわる姿に興奮を覚えないわけがない。

まとめ

今すぐ映画館に観に行け。俺が言いたいのはそれだけだ。(映画館の大画面で鑑賞することを前提とした構図も多いので、映画館で観るととっても臨場感があっていいですよ。できれば、首が痛くなるかもしれないけど、最前列で怪獣の巨大さを感じて欲しいです)


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