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神隠し?父親の子どもの頃の不思議な話(東三河)

これも東三河のある田舎での話です。主人公はヨシ。10歳頃の話。時代は昭和36年頃(ヨシは昭和26年生まれ)になります。

当時のその地域はまだ住宅も少なく、畑ばかりの土地にポツリポツリと民家のあるような風景だったそうです。

少年ヨシの自宅の屋敷を出て西にまっすぐ、途中で南に左折してまたまっすぐ歩くと、右手に神社があってそのすぐ奥隣に通っている小学校の裏門があり、たどり着きます。そこまで子どもの足でも10分かかるかかからないかといったところ。

この短い道中の、左折する辻の南西にあたる、道路に面した土地に穴が空いていました。防空壕か何かのあとなのか、それともゴミでも燃やす穴の名残りなのかはわかりませんがただの空き地にぽっかりと空いた穴は、直径が1.5メートルか2メートルくらい、但しすり鉢状というかお椀型というかで、穴の見た目の直径よりも底の方が狭い状態で、深さは小学生のヨシが中に体操座りでしゃがむと、水平に見たらちょうど頭が見えないくらいの深さであったという。

ヨシはある朝、学校へ登校途中で何の気もなしにその穴にポッと入ってしゃがんで、ふと瞬きをしたそうです。

そしたら・・・何か違和感があり、顔を上げると空の色が違っていたそうです。

出てみると、何か変だ・・・と、学校へ行くともう友達はまばらで、ほとんど帰ってしまっていて、つまり瞬き一つの合間に朝から夕方になってしまっていたといいます。

「おお!ヨッチャン?なんで今日学校来んかっただん?」という友達に起きた出来事を伝えても笑われ、家に帰ってそれを伝えると「馬鹿を言うな!」と祖父のゲンコツが待っていた・・・かどうかは知りませんが

「誰も信じてくれんかったけど、ほんとだに?」


わたしが小さかった頃から幾度となく父から聞かされた、短くて不思議なお話です。

ちなみにこの辻は、わたしが別の記事「神隠し?東三河」で通った不思議な場所と同じ場所です。わたしの息子が「鬼木路」と呼んだ場所。

この「穴」のあった場所はわたしがまだ実家で暮らしていた頃にすでに住宅が立っており、今でも住宅が建ってます。

あと、関係があるかわかりませんがこの「穴」のあった場所ではないものの、同じ区画で数年前に放火殺人事件がありました。魔のモノが行き交ったり、過去未来が垣間見えたりと何か時空の裂け目みたいなモノがある場所なのかもしれません。


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