ちょっと良いものに移行したい、な話-つげ櫛①-

公認心理師試験が近くなった頃に書こうかなと思って控えた内容の拡充ですが。
少し前から、つげ櫛を使い始めました。

年齢柄?か、“ちょっと良い”ものを使いたいなと思うようになったここ最近。
良質なものや、職人仕事(庶民でも手が届く程度の)なんかに心惹かれます。

つげの櫛は静電気が発生しづらかったり絡まりづらいことから、よくとける(解ける)なんて受験の験担ぎとして持つ方もいるようですね。
公認心理師試験の数日前に1本購入したもので、一瞬考えたりもしたのですが。
今年の、特にGルート受験の方の真剣度合いを考えると、記事としては不適切だと思ったので結局やめておきました。

ということで試験等の話とはまったく関係なく、最近手を出したくなっている“ちょっと良い”ものの話。

ここのところ、所謂プチプラよりも、高級!までいかなくても良いからちょっと良いものを手にしたくなるお年頃になってきたので。
思うままにつらつらと記録したいだけの文章その①(いくつあるかは不明)、つげ櫛です。


今年の前半に、催事でとっても素敵な飾り彫りのつげ櫛に出会いました。
かなり昔に買ってもらった記憶があり、何となく良いものだとは思っていたつげ櫛。
本当に国産のつげ(後述)だったのかは今となっては不明なんですが。

ちなみに、それまでは普通にプラスチック?製のヘアブラシとかコーム、あとはポーチに桃の木櫛なんかを入れて使ってました。
10年ほど前に、今はかなり減ったキュレーションサイト(言っててもはや懐かしい)で100均の桃の木櫛で作るつげ櫛(もどき)が話題になったんですよね。
つげ櫛買ってから別れを告げたけど。

余談はさておき、買って帰ってから色々調べました。
つげ櫛と言っても、素材としては国産のさつまつげが最高級品であること。
さつまつげ自体がかなり希少になり、年々価格は高騰していること。
“本つげ”と書かれているものは、さつまつげではなくシャムつげやあかねつげという、見た目だけ似ているもののまったく違う材木からできているものが大半なこと。
シャムつげやあかねつげもさつまつげに性質は似ているものの、強度等の関係で最も櫛に適しているのはさつまつげなこと。
とはいえ髪への効果は木櫛であれば変わらないこと…etc.

ということで、“ちょっと良い”ものが欲しいとなると、さつまつげの櫛が欲しくなる訳で。
購入した彫りの櫛も上記条件に該当しているのですが、如何せん小さめ(3寸=9cmほど)なので、しっかり髪を梳かせるものが欲しくなりました。
可愛いものは外出用のポーチに入れたいし。

で、更に調べる。
櫛の長さは木を水平に切った円盤の幅なので、長い櫛は太い木からしか作れない。
国産のつげは成長がすごく遅いので、長いものになるほど貴重で高額。
製材したところですぐ使える訳ではなく、乾燥させたり燻したりとものすごく時間が掛かる。

同じ国産のつげでも、お店によってかなり価格が異なるのはどうやら人件費。
手作業が売りの工房、手の届きやすい価格で提供するために機械を使う工房…この辺りは予算とロマンとの相談になりそうです。
“ちょっと良い”ものが欲しいとなると(略

そんなこんなで、私の手元にある櫛達は5つの工房産です。

はい、櫛“達”です。
何でそんなに…とちょっと自分でも思いますが、ロマンと用途で増えました(ロマンが先に来る辺りが)。
今年のお小遣いの結構な割合が櫛に化けましたが、まぁ後悔はなし(居直り)。

さて、お譲り頂いた工房は、彫りの櫛を別にして上野十三やさん、はままつぐしさん、櫛留商店さん、廣島つげ櫛店さん(購入順)。

購入した櫛や工房の特徴などつらつらとまとめを。
書き散らしたいだけなので、後々加筆しそうな気もしつつ。
そして長くなりそうなので2つに記事を分けようと思います(ここまでで既に長い)。

●そのいち、十三や櫛店
十三やという櫛のお店は京都にもあるようなのですが、購入したのは上野の不忍池傍のお店。
櫛=苦死、のイメージにつながることから、94(くし)を9+4=13にして、十三やさん。
同じことを考えた人が東にも西にもいたんですね。

1736年創業の老舗で、選んだのはそれこそ完全にロマンです。
こちらの売りはこだわりの手作業、故にかなり高額な方に類するお店です。
インタビュー動画を見る限りは、歯入れは電動のこぎりを使っているようです。
こちらは店頭での対面販売のみで、希望の品の在庫がなければ数ヶ月待ちになる模様。

購入したのは4寸5分の細歯(だったかな?)。
この歯の荒さに関してはお店によって全然違うようで、細歯と言いながら手持ちの中では一番荒いかもしれません。
持っている中では、肌への歯の当たりが一番マイルドです。

●そのに、はままつぐし
名前の通り、静岡県浜松市の工房さん。
こちらも歴史は古く創業は江戸時代。
先代は浜松市の無形文化財に指定された職人さんで、皇室の儀式に櫛を収められたこともあるとか。

ちょっと調べると、廣島さん(後述)が唯一の完全手作りの職人と出てくることが多いのですが、こちらも完全手作業。
製材時のチェーンソーを除けば、すべて人力で作業されているとのことです。

こちらは通販対応もして下さいます。
息子さんのブログからご連絡、もしくはご本人にメールをして、扱いのある品の詳細を教えて頂きます。
希望が固まったらメールで依頼し、完成まで1ヶ月前後。
出来上がったらまたメールで知らせて下さるので、品物が到着したら振り込み。
ネットショップと違い若干ハードルが高めですが、大変丁寧にご対応下さります。
というかまぁ、その後に廣島さんに問い合わせたことを思い出すと(後述)、全っっ然イージーモードだったというか何というか…

さて、購入したのは5寸の中細歯のとかし櫛。
中細ですが、十三やさんの細歯よりも細かいです。
ちなみにとかし櫛以外にも色んな形の扱いがあるのですが、ご本人や息子さんのブログでご紹介されています。
私の記事を見る方もほとんどいないとは思いますが、ご迷惑を避けるためリンクは一応貼りません。

それから、画像を見てどうしても欲しくなってしまった猫ちゃん櫛も購入。

こちらも外出用ポーチ用(ポーチ2つあるので)。
現在は材がなくなり完売しているそうです。

肌への当たりはややシャープ。
それから、特徴として挙げるのは如何なものかと思いますが、こちらはとにかくお値段が良心的。
具体的な価格は記載しませんが、間違えて半額にしてませんか?と真顔で聞きたくなる価格。
だからこそ5寸なんて大きいものを買えたというか…

先代の定められた価格を守ってきたとのことですが、国産のつげが希少になっていることなどから今後価格を見直す可能性もあるとのこと。
というか見直して下さい、勝手に心配になります。
あとブログに乗ってた新作のうさぎさん櫛も欲しい。

次の記事に続く。

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