葬祭ディレクターが書く冠婚葬祭のお仕事 ⑤レアケースその2
今回もレアケースのお話。
この仕事ならではの出来事が…。
Sホールにいると、夕方、事務所の電話が鳴りました。
女性のスタッフが電話をとり、対応しましたが、なんか話がややこしそう。
「少々お待ち下さい」と言って、電話を保留にし、私の顔をしばし見つめます。
仕方ない、惚れてしまったものは…と、思っていると、
「こんな葬儀でも依頼があったら受けなあかんよね?」と、困惑ぎみでした。
詳しく話をきいてみると、この故人さんはある刑務所で死刑執行されたご遺体らしいです。
刑務所で納棺されて、ウチの式場か式場近くの自宅アパートに搬送したいとのことでした。
会員さんではないので、順番から言うと一番手で待機している「タイ好き S氏」が式の担当となります。
1時間半後「タイ好き S氏」がブーブー 言いながらSホールに到着。
ご遺体が霊安室に到着するのを待ちながら、打ち合わせ資料の準備を始めました。
「なあ、これホンマにワシが担当せなアカンのやろか?」とかブツクサ言いながら、、、。
三日後、改めてS氏に会うと、遺族のみなさんはとてもイイ人ばかりで、葬儀もスムーズに終えることができたそうです。
最近、「人を殺して死刑になりたかった」という動機で殺人事件や殺人未遂事件が度々起きます。
『人に迷惑かからんように勝手に死ねよ』と思いますよね。
非常にレアなケースでした、、、
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