競馬格言は通用するか(血統など編)
前回は検証しなかった、血統馬券界隈の一部の人(金満ラー)の間でしか有名でない格言について、前回同様サイレンスキャットの感覚で検証します。
金満ラーとは何ぞや?
まずは金満ラーの説明です。
血統評論家の田端到氏が、雑誌「サラブレ」で「金満血統馬券王国」という連載をしていました。その理論を活用している人たちが「金満ラー」と呼ばれます。金満ラーである時点で、競馬歴が10年以上のベテランでしょう。
金満ラーの中で有名そうな格言を7個ほど思い出して書きます。調べればもっと出てきますが、今は使えない格言である可能性が高いので、記憶頼りでよいかな、と。血統と関係ない格言も混じっています。
1.ダンチヒ系は〇×〇
気分屋血統のダンチヒ系の休み明けは、人気の逆になりやすいという意味の格言です。20年ほど前は活用場面がけっこうありました。
今はベーカバドやハービンジャーなど、鈍重ダンチヒ系ばかりしかいないので、使いどころがない格言となっています。
2.サンデー・トニービン相対性理論
秋の東京開催について、10月は野芝の割合が多くサンデーが大活躍、11月は洋芝の割合が多くトニービン大活躍という時代がありました。
しかし今は馬場管理技術が向上しており、しかもトニービン系なんてサンレイポケットに期待するしかない風前の灯火となっており、使いどころがない格言です。
3.ブライアンズタイムは叩き良化
ブライアンズタイム産駒はレースに使いながら調子を上げてくるという格言です。
ブライアンズタイムというと今はフリオーソくらいしかいませんが、これについては「ロベルト系」というくくりでもよさそうなイメージなので、そのくくりだとスクリーンヒーローやモーリスが今でも健在です。とはいえ、スパルタでビシバシ使う馬自体が現代ではほとんどおりません。あまり使えない格言ということになります。
4.休み明けでマイルはきつい
NHKマイルカップに休み明けで出走した馬がいた時に出てきた話です。マイルは他の距離よりも締まったレースになりやすいことが理由です。しかし今は外厩の発達によって休み明けで全開できる馬も多く、またマイルだからといって締まったレースにもならないため、使えない格言です。
5.冬は叩き3戦目が狙い
使い続けた馬が調子を落とす時期と、秋から始動した馬が調子を上げる時期が12月くらいなので、秋から叩き3戦目の馬を狙おうという格言です。これも今は外厩が発達して休み明けがマイナスとならないため、使えません。
6.雨の日はキングマンボ
雨で重や不良馬場になると、キングマンボの血を持つ馬が道悪適性の高さで馬券になるという格言です。
今いるキングマンボ系は、エイシンフラッシュやキングズベストといった重厚な馬なので、これは今でも使える格言です。重程度ならステイゴールドなどに活躍の場が取られてしまうので、不良の方が望ましい。
7.ダンチヒ×ミスプロは三擦り半血統
ダンチヒ×ミスプロという血統は、我慢が利かずにすぐいっちゃうような馬ばかりという格言です。格言のインパクトは抜群です。
しかし今となってはダンチヒやミスプロのヤバさや短距離適性は鳴りを潜めています。現在、ヤバい馬の代名詞はタピットの方でしょう。よって使いどころがない格言です。
結論:古いものは大体使えない
他にも「7歳馬の中1週は危険」「ジャンプの原田はリボー系」「逃げるデブは買い、逃げないデブは消し」「Hペースを逃げ粘ると乳酸が溜まる」など様々あります。
ただ、古い格言は総じて使う場面がないというのが現状です。前回同様の結論ですが、競馬では格言を覚えようとする必要はないのかもしれませんね。
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