愛着とは

橋が流された
昔からずっと使ってる橋が流された
景色や
思い出や
手段とか
全部流された
すぐ工事が始まるらしい
しかし、わたしの思い出は帰ってこない
独特な凸凹とか
欄干が汚かったこととか
「形あるものはいずれなくなる」
と言うけれど
執着していなかったと思っていたものが
いざ無くなった時に襲われる喪失感は恐ろしい
でも、車はいずれ廃車になるけれども
思い出を乗せて走った車を手放す時は
とても、とても、心が痛い
街乗りに使っただけの車ほどどうでもよく
ドライブしたり
デートしたり
子供を送り迎えしたり
そんな車を手放す時の喪失感も怖い
その「もの」が自分の目の前からいなくなるときに
そこまで積み上げてきた思い出の重さ、尊さを知るとは哀れ
わたしはいったい何に思い出を込めてるだろうか
愛着を感じているものとはなんだろうか
情けない姿にさせてくれるものとはなんだろうか

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