【詩】生きた証


空き地に元あったお店を思い出せない
なんかあったなぁ
限りなくどうでもいい
関係の無い建物
空き地に元あったお店を思い起こす
何度訪れたか
クーポンのくれるガソスタ
もう戻ることは無い

残るものと残らないもの
形の有り無しに関わらず
残るものと残らないもの
心は動いているか

前にあった建物を思い出せない
いまはコンビニ
昔もコンビニか
今ある建物を思い出せない
今そこにはなにがあるのか

生きとし生けるものよ
命をつなぐものよ
縁とは不思議なもので
僅かでも触れたのなら
あなたの心に棲む
生きとし生けるものよ
命をつなぐものよ
忘れ去られたのなら
そこで命は果てる
そこで命は尽きる

お父さんは言いました
「パパはカレーが好き」と
何もなくなっても
それを覚えていれば

生き続けていく日々よ
指先で縁に触れ
風に揺られる橋を
裸足で渡り切れば
あなただけの世界がある

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