クロスオリエンテーション

3年前、男性と付き合った。よく聞く話のような、カップル独特の恋愛感情を楽しめた。
しかし性的には全く魅力を感じられなかった。

2年前、女性と付き合った。とても可愛らしくて素敵な女性だったのに、全くかつての恋人のような恋らしい恋を感じなかった。
しかしかつての恋人になかった下品な欲だけは感じられた。

彼女と別れ、ズリネタを探して性処理を終えて死にたくなって寝る日々を繰り返すうちに、少しずつ自分に違和感を抱くようになった。

大抵のエロコンテンツは男女がセックスをしているものだが、正直そんなものより女性が一人で写っているコンテンツや、女性同士でセックスしているコンテンツの方が圧倒的に抜ける。
そこである日、ふと気がついた。恋愛感情を抱く性と、性的に魅力を感じる性が違うことに。

ただ、こんなことを誰にも相談することができなかった。私は思春期ど真ん中の年齢だったから、一時的な嗜好なんじゃないかとか、こんな嗜好話されても友人は困るだけだろうとか、いざ相談してやっぱりヘテロでした!なんてオチだったら本当に気まずいだとか、そんなことばかり思ってしまった。

どうしようと悩み、色々と調べていくうちに、自分が性的マイノリティの中でもさらにマイノリティである嗜好の持ち主であることがわかってしまった。
私のように性的対象の性と恋愛対象の性が異なるような人間は、クロスオリエンテーションと括られるらしい。
自分の心に名前がついて落ち着いた一方で、逆にここまで調べないと見つからないような立場に自分はあるのか、と苦しく思った。

クロスオリエンテーションについて、学校のカウンセリングや自助グループでどうにかならないものかと検討したが、とても同じ仲間が見つかるようには思えず、またなんとなく怖くて行けなかった。

これからどうやって生きればいいんだろう。

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