【東京散策】顔真卿展に行ってきた話

きっかけ


普段からツイッターとかで面白そうなイベントの情報を集めているのですが、
今回「顔真卿展」に行きたいと思ったのはこのツイートです。

全然、書跡とか知らないし顔真卿?程度だったのですが、
何やら面白そうだし、国宝級の展示物がみれるということなので行くことにしました。

顔真卿展のみどころ

公式のホームページにも書かれているのですが、この顔真卿展の一番の見どころは
祭姪文稿(さいてつぶんこう)」という顔真卿の書です。wikipediaによると現在は台湾の故宮博物院で保存されており、故宮博物院のページよりこの書を見ることができます。ただ、通常展示はされておらず台湾の方でも滅多に見ることは難しいようです。その大変貴重な書を日本で見られるなんて願ってもない機会ですね。

では、そもそも「祭姪文稿」とはどのような文書なのかというと、安史の乱という反逆を犯した人物への怒りと、乱によって犠牲になった顔真卿の親族に宛てた書のことです。安史の乱とは

755年から763年にかけて、唐の節度使・安禄山とその部下の史思明およびその子供達によって引き起こされた大規模な反乱。(wikiより)

という反乱のようです。顔真卿は義兵(国家的危機に際して、在野にある士人や民衆が自発的に立ち上がって内外の敵に抵抗する兵士のこと)を立てて安史の乱の平定に貢献したようです。しかし、この乱を平定した際に顔真卿の親族が犠牲になってしまいました。このときの感情を書として表現したのが「祭姪文稿」です。

また、その他にも先程貼ったツイートにあるように「王羲之(おうぎし)」や「虞世南(ぐせいなん)」などの書跡を見ることができます。

展示会の注意点

注意点として、ツイートでは様々な場所で写真が撮られていますが、展示会会場内では写真撮影は1箇所を除いて禁止となっています(おそらくこのツイートは展示期間より前なので関係者のツイート?)。なので、作品の詳細情報を読み、作品をじっくり味わいながら歩いて回りましょう。

なお、私は土曜日の13時過ぎに入場しました。このとき顔真卿展そのものへの入場はすぐでしたが、上述の「祭姪文稿」を見ようとするには1時間程度並ぶ必要がありました。更に出場するころには、顔真卿展そのものにも長蛇の列ができており、入場すら2時間程度掛かりそうな列ができていました。朝早くに入ると並ばずに見ることができそうです。

加えて、展示作品の量も200点近くあり、ひとつひとつをじっくり眺めて回ると4時間くらい掛かりそうなのです。実際私も、時間の関係上2時間くらいしか見ることができなかったのですが、それでも100点くらいしか見ることができませんでした。なので、時間のあるときにゆったり見て回るのがおすすめです。

所感

顔真卿展を見て素直に、自分の知らない歴史がたくさんあるなと思いました。顔真卿や王羲之、といった有名な人たちはもちろん、日本人として身近な漢字の歴史についてもです。

文字の移り変わりに関する展示が、入ってすぐにあるのですが、篆書、隷書、草書、行書、楷書といった書体の関連やどうしてそのような発展・進化遂げたのかなどが語られます。

また、展示場では拓本された作品がたくさんあります。拓本とはなんぞや?と展示中に思い調べたところ、

凹凸のある石碑、器具(硯、青銅器など)に紙や絹を被せて密着させ、上からタンポに含ませた墨を打ち(上墨;じょうぼく)、凹凸を写しとること、また写し取った紙や布のこと。(wikiより)

ということらしいです。そもそも「拓」という字は「石碑の文字などを摺(す)る。」という意味らしいです。初めて知りました。

作品については、書に関する学がなく全くわからないです。ただ、学がない私でも「祭姪文稿」の書体やそこに込められた感情、怒りそして悲しみが書として現れており、実際の書を見れたのは一瞬でしたが非常に有意義な時間だと思いました。

おわりに

自分の知らない世界を知るきっかけとして、こういった展示は有意義だなと思います。

みなさんもぜひ時間を見つけて貴重な書物を見に行ってはいかがでしょうか?

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