硝子の地
悴む手を、
真空に浮かぶ蝶の遺灰に重ねて
ここはどこだろう、と問うとき
ずっと鳴っている耳鳴りが
しずかに
一時停止する、狭間へ
、
斜陽、身を沈める僕が
わずかに 瞬く
靄越しの視界
揺られ て、る
砂場、
無邪気に遊んでいたぼくは
手を繋ぐみたいに
あの日へ、身を潜めた
重い引き出しを寄せて
骨を、撫ぜた
(か細い、 )
この
幾許かの間にとい寄せた
波間に立っていたしたたかな夕閉線が
わたしへと、つたう
つたう、
(小さな陰、 )
許せてしまう事柄から目を背けるように
紐を巻いて蓋をして蓋をして蓋を、して
墓場へと
葦を、うごかす |
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