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5/12開催「新しい社会貢献を支えるフィランソロピー・アドバイザーとは」セミナー開催報告

【開催レポート】

米国ロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズとSIIFが語る、
新しい社会貢献の世界

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社会変革推進財団(SIIF)は5月12日に、米国最大級のフィランソロピー・アドバイザリー・ファームのロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズ(Rockefeller Philanthropy Advisors:以下RPA)とともに、「米国ロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズとSIIFが語る、新しい社会貢献の世界」をオンラインで開催しました。

当イベントでは、日本でフィランソロピー・アドバイザリー事業を展開するSIIFが、日本におけるフィランソロピー・アドバイザリーの可能性や事例について紹介するとともに、パートナーシップを結ぶフィランソロピー・アドバイザリー・ファームのRPAから、彼らの手掛ける米国富裕層の社会貢献活動の事例を紹介しました。また、SIIFとRPAでグローバルのフィランソロピーの潮流やフィランソロピーアドバイザリーについてパネルディスカッションを行いました。本開催レポートでは、セミナーの概要をお伝えします。

アジェンダ
■社会変革推進財団(SIIF)とロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズ(RPA)の関係
■世界の潮流 新しいフィランソロピーとは
■RPAによる米国のフィランソロピー・アドバイザリー事例
■SIIFが考えるフィランソロピー・アドバイザリー
■パネルディスカッション
■Q&A

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ゲストスピーカー:
Walter Sweet
Senior Vice President, Rockefeller Philanthropy Advisor

ウォルターは、長年ロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズのアドバイザリーおよびマネジメント業務を統括し、健康、コミュニティ開発、教育、起業家を支援する財団とのクライアント契約をリードしている。ファミリー財団や企業のフィランソロピー戦略をはじめ、社会的リターンと財務的リターンの両方を生み出すポートフォリオについて投資家にアドバイスを行う。ウォルターは、ロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズの戦略的目標および運営目標の達成を支援するため、助成プログラムおよびクライアントへの報告に関するすべてのプロセスを開発し、実施を監督しています。

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社会変革推進財団(SIIF)とロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズ(RPA)の関係

昨年度、SIIFはRPAとフィランソロピー・アドバイザリー業務において業務提携をしました。SIIFは、RPAが発行した「YOUR PHILANTHOROPY ROADMAP(邦訳:あなたの「フィランソロピー」のための〜5つのポイント〜)」を翻訳し、国内外で貴重な社会貢献活動をする日本人のフィランソロピストの事例を入れて公開しました。フィランソロピーを始める方に役立つ「5つの問い」を紹介しています。

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世界の潮流 新しいフィランソロピーとは

「フィランソロピー」は個人や組織による寄付、助成、ボランティアなどの「社会貢献活動全般」を指す言葉です。従来のフィランソロピーでは、資金提供は非営利団体への寄付や助成が中心であり、効果の検証はその資金がどのように使われたかをアカウンタビリティの観点から確認するにとどまるケースが多くみられました。

「新しいフィランソロピー」は以下の3つの要素を重視することで、より持続的で効果的なフィランソロピーを実現しようとするものです。

①フィランソロピーの戦略をもち、社会課題の構造的な解決を目指す。
②寄付から投融資まで、支援先のニーズに合わせた柔軟な資金支援を行う。
③社会的インパクトを重視し、測定可能な指標に基づき、インパクト評価・マネジメントを行う。

「新しいフィランソロピー」が対象とする資金提供の範囲は広く(下図、オレンジ色の枠の中)、従来の資金提供の範囲であった「寄付」から、社会的企業を対象とした出資という形での「インパクト投資」まで様々です。

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新しいフィランソロピーの実践を支援する「フィランソロピー・アドバイザー」
SIIFは、昨年9月に「日本で富裕層による新しいフィランソロピーを発展させるためのエコシステム」という半年間にわたる調査結果をレポートとして公表しました。この調査では、日本の富裕層には新しいフィランソロピーに取り組む意欲とポテンシャルがあるが、それを実現するために必要なプレイヤー・制度・仕組みを整備する必要があるという結論を提示しています。

必要なプレイヤーとしては、
・富裕層のフィランソロピーの戦略策定・質の高い実践の支援を行う「フィランソロピー・アドバイザリー」
・富裕層のフィランソロピー実践の質を高める情報プラットフォームやドナー同士の学びのコミュニティ等の「支援ネットワーク」

仕組みとしては、
・資金をNPOや社会企業に届ける「寄付・投資のためのビークル(法人などの器)」

制度としては、
・フィランソロピーを行いやすくする税制における優遇措置や、公益法人制度や公益信託制度の柔軟化

以上が必要であると整理しました。

これを踏まえた、新しいフィランソロピーのエコシステムは、次のようなイメージとなります。

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現状、富裕層は、資産管理を任せる金融機関や顧問弁護士の方々に相談をしてフィランソロピー活動を立ち上げ、ソーシャルセクターに支援を届けるケースが多いようです。ここに社会課題の専門知識を持つ「フィランソロピーアドバイザー」が加わることで、生み出したい社会的インパクトに合わせて、適切な支援を届けることができます。さらに「支援ネットワーク」が支援者や情報提供することで新しいフィランソロピーのエコシステムが整うと考えています。

特に私たちが「フィランソロピーアドバイザー」に注目する理由は、以下のような課題によります。
・富裕層は、具体的な寄付先の選定や財団設立・運営について十分な知識がない。専門知識をもってフィランソロピー戦略のアドバイスをしてくれる人がいない。
・多くのソーシャルセクターの団体は、富裕層との接点がない。
・富裕層の資産管理を行っている金融機関や士業の方々は、フィランソロピーに関する相談を受けても専門外のため十分なサポートができない。

これらを踏まえ、社会課題に関する専門知識を持ち、ソーシャルセクターと富裕層の橋渡しを行う「フィランソロピーアドバイザー」が、日本には必要だと考えます。


RPAによる米国のフィランソロピー・アドバイザリー事例

RPAはクライアントである富裕層が「thoughtful(思慮深く)」で「effective(効果的)」なフィランソロピーができるように支援することをミッションとし、2002年の創業以来、30億ドル以上の寄付・投資を促進してきました。

今回、ケーススタディとして取り上げたのは、家庭用品チェーンの創業者であるドナルド・ジョナスを中心とした「ジョナス・ファミリー」という篤志家です。彼らはファミリーのレガシーを築き、ファミリーが協働できる活動を、社会の認知を得ながら行いたいという目的を持っていました。元々、ヘルスケアやメンタルヘルスに関心があったため、調査により専門看護師の支援を重点分野とすることにしました。

フィランソロピーにおいてとても重要なのは、目的を明確化するための時間軸を決めることです。永続を前提とするのか、終わりのタイミングを決めて始めるのか、ということです。ジョナスファミリーの場合、彼が生存している間に影響を残すとともに、家族にもその影響が残るように時間軸を定めました。

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プランニングにおいてまず行ったことは、ビジョンとミッションの設定です。
前述した、「Your Philanthropy Roadmap」に基づいて5つの問いを投げかけます。

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ジョナス・ファミリーは、このインタビューを通じて、支援が行き渡っていないヘルスケアの分野で変化をもたらしたい、という想いに焦点を置くことにし、ビジョンとミッションを洗練させていきました。ビジョンとして「フィランソロピーや社会から十分な支援を受けていない地域のヘルスケアに大きな変化をもたらすこと」を掲げ、そのためのミッションとして「ニューヨーク市での看護に関する問題の解決を通じた看護の推進」を行うこととしたのです。

そして、アドバイザリー(オペレーションのモデルと戦略の策定)に入ります。アドバイザリーには4つのフェーズがあり、最初にロードマップに沿って重点分野を特定します。次に特定した分野について調査をし、実際に連携するパートナーの候補や目指すべき成果を篤志家と一緒に考えます。そして最後に、実行とモニタリングを行います。

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具体的には、ファミリーやステークホルダー、専門家へのインタビューや、様々なトピックに関するヒアリングを行いました。加えて、成功事例や課題に関する文献の調査・分析を行い、変化を起こすための戦略を考えていきました。

まず、戦略を考えるにあたって、「Jonas Familyにとっての成功とは何か?」という問いを投げかけました。そこで明らかになったのは、家族、遺産、健康が大切であるというファミリーの価値観に加え、「ジョナス・ファミリーがステークホルダーから尊敬される存在になること、次世代(子供や孫)も、ファミリーのフィランソロピー活動を理解し参加してくれること」が彼らにとっての成功だということでした。また、話し合いの中で、彼らが運営にも深く関わりたいと考えていることもわかりました。

そして、このケースでは、ファミリーが投じる4,000万ドル以上に価値のある変化を起こすための戦略を立てるために、クライアントとともに考える10の質問を投げかけました。篤志家が取り組む問題の構成を理解し、根本原因を見つけ、ソリューションを考えるためです。

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この10の質問に答えるため、RPAのチームは、デスクリサーチ及び病院関係者などへのインタビューを通じて、看護師不足という課題の根本には看護師を教育する人が足りないという課題があること、そして「看護師の教育」というトピックは比較的誰も着手していない分野であること分かりました。

上記の課題に対応する様々な施策の検証を経て、ジョナス・ファミリーは全米の看護学校とのパートナーシップのもと、将来性の高い看護師たちに奨学金を提供することとしました。これまでに2,700万ドルの奨学金を支払い、現在157大学で1,400人以上の博士課程の看護学生が学んでいます。

本ケースからの学びとしては、以下が挙げられました。

・フィランソロピーは時間がかかるということ。寄付者は、何が有効で、誰をパートナーにするべきで、どうすれば効果的に貢献できるのかを学ぶ必要がある。
・ドナーとの関係や、将来の助成先との関係が重要。 
・はじめから完璧を目指さず、少しずつアプローチを実践しながら検証していく。
・自分の選んだ分野での貢献と学びを楽しむ。


SIIFが考えるフィランソロピー・アドバイザリー

「何を支援したら問題の解決に辿り着くかが理解できる」「寄付だけでなく投資も含めた支援でさらに大きなインパクトを生み出す」「社会に与えているインパクトを実感できる」フィランソロピストがこのような状態になることが、SIIFの提供すべきフィランソロピーと考えます。そのために、以下のようなプロセスを実行しています。

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<参考資料>
SIIF著「新しいフィランソロピーを発展させるエコシステムに関する調査 - 富裕層の意志ある資産を社会に生かす -」調査レポートサマリー
SIIFフィランソロピー・アドバイザリーのリーフレット

   

SIIFのフィランソロピー・アドバイザリー事例

SIIFが手掛けた3つのフィランソロピー・アドバイザリーの事例をご紹介します。

事例1:社会貢献活動を始めたばかりのケース。
A氏は、「子供の貧困」の解決に寄与したいという想いから、事業で形成した資産で、複数のNPOに支援を開始しましたが、支援が自分の目指す社会課題の解決に繋がっているのかわからないという課題を抱えていました。そのため、SIIFは、取り組む課題の構造把握、現在行っている支援の整理、関心分野の確認を提案しました。

事例2:社会貢献活動を長年続けてこられた方のケース。
B氏は、上場企業のオーナーファミリーの子息で、数十年前に奨学財団を設立しました。課題としては、既存のフィランソロピーの見直しと自分が興味のある社会課題にも取り組みたい、というものでした。前者に関しては課題の現状分析と戦略の見直しを検討、後者に関しては関心分野と生み出したいインパクトの明確化、その実現を提案しました。

事例3:上場企業の創業者で、オンライン学習サービスで教育における課題解決に取り組む方のケース。
C氏は、本業を通じて社会課題解決に取り組んでおり、まさにインパクト投資の事例と言えます。事業の社会性を可視化することで、ステークホルダーに訴求したいという課題を抱えていて、そのためにインパクトの測定&マネジメントの実施を提案し、インパクトレポート制作の支援を行いました。

   

パネルディスカッション

最後に、RPAのWalter氏とSIIFの小柴でパネルディスカッションを行いました。

<フィランソロピーで多い、一般的な相談事例はどのようなものですか?>

大方の相談は、クライアントが新しい資産を手にする機会が起きて、フィランソロピーにおける選択肢が何であるかを知りたい時にやってきます。先ほどのケースで言及したドナルド・ジョナス氏は、アートコレクションを売却して得た4,000万ドルをフィランソロピーに使用したいと考えており、それを実現する方法を知りたがっていました。私たちはファミリーの利益のために戦略やスタッフを用意しますが、それは多くの場合、教育的な要素を伴います。彼らにとってフィランソロピーは初めてであるため、成功とは何か、どうやってお金を使うか、どのように時間軸を考えるのかについて十分には理解していません。このような相談は典型的な例といえるでしょう。

<篤志家のアイディアに対して必ずしも賛成できない場合はどうしますか>

場合によりますが、彼らはどこにでもあるような支援がしたいわけではなく、高い成果を上げたいと思っています。彼らは影響力があるがゆえに、常に周りの人たちが正直に意見を言ってくれるわけではなく、だからこそ、本当のことを伝えると感謝されることが多いです。尊敬は忘れず、でも的確なフィードバックを行うこと。例えば、フィランソロピーを通じてファミリーを団結させようとしているのに、彼ら自身で家族を引き裂いてしまう方法に動いてしまう可能性があるとしたら、プロフェッショナルらしい形で、今のまま行くとどうなってしまいそうかということを伝えます。お金ではなく彼らのために。自分たちのミッションにも「真実」という言葉がありますから、それはクライアントたちに負っている責任でもあります。

<米国におけるフィランソロピーのトレンドは?>

過去数年を除いて、この10年間は同じような傾向を持っていたように思います。例えば、米国では社会正義(Social Justice)運動が生まれてきたため、人種差別の問題に取り組んでいるグループの支援に関心が集まるようになっていると思います。それから、パンデミックの結果に注目も集まっています。より多くのドナー(寄付者)が地元への寄付を考えていて、自分たちの近くで必要とされる資金について考えるようになりました。これが大きなトレンドだと思います。また、長い間見てきたトレンドとしては、インパクト投資や、社会的企業、あるいは古い問題を解決できる新しいツールに人々が興味を持つようになったという点があります。次世代のドナーたちは彼らの創造性やノウハウ、才能を生かして過去のドナーたちがやったこととは異なることをできると思います。

<インパクト投資に関心がある担い手は誰ですか?世代による傾向はありますか?>

インパクト投資の定義によるとは思います。若い世代は、特に環境問題や社会課題、いわゆるESGの方向に興味があります。ファミリー財団なら、彼らのバリューと一致する方向に資産を投資し様々な世代を教育しようと考えるでしょう。ジョナス氏のようにビジネスで成功を収めた資産家たちは、イノベーションの力で古い問題を新しい方法で解決しようとするスタートアップに興味を示す傾向があります。
どんなに新しいトレンドがあっても、ドナーは自分の価値観にあった人々と協力したいと思っていて、結局のところ戦略はそれぞれによります。

<インパクト投資は寄付の代替となるものだと思いますか?それとも共存するのでしょうか?>

インパクト投資は一つのオプションであり、代替の方法ではないと思っています。しかし代替的な存在になるべきと考えている篤志家もいます。なぜなら長く存在し続ける課題を解決するにはマーケットの力が必要で、それがフィランソロピー(寄付)よりも遥かに大きいからです。ですから、彼らはインパクト投資に注目を集めたり彼らの事例について示したりすることに精力的です。インパクト投資の転換点は、今、世界中の投資家たちが作っています。次世代の人々がインパクト投資について知りたいと思い、自分の価値観に背くような投資をしないようになるのが重要だと思います。

<金融機関や弁護士の方々など、外部のアドバイザーと仕事をすることは一般的ですか?また、どのようにその方々と協力体制を作っているのですか?>

通常、富裕層ファミリーはファミリーオフィスを持っていて、そこに弁護士や会計士が含まれていることが多いため、彼らが参加することは多いです。アドバイザーとしてチームになるのが一般的です。
ドナーやアドバイザーたちは、インパクト投資とは何か、ESGとは何か、その分野にいるプレイヤーが誰かという教育を受けるところから始まります。米国の大手銀行、例えばJPモルガンやモルガンスタンレーはそういったことに関連する商品を既に売り出しており、それらの知識をファミリーに適切に説明する必要があります。弁護士やファイナンシャルアドバイザー、会計士とともにプロのアドバイザーであるならば、特にそういった分野において的確なアドバイスをすることはとても重要です。私たちはインパクトにスコープを当ててチームを教育していかなければなりません。

<アジアの顧客やアジアでのフィランソロピーの流れについてどう思いますか?>

アジアの多くの地域で、インパクト投資やフィランソロピーの力強い盛り上がりが見られます。西欧のモデルを学ぶことに彼らは関心を寄せていますが、それをそのままアジアに当てはめる必要はなく、むしろ、なぜ今までのドナーたちはそういったことをしてきたのかというところを知ってもらうことが重要です。RPAの顧客も、中国ではヘルスケアの分野を主とした様々な機関に投資をしてきた長い歴史があります。

何より大切なのは、篤志家たちの興味や想像を掻き立てるために、具体的なモデルを伝えるのではなく、ストーリーを伝えることです。新しいビリオネアたちが知りたがるのは、なぜビルゲイツや他の主要なドナーがそのような方法を取ってきたのかということです。

それから他の指摘すべき点として、アメリカでは非営利セクターがどれも大きくて、パートナーの選択肢がたくさんありますが、他の地域ではそのような組織がまだ成長し始めたばかりだというところが挙げられます。ですから、ドナーがプロジェクトを始めるにも、そのスタートラインが異なるのです。丁寧に彼らの選択を聞いて理解する必要があります。

   

Q&A

会場から、Walter氏に次のような質問がありました。

Q1.フィランソロピーを始めるドナー(寄付者)の動機はなんですか?純粋な慈善的な気持ちなのか、それとも税的な問題(節税)なのでしょうか。

色々な動機が混ざっているのが一般的です。一つの動機で始めた人はほとんどいないと思いますし、実際、税額控除の目的だけで始めたドナーは一人しか見たことがありません。たまたま彼らはビリオネアになったのであり、そのお金を守ることだけに執着してるわけではないのです。彼らのレガシーや彼らのファミリー、そして自分の才能をどう活かして社会へ貢献するのかということに彼らの関心はあり、それが最大のモチベーションなのではないかと思います。

Q2.良いNPOの条件として気にかけていることは何かありますか?

ベンチャーキャピタリストやプライベートエクイティ投資家が投資コミュニティで探すときと同じように、私たちはリーダーシップを探し出したいと思っています。

才能や事業の種類をビジネスと同じように評価しようとするのは、ソーシャルセクターでは無理があります。そのため、基本的には組織が他の機関から高く評価されているかという信頼性の実績を重視します。

それから後は、デューデリジェンスの中で、インタビューをしたりサイトを訪問したりして確かめます。ここは一般的な投資と同じような感じですね。しかし、特に、ミッションに沿って行動しているかどうかは重視します。

特に覚えておくべきなのは、もしかしたら非常に効果的なように見える慈善団体でもいくつか弱点があるところが見つかるかもしれませんが、そのような場合は、彼らのパートナーになり一緒に活動することで、その弱点をカバーすることができるかもしれないということです。

Q3.一番思い出に残るアドバイザリーケースはなんですか?

ジョナス・ファミリーのケースは最も思い出に残るケースの一つですね。ジョナス氏と仕事ができたこともそうですし、元からあった資金だけでなく、ファンドレイズを追加で行い資金を集めてくれたり、とても重要な社会課題に対してマーケティングの才能を結集させて解決に立ち向かったりできたからです。

以上、開催レポートでした。お読みくださり有難うございました。


最後に、”イベント前” の一コマ

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