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【微妙】最終兵器彼女を観た感想

YouTuberのはじめしゃちょーが観たことのあるアニメを紹介していく動画で、「最終兵器彼女」というアニメをおすすめしていたことを突然思い出した。

スクリーンショット 2021-09-18 1.07.25

引用:はじめしゃちょー「アニメが好きな人ちょっと来なさい」6:32頃より

その動画を見たのは数年前だったが、突然思い出した「最終兵器彼女」というインパクトの強いタイトルが頭から離れなくなり、いい機会だからと観てみたのでその感想をまとめる。

※この記事はネタバレありです。まだ原作やアニメを観ていない方は内容を知ってからこの記事を読むことを勧めます。

※本稿は私個人の感想です。


始まりはけっこう良い感じ

舞台は北海道、高校生のシュウジは同級生で鈍臭いヒロインのチセに告白され付き合い始める。しかしその時、日本は海外から武力攻撃を受け戦争状態に陥っており、主人公の彼女チセは日本側の強力な切り札である「最終兵器」であった———。

というのがこのアニメ「最終兵器彼女」の冒頭の大まかな説明だ。

なるほど、設定は確かに面白そうである。「最終兵器彼女」というワードのインパクトも良い。

だがしかし

これからあげるいくつかの点が気になり、総評としては微妙だった。(ファンの方ゴメン)

以下、微妙だと感じた点をまとめる

微妙な点その1:戦争の説明が一切ない

お話は日本が戦争状態に入っているところから始まるが、そもそもなぜ戦争に巻き込まれ、日本が攻撃を受けているのかの説明が全くない。本当に

この戦争のせいでチセは兵器に改造されてしまったのだろうし、シュウジは幼馴染や親友など周りの人間をたくさん失って苦しむのに(結局最後にはシュウジ以外みんな死んじゃうんだけど・・・)、この戦争の説明が全くないのは個人的にすごく引っかかりました。

微妙な点その2:チセが”最終兵器”に改造されてしまった理由もわからない

チセは日本自衛隊の謎の超技術によって一騎当千(下手したら一騎当億くらいある)のまさしく”最終兵器”の名に相応しいレベルの強さに改造されてしまう。その力は強過ぎて自身でも制御しきれず、1つの街を味方もろとも一瞬で吹き飛ばすほどである。(実際にクラスメイトのアツシはチセの一撃で街もろとも死んでしまうし。。。)

自衛隊にこんな技術があるならそもそも日本はここまで追い込まれなかったのではないかというツッコミはしないでおくとして、ごく普通の女子高生であるチセが最終兵器として自衛隊に選定され、改造されてしまうことの説明も一切ない。(ごく普通の女子高生どころか、チセは鈍臭い上に体が弱く小学生のころは学校を長期間休んでいたこともある)

日本人の誰か一人を最終兵器に改造するにしても、適役はほかに五万といるはずなのに、よりによってチセが選ばれた理由が釈然としない。
むしろチセに最終兵器をやらせるのは一番酷でしょう。

全く向かなそうなチセが、なぜあえて最終兵器に選ばれたのか説明があればとても面白かったのに残念だった。

微妙な点その3:登場人物の行動が謎で感情移入できない

これがかなり致命的であった。このアニメに出てくるキャラは行動が往々にして意味不明で、感情移入できるキャラが一人もいなかった。

まず、ヒロインであるチセは自ら望んだわけではないのに勝手に改造され、自分では嫌だと思いつつも大量殺戮を繰り返すことになる。こんな勝手な改造をされたらたまったもんじゃないし、シュウジの言う通り自分を改造した自衛隊にブチギレても全然おかしくはないが、チセは自衛隊に(基本的には)従順である。たまに反抗して連絡用のポケベル(時代を感じる)を携帯しなかったり、勝手にバイクで服を買いに行ったりするものの、自分の人生を大きく歪めた自衛隊にここまで素直にホイホイついていくのはいまいちよくわからない。

彼女自身が最終兵器としての自分の人生に歓びを感じている、あるいは多額の報酬がもらえるなど彼女を納得させるに足る大きな見返りがあるなら話は別かもしれないが、特にそんな描写はない。一応、最終兵器としての戦いは「強くなりたい」というチセの座右の銘と合致するため、あながち最終兵器として歓びを全く感じていないかと言われれば、そんなことはないのかもしれない。
だが一方で、作中で何回も兵器として人を殺してしまうことに罪悪感を感じており、できるなら誰も殺したくないと考えていることが伺えるから、やはりチセはできれば”普通”でありたいと考えているだろう。(自身が兵器であることからシュウジや周りの人間を怖がらせてしまっていて、辛いという言動もあったはず)

そんな中、自分に殺人を半ば強制させている自衛隊に素直に従うというのは違和感を感じる。家族や友人を人質に取られているとかでもなさそうだしなぁ。。。


また、フユミ先輩の行動も常人の私にはいまいち理解できなかった。シュウジが中学生の頃、教育実習生としてシュウジの通う中学にやってきたとのことだが、この時フユミ先輩はシュウジの童貞を奪うといういくらなんでもヤバすぎる行動に出る。一般に大学4年で教育実習をするから、(学校によっては3年でやるところもあるらしい)22歳が14歳かそこらの、あろうことか教え子とやってしまったということになる。えぇー。。(ドン引き)

しかもその後もシュウジに彼女がいるのを知りながらなおシュウジを誘惑するのだから、さすがに頭がおかしい。旦那さんがいなくて寂しいみたいなことを言ってたけど、だからってそうはならんでしょう。

他にもほぼほぼ出番がなく、中盤あたりで彼氏の仇である敵兵と相撃ちしていきなり死亡してしまうアケミや勝手にチセを改造した挙句完全に兵器になりかけたチセをみて強く後悔する技術者など、全体としてついつい「え、なんで!?」「それいる?」と突っ込みたくなるような行動をするキャラが多く、共感できるような人物がいないのがキツかった。

正直、こんなわけわからん行動するキャラに感情入れて声あてる声優さんがちょっとかわいそうだなぁとすら感じました。


総評:リアリティを求めないなら面白いかも?

てなわけで、基本的に最終兵器彼女にリアリティを求めたら負けです。ごめんなさい、僕はアニメしか観てないので原作では詳しく解説があるのかもしれないし、アニメでの説明を僕が理解できてないだけかもしれませんが、とりあえず変に突っ込みたくなっちゃう人は観ても微妙に感じると思います。(少なくともアニメ版は)

ただ一方でレビューサイトではこのアニメに高評価の人が多いみたいなので、僕みたいな捻くれ者以外の方は問題なく楽しめるかもしれません。実際に当時は結構人気だったっぽいし。


とにかく、僕にはあまり合わなかったようです。
チセちゃん可愛かったけどね!


今回は以上です。


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