2023年脇本雄太選手の自力時計一覧(5月7日時点)
2ラップなら復調してるけど
※前回記事「2023年脇本雄太選手の自力時計一覧(3月24日時点)」
https://note.com/signalright/n/nb026adfa29ce
前回の記事から武雄記念と平塚ダービー分を追加しました。
股関節・腰痛の影響で昨年末のKEIRIN GPの状態から時計も航続距離も落ちたところからスタートした2023年の脇本雄太選手ですが、上表のカラーマッピングだけをぼんやり見てもわかるとおり、スピード自体はもう復調しているといっていいでしょう。ただ、やはり問題は航続距離です。仕掛け始めの位置が早くても最終H手前からで、絶好調時ならJから行ってスピードがほとんど落ちずに3ラップ刻んでゴールできていたGPの時と比べると、2ラップの範囲でしか仕掛けていない部分は変わっていませんでした。
ダービー準決勝は参考記録?
ですが、2023年5月6日のダービー準決勝ではJから仕掛け、信じられない時計を叩き出しました。
10.9-10.8.-10.7
信じられません。先行して600m踏んで、ラップごとに加速してることになります。2022の平塚GPでは10.7-10.7-11.3でしたが、それ以上の時計になってしまいます。
ただ、これは参考記録に留めたほうがいいと思います。理由は当日吹いていた公式発表で3.5m吹いていた南風の影響です。
平塚競輪場はバンクのほとんどを建物に覆われていますが、2コーナーだけ吹き抜けています。つまり、南風が吹くとバックは追い風、ホームは向かい風になるように見えますが、2コーナーから3コーナー方向に吹き込んだ風は、3コーナーと1センタースタンドに当たり、そのままホームまで巻いて追い風がホームまで流れてくる構造です。つまり、ほぼ1周ずっと強風が追い風で吹いてくれているような状態になっていました。
実際この日は他のレースでの先行がガンガン逃げ残り、負け戦でも4Rで阿部将大選手がJHで10.7、5Rで小松崎大地選手がHから11.1-11.1という破格の時計を叩き出してしまうコンディションでした。極めつけは準決勝11Rで深谷選手が10.5-10.9-12.0で駆けてしまっており、JH10.5はもはやナニコレレベルのスピードとなってしまっていました。
翌日の決勝日は一転して風が逆風なうえ雨となり、一気に先行勢が苦戦する一日になってしまうわけですが、それはともかく、この準決勝での時計と航続距離は参考記録程度にとどめておいたほうがよさそうです。番手を回っていた古性選手も「捲りの番手につくよりもキツかった」「いままでで一番キツかった」とコメントしていますが、600mも踏んでいるのに(追い風で)加速する先行の番手なんてそうそう体験できるもんじゃないです。むしろよく順走したと思います。古性選手じゃなきゃ千切れてたと思います。
ただ、脚を回せていたのは事実です。腰や股関節の状態が戻りさえすれば、また去年のグランプリのような状態に戻る手前ではあると思います。
どこで完全復調するのか。時計を今後もチェックしていきます。
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