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建築設計における生成AI活用の試み

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建築設計分野における生成AI(Generative AI)の活用によって、革新的なデザインの創出や自動化・効率化、そして持続可能な建築の実現を目指しています。
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#画像生成AI

LLMと画像生成AIを組み合わせ、デザインコンセプトを4象限マトリクスで整理・検討する

設計の初期段階でデザインの方向性を決めたり、ステークホルダー間でイメージを共有するため、デザインコンセプトを縦横2軸の4象限のマトリクスで整理・検討することがありますが、それを、GPT-4oと画像生成AIを組み合わせて、Difyのワークフローによって自動化することを考えます。 例えば、オフィスのインテリアイメージのコンセプトとして、下図のようにX軸をカジュアル(-1.0)~フォーマル(1.0)、Y軸を木質(-1.0)~無機質(1.0)に設定し、それぞれの数値でコンセプトの強

Difyで複数モデル対応画像生成アプリに、プロンプト生成機能を追加する

前回は、Difyで複数モデル(DALL-E 3, Stable Diffusion 3, FLUX.1, ideogram 2.0)を切替えながら画像生成ができる、自分専用のWebアプリを作成しましたが、結構便利に使っています。 しかし、まだ具体的なイメージがない時に、プロンプトを一から考えるのは結構面倒なので、ある程度GPT-4oにサンプルのプロンプト作ってもらって、修正しながら狙ったイメージに近づけていく方が楽です。 そのため、上記のWebアプリに、単語や簡単な文章を

Difyで自分専用の複数モデル(DALL-E 3, Stable Diffusion 3, FLUX.1, ideogram 2.0)画像生成アプリをつくる

前回は、Difyで自分専用のマルチLLMチャットボットをつくりましたが、今回は、最近話題の高性能な画像生成AI「FLUX.1」や「Ideogram 2.0」など、複数モデル対応の画像生成アプリを作ります。 これら複数の画像生成AIを使おうと思うと、それぞれのWebサイトに行って作業する必要があるので面倒です。また、個別にアカウント登録やサブスク登録などを行う必要があり、毎日ガッツリ使わないと元が取れません。 その点、API経由で使用すれば、従量制のものが多いので、それほど

Krita AI Diffusion Version 1.22.0

以下の「建築設計における生成AI活用の試み」でもいろいろ試している、オープンソースのペイントソフト「Krita」用のプラグイン「Krita AI Diffusion」が Version 1.22.0に更新されました。 タグのオートコンプリート インターフェース設定で、一般的なタグのオートコンプリートを有効にできるようになりました。タグでトレーニングされたCheckpointを使用する場合は、これにより正確なプロンプトを指定できます。 インターフェイス言語の切り替え K

DELL-E 3で生成画像の部分変更ができるようになった

PC(Webブラウザ)版とAndroid版ChatGPTのDELL-E 3で、生成した画像の部分変更ができるようになったので、さっそく試してみました。 生成した画像をクリックすると編集画面になるので、ブラシのサイズを調整し、変更したい領域を塗りつぶして、プロンプトを入力します。 プロンプトに「Tokyo Tower」と入力すると、塗り潰した領域に東京タワーが出現しました。 今度は、道路沿いの歩道部分を塗りつぶして、「多くの街路樹が立ち並び、緑に覆われている」といったよう

画像生成AI(Krita)でプロポーザル提案書のイメージパースを生成(試行その2)

前回の続きです。今回もプロポーザル提案書の挿絵というか、線画パースやCGパース、AIによる生成画像や写真などを元に、Krita+krita-ai-diffusionプラグインでペン+水彩画風のイメージパースを手早く作成する方法を模索しています。 作成元の写真です。写真でなくても、CGパースやAIによる生成画像を元に作る場合も考えられますね。 前回の試行を踏まえ、今回は画像生成モデル、3つのLoRA、プロンプトの組み合わせを工夫して、作成元の写真に添景などを追加しながら、ペ

画像生成AI(Krita)でプロポーザル提案書のイメージパースを生成(試行その1)

以前ポストした、「Kritaで線画から建築パースを生成してリアルタイムで点景を加える」の続きです。今回は、プロポーザル提案書などに掲載するイメージパースを画像生成AIで作成するシナリオとして、以下の様な手順を考えてみました。 Kritaによるイメージパース生成の大まかな手順 手書きスケッチ、BIMソフトなどから線画パースを作成 設計初期では、BIMモデルに適切なマテリアルが設定されていないことがあり、レンダリングしても綺麗な絵にならない。だからと言って、マテリアルを設定し

Kritaで写真を元に建築パース生成し、リアルタイムで点景を加える

面白いので、しつこく Krita AI Diffusionで遊んでますがw、今回は、参照元の写真と良く似た画像をControlNetのRefarenceで生成させ、その上にペンタブレットで子供や植栽などの点景を描き足しています。 下が参照元の写真です。プリプロセッサの強度を30%程度に設定し、写真を元に画像を生成させます。 下が生成された画像です。参照元の写真とは少し細部が異なっていますが、強度が低すぎると、描いたスケッチがそのまま出力されてしまいます。 参照元の写真と

Kritaで線画から建築パースを生成してリアルタイムで点景を加える

調子に乗って、今回は、Revitから書き出した線画パースからレンダリング風画像を生成し、ペンタブレットで人物や植栽などの点景を描き足して、リルタイムに反映させながら建築パースを仕上げる、というシナリオで試してみました。 krita-ai-diffusionではレイヤごとにプリプロセッサを変えることができるので、線画パースと点景はレイヤを分け、線画パースには「Line Art」、手書きの点景には「Scrrible」を適用して、ライブペインティングしています。 天井やディテー

Kritaのライブペインティング機能で建築デザイン(試行)

前回は画像生成AIの王道wで、かわいい女の子の絵を描いてみましたが、今回は、建築デザイン案やイメージパースが作成できないか試してみました。 CheckpointやLoRAを選択し、画像生成したい建物の用途やスタイルなどをプロンプトとして与えてペンタブレットでスケッチをすると、下の動画のように、リアルタイムで建物のパースが生成されていきます。 現状では、checkpointやLoRA、プロンプトの選択や組み合わせなど、画像生成AI特有の面倒臭さもあって、なかなか思ったような