第2期Σリーグ観戦記・第12節
こんにちは。Σリーグ広報部です。ついに11/1(水)より対局がスタートした第2期Σリーグ。第2期Σリーグは雀魂の強豪・プロ雀士・Vtuberで構成された12チームが頂点を争うレギュラーシーズン全20節40試合のチーム戦です。
本日は12/13(水)に行われた第12節の観戦記をお届け致します。
対戦組み合わせと出場選手はこちら。
今回は第1試合C卓と第2試合A卓をピックアップしました。
第1試合C卓
起家 ぽんてんLv47所属 犬カルビ選手
南家 てんぱねすくりゅ〜所属 ねじまき鳥選手
西家 縁所属 稚児選手
北家 麻雀以外麻雀じゃないの所属 どら選手
錚々たる顔ぶれが集結し、大注目となった本対局。全員が抜きん出た実力を持ち合わせているだけに、勝敗を分けるのは僅かな差になるだろう。せっかくこれだけの実力者が揃った卓、試合の展開ではなく、筆者が注目した各選手の一打一打を中心として振り返りたい。
東1局
3巡目、犬カルビ選手のこの手牌。急所のカン8mを引き入れたところで、3p切り。
現状の5ブロックで進めるなら4mを触ってしまうかもしれないが、筒子から埋まった場合はペン7sの愚形待ちだ。一方で4mを残せば両面変化の3m、5mに一盃口含みの2mを引き入れれば自然と愚形塔子を落としていける。場はまだ3巡目、後の変化を考えての4m残しに手作りの技術の高さが見える。
この局は最終的に3s、5sのシャンポン待ちで立直をかけた犬カルビ選手がツモ和了り、1000オールとなった。
東1局2本場
ねじまき鳥選手の配牌。第一感では1mや1pを切りたくなるが、よく手を見ると順子が2つに両面塔子が2つ。両面塔子が埋まれば面子はもう必要ないので、白を重ねることの価値は低くなる。さらには白が雀頭になると平和も消えてしまう。ここは1m、1pの重なりを逃さないようしっかりと白切り。上級者たちはこういう基本を外さない。
東2局
どら選手の配牌。なんとも難しい形だ…。シンプルなのは1枚浮いている打7s。喰いタンを狙っていく1s対子落としも面白い。瞬間で言えば打4sが一番ロスが少ないか。
どら選手の選択は打5p。4p、6pが入れば振聴になるが三面張なら問題ないだろう。1sを雀頭と見定めて他をすべて残すことで最高形まで考えれば345、567の三色が見えないでもない。実は出来上がれば一番高い可能性を秘めているのは、なるほど打5pかもしれない。
東2局2本場
犬カルビ選手の6巡目。手牌は1シャンテン、今ある5ブロックで戦うのであればドラ5pの受け入れを残して4mのツモ切りが頭をよぎるが、犬カルビ選手の選択は打1sのシャンテンバック。
場は先述の通り6巡目、中盤にさしかかり序盤とは言えない巡目だが、1シャンテンをキープしても聴牌時は基本的に愚形になるだろう。シャンテンバックにはなるが、1sを落とせば喰いタンに向かうことができる。5pを引ければ打点も十分だ。もろもろの要素を考慮すればシャンテン数を戻しても1s切りが有利となりそうだ。
狙い通りにタンヤオを作りカン3pで聴牌するも、ねじまき鳥選手のダマ5800への放銃となった。
南2局
どら選手の6巡目。すでに5-8s待ちの聴牌だが、3pを引き入れたタイミングで6pと入れ替える。
この入れ替えにはもちろん理由がある。1つはドラが1pであること。2p、1pの順で引いたときだけになるが打点上昇のチャンスになる。もう1つは3pのほうが6pよりも後々に安全になりそうだということ。ドラが1pなので3pのほうが放銃打点は高くなるかもしれないが、6pは2筋にまたがる牌で、さすがに危険度は逆転しない。上級者たちはこういった選択肢の微差を積み上げて長期スパンで勝っていくのだ。
南3局
ここまでは逆風の展開で追い込まれている稚児選手。6巡目、1mを持ってきてこの形。すでに立直を受けているが、当然降りる選択肢はない。その前提で何を選ぶかだが、稚児選手の選択は打3m。
他の打牌候補は1mのツモ切り、打5pあたりだろうか。もちろんそれぞれにメリット、デメリットがある。打3mは単純に一番受け入れ枚数が多い。ドラの2mを引いたときに、前に置かずにそのまま聴牌となるのも魅力的で、打1m、打5pとしたときに苦しい2p引きでもカン2mのリーチに行ける。ドラそばのためあまり信用度はないがリーチ者の現物6mの筋であることも要素の1つだ。
そして結果を見ても、打3mが正解だった。2巡後に2pを引き入れ立直をかけると2mを掴んだ犬カルビ選手から直撃。裏3枚はボーナスだったが、あの場面で選択肢を間違えていればこうはならなかった。運命を分けた一打と言えるだろう。
この後はどら選手が満貫ツモでトップ目に躍り出たのち、オーラスにはねじまき鳥選手と犬カルビ選手からリーチがかかり攻防があったものの順位は変わらず終局となった。
トップを獲得したのはどら選手。実力者の集結した対戦カードだったが見事にトップを獲得。この結果はポイント以上にチームに勢いをもたらすだろう。
2着となったのはねじまき鳥選手。唯一、無放銃と鉄壁さが光ったが終盤に差し切られてトップを逃す形に。とはいえしっかりと連対を確保した。
3着となったのは稚児選手。終盤まで苦しい展開だったが南場の親番の一撃で着順アップ。苦しいながらも最低の展開だけは避けて見せた。
4着となったのは犬カルビ選手。放銃4回のうち3回が立直後の放銃。丁寧に打ち進めたものの無念のラスとなった。
試合後インタビューコメント
2着・ねじまき鳥選手(てんぱねすくりゅ〜)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
ギリギリトップをとれなかったので、悔しいです!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
東1局1本場の打4p、打6mと南3局2本場の打8sが少し押し過ぎだった気がします。
4着・犬カルビ選手(ぽんてんLv.47)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
ラスになってしまいましたがまだまだチームとしては大きくプラスなので気にせず次回登板でリベンジしたいと思います!裏3許すまじ!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
結果には恐らく影響はないのですが、少なくとも1箇所明確に平面牌理を間違えたところがありました。そんなところを間違えているようではこの先勝てないので基礎から勉強し直します。
(記・りんぜ)
第2試合A卓
起家 風林火にゃん所属 ねこ武者選手
南家 Luna de esperanza所属 かちゃまんた選手
西家 ANC PURPLE BATS所属 日菜むい選手
北家 Logicart所属 ダイゴ選手
ダイゴ選手、日菜むい選手は今期いまだトップなし。特に日菜むい選手は今期初参戦なのでΣリーグでのトップそのものが未経験だ。今節にかける想いは人一倍のはず。
東3局
ダイゴ選手、白ポン打3m。5巡目の役牌ポンが3900のポンテンとはなかなか思うまい。
かちゃまんた選手、七対子で追いつき立直。
西単騎で勝負だ。やっぱり単騎は西が最強なのだろうか。
単騎と両面のめくりあいは両面に軍配。
3900+立直棒4本+2本場。8500の加点でダイゴ選手がトップ目に立つ。
東4局
日菜むい選手の4巡目。索子がたくさんあるが、筒子は両面、赤5mもある、難しい手だ。
打6p。思い切りのいい選択だ。
二段目が終わる巡目まで来たが、なかなか進まない。ツモ4m。
ここで4mをそのまま切らずに白を切った。4m回りで1面子作れば形式聴牌になる。
放銃牌として赤く光る7m。ダイゴ選手が静かに七対子ドラ3で待ち構えていた。
打4m。きっちりドラを止め、8000の失点を回避。
その後5m、3sをツモり、形式聴牌を取り切った。最初に目指したホンイツに囚われることなく、柔軟に加点をすることに成功。
南1局
日菜むい選手がねこ武者選手から出た西、ダイゴ選手から出た發をポン。効率は当然白を打つのが一番受け入れ枚数が多いが…。
打5s。トイトイで満貫ルートだ。
東4局、それからこの局から、日菜むい選手が「基本的な効率」から一歩前進した「構想力」のようなものを感じ取る事ができた。もちろん6sがロス。だけど欲しいのは満貫だ。すごくレアケースだが、白を重ねると、役役役役ホンイツトイトイで倍満まである。大きく打てていると思う。
ツモ8p、ツモ7sで役役トイトイの満貫和了。
待望の初トップが大きく近づいた。
南3局
日菜むい選手に最後の勝負の時が訪れる。かちゃまんた選手、ねこ武者選手が怖い2副露を見せている中、自身は平和のみの聴牌(※打3sを選択すれば一通)。ドラが發というのが気になるポイントで、ホンイツ気味に見えるねこ武者選手、タンヤオではない事が確定しているかちゃまんた選手が対子以上で持っていてもおかしくない。そもそも、残してしまった9sが両者に当たり得る牌で、これをロンと言われることだってある。
立直!一気に勝負にケリをつけよう。
ねこ武者選手、かちゃまんた選手はともに聴牌、そしてドラの發待ち。發がどこにあるかで運命が決まりそうだ。
ねこ武者選手、赤5sツモ。黒5sを切れば聴牌維持だが、5sは日菜むい選手の当たり牌。
驚異の嗅覚でこれをストップ。まだ勝負は決まらない。
かちゃまんた選手のもとに2sが来て勝負あり。立直平和裏1で5800、4本の立直棒、1本場を合わせて10100の加点。
5登板目で初トップを掴み取った日菜むい選手。充実の内容に本人も満足しているはず。レギュラー後半での活躍が大いに期待できそうだ。
試合後インタビューコメント
1着・日菜むい選手(ANC PURPLE BATS)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
ついに初トップをとれて本当に嬉しいです!!次回もトップ目指して頑張ります~!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
南4局のカン6pから鳴いて發バッグの仕掛けが上手くいったところです!この和了りでトップを決めることができました!
4着・かちゃまんた選手(Luna de esperanza)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
他家の聴牌が速くずっと後手に回らされてキツかったです。そろそろ連対したいですぅ(´・ω・`)
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
東ラス1本場7巡目の1sを押せなかったところです。今見ても先に9sでいい気がしますが、あそこ押せていれば9巡目に聴牌捉えて点況的に多分曲げていたので違った未来があったかも。
(記・まさき)
第1試合の結果
試合後インタビューコメント
A卓
1着・胡桃坂ひまり選手(風林火にゃん)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
5戦目にして念願のトップを取ることができました!
ただただ嬉しいです!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
東4局2本場です。
6m片あがりのチーテンを取るか悩んだのですが、満貫確定だったのでここが勝負と思い、それがうまくハマって本当に安心しました。
2着・コータ選手(ANC PURPLE BATS)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
前回に引き続き、オーラスでの捲り2着を決めることができてホッとしました。
次戦こそ粘りの麻雀ではなくきっちり勝ち切る攻めの麻雀を見せたいです。
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
南2局で真優さんのリーチに対して一発放銃となった9pです。
現物はあったのですが、自分もイーシャンテンの形から打点を追いかけてトップを窺いたいと思い、シャンテン戻しを行った結果の放銃だったので、少し悔いの残る1打となってしまいました。
B卓
2着・メカZ選手(なんでも鳴けばいいというものではない)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
前回ラスだったので負けを連鎖させずに連対出来てよかったです。今日のところはトップのptを誕生日の相川Pに預けておきます。誕生日おめでとうございます!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
東2局2本場のカン2sで親リーチをうったところです。こちらとしてはリーチしか選択肢はないのですが相川Pが丁寧に回って聴牌料を取って結果的にその聴牌料の分で逃げ切られてしまいました。8000オールが目立ちがちですが勝負の肝はあそこだったと思います。
3着・中神翔平プロ(Pleiades)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
とても難しい半荘でした。理想と現実の狭間で繊細なパズルを組み立てるような、そんな難しさがありました。3着に収まったのは上出来だと思います。
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
南1で迎えたダンラス目のラス親を捨てた局です。卓上の情報を全て精査し、ここを捨てたら大体ラスなのは承知の上で歯を食いしばって現実を受け入れました。毎局のように難解な選択を迫られましたが、ここが大きな分岐点だったと思います。寝坊のかくきりこの菓子折り待ってます。
第2試合の結果
試合後インタビューコメント
B卓
1着・夏八木玲衣選手(なんでも鳴けばいいというものではない)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
前回の登板ではラスだったのでチームにトップを持ち帰れて嬉しいです!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
南3局のペン7p立直です。それまで我慢が続いて追い上げられていたので思い切って立直できたのが良かったかなと思ってます!
2着・室生鏡花選手(TEAM PANDAaaaZ)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
相川リーダーのバースデーウィンのあとの登板だったため、何がなんでもプラスを持って帰りたいという気持ちで臨みました。トップは取れませんでしたがチームにプラスを持って帰ることができてよかったです。チームがポイントでは沈んでいますので、次戦もプラスを持って帰れるように頑張ります。
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
東2局で振り込まずに聴牌取れたのは偉いと思ってましたが、恐らくみなさんはアガりをみれていたと思います。まだまだ未熟なところが多く、多くの局で拙いところがでています。特段、この1打1局というのはありませんが、全体的にレベルアップをしていきたいです。
3着・ジョコラー選手(Pleiades)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
首位ななないを倒すつもりが乾杯でした!次は勝つ!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
東1局赤5m切ったところ12m払えばよかったと反省してます。
巡目でイーシャンテンを崩して良いかの葛藤がありましたがリーのみ手順を見るくらいならシャンテン戻した方がよかったです。
C卓
2着・シグマ選手(てんぱねすくりゅ~)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
南2の2放銃はひょっとしたら防げた部分あったかなぁと。仕掛けたリーチ3回があがれた結果キチンと連対してプラスをチームに持って帰れた・3節連続登板をプラスで終えることが出来たので何よりです。ただ、裏はどうしようない・・・前節のダブリー自摸の反動でしょうかw 次もチームにプラスを持って帰れるように研鑽を積んでいきます!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
南1の倍満自摸です。 これが麻雀だ!ってのを稚児さんに見せつけられました・・・w その後倍満親被り取り戻そうとムキに攻撃的になっちゃって南2が拙くなりました。この南場の最初の部分が1位2位の優劣を決したかなと。
3着・みずきけい選手(ぽんてんLv47)
ー試合の感想と次の試合に向けて一言お願いします。
鳴き判断が甘かったかなぁと反省です!次はトップとれるよう頑張ります!
ー試合のポイントになった1局、1打を教えてください。
東3局に7s鳴いて和了したとこです。もつれてたら3着もあやしかったけど、トップを強く見るならスルーしたほうがいいのかな?
本節の結果
本節最もポイントを伸ばしたのはAPB。順位こそは変わりませんが借金をほぼ返済し7位のPleiadesに肉薄しました。
首位を争うななないとぽんてんは明暗が分かれる結果となり、ななないが逃げ切り態勢へと入っています。
中団では風林火にゃんが6位から3位へ一気に抜け出し、てんぱねが7位から5位へ順位を上げました。激しい順位争いとなっていますね。
下位集団では縁が再び9位へ浮上し中団を窺う中、パンダーZも大きくポイントを伸ばし11位へ。プレーオフのボーダーを視界に捉えました。
おわりに
今回の記事は以上になります。読んでくださってありがとうございました。Σリーグ広報部では本観戦記シリーズの他、選手名鑑シリーズも刊行していますのでよろしくお願いします。記事の感想やRT、いいね等頂けますと励みになりますので"#Σリーグ"のハッシュタグを付けての投稿をよろしくお願いいたします!また、Σリーグは公式YouTubeチャンネルを開設しています。公式配信として対局の模様をお届けするほか、公式応援配信"熱闘!Σリーグ"の配信等様々なコンテンツの配信を予定しておりますのでチャンネル登録をよろしくお願いいたします。
また、広報部メンバーはYouTube配信やnoteの投稿等の活動を行っておりますのでXのフォロー・Youtubeのチャンネル登録をどうぞよろしくお願いします。
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