Divided Pickupは作れるのか(3)
前回、自作ピックアップで音が出ることが確認できたが寸法がちょっと合ってなかったり、配線が単純なのにも関わらずごちゃごちゃしたりで不満が募る。ノイズもひどいし。
ということで、基本的な考えは変えずに作り直す。ピックアップは基本8,000回巻きで作ったが、2つ目が7,500回くらいのところで銅線がなくなったのでとりあえずここで終了。ベース弦の方は音が大きそうなのでそちらに使うことにした。
ケースを作り直す。現物を計り直し、サイズを合わせる。まだ試作段階なので自宅の安い3Dプリンタで半分ずつ出力し、接着して箱にする。今回は蓋(天板)も作るが、色違いで作ってみた。
回路の方は、線を長く取り回しせずに配線したいのでプリント基板を使ってみる。通常なら感光剤付きのものをエッチングして作るのだが、試しに感光剤なしの生基板を最近大学に納入されたNCで表面を削ることにした。0.5mmほど削ったが、ちょっと削りすぎた。0.1mmでもいいくらいだ。固定用のネジ穴などは貫通させなかったが、自宅のボール盤で簡単に空けられる。うっかり他のネジ穴と干渉してたので(設計ミス。よくやる。)少しだけ切り取る。
フラックスニスを塗って、部品をハンダ付け。前回付けたスイッチは今回は割愛。配線に使う銅線を太目にしたのはちょっと後悔。硬くて取り回しが悪い。ボリュームの端子をアルミ箔と接触しないようにビニールテープで絶縁した。
箱の方には、内側にアルミ箔を接着剤で貼り付けた。これをアースに繋げばシールドとして効果がある。本来なら導電性の塗料を塗るのが正当な方法だと思うが、まだ試作なのでいずれ使おうと思う。箱に組み入れ、各パーツをねじ止めする。この時点でもちょっと設計ミスが判明している(まあ設計は素人だし)のだが、とりあえず何とか納めた。
ピックアップの上側に少し空いている空間には、当初の目的であるDivided Pickupが入る予定である。とりあえずそこはおいといて、蓋を閉めてみる。
蓋の表面の模様は3Dプリンタのプラットフォームに張り付いていたところだが、ここが綺麗にならないのが難点。最終的にはShapewaysなどの3Dプリントサービスを使うのでこの時点では気にしない。ケーブルを繋いでテストするが、前回よりもノイズが完璧ではないがかなり減少している。楽器に設置してみると、サイズはぴったり(当たり前だが)。音を出してみるとちゃんと鳴る。ただ、シングルコイルのせいか音がちょっと細い感じがする。巻き数も通常のギターのものより20%ほど少ない。オリジナルのものはハムバッキングのようなのでちょっと音が太いのかも。でもまあクリアに鳴るので良しとする。
次はいよいよDivided Pickupを追加してく予定である。(次回に続く)
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