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傾聴されど傾聴

グリーフに悩まされながら、グリーフケアという言葉を知り、
傾聴が基本であることがわかる。
一方で、傾聴という言葉がワークショップ、セミナーなど、いろんなところで、使われていて、どう違うのか?混乱していたのは確かだ。

今日の傾聴ボランティア勉強会で、納得した。
大きくは、二つの使い方をしていることがわかった。
ケアとしての傾聴とコミュニケーションとしての傾聴である。
傾聴には大きくふたつのやり方があるように感じてきました。

不安悲しみを和らげる傾聴
何かを導く傾聴

ヒヤリング傾聴
ディスカッション傾聴 

受動的傾聴
積極的傾聴

ケアとしての傾聴
コミュニケーションとしての傾聴 かと思ったりします。

1.ケアとしての傾聴
 人は、大きくは、ふたつの要因によって、心が不安になることがある。
 1)グリーフによる心の不安
  グリーフとは、喪失。喪失といっても、いろんな意味合いがある。
  一番は、人であろうか。身近な人が亡くなると、とんでもない喪失に
  なる。何気ない会話をしていた人が亡くなると、会話がなくなる。
  これがどれほど、辛いものか。経験したものにしか、その辛さは
  わからない。

 2)先行きの不安
  災害など、想定外が起きた時の心の不安。
  一時避難で生きることに必死だろうと思うが、その生活に慣れて
  くると、この先の生活はどうなるのか?どうすればいいのか?
  そういう不安が襲ってくるようである。
  加齢と共にこの先どうなるのか心の不安。
  この歳になって思うが、こういう気持ちがゼロではない。
  なにかあったらどうする?考えても仕方ないのだが・・・

 3)ケアとしての傾聴
  これらの心の不安に関しては、ひたすら聞くしかないのである。
  主役は、話し手である。ここは絶対に変わらない。
  その聞き方は、不安を和らげることを意図しているので、
  不安を聞かせてもらって、肯定することだと思う。
  「辛いんですね。」
  「大変でしたね。」
  それらの話をした話し手さんが、
  「話を聞いてくれて、ありがとう」
  「心が軽くなりました。」 
  こういう反応があると、一定の成果だと思う。
  つまり、会話はほとんど、一方通行。
  話し手と聞き手が入れ替わることはない。

2.コミュニケーションとしての傾聴
 コミュニケーションとは、お互いが意見を交換して、理解し合うような
イメージ。別の言い方をするとキャッチボールでしょうか。
そこで、ポイントとなるのは話し手が話しているときに、聞き手は、
話の横取りをしないこと。だと思う。
 1)コーチング
  話し手と聞き手は決まっているが、話し手の内容によっては、
  聞き手がジャッジするということであろうか。
  聞き手の経験によって、なにかを提案するかもしれない。
  また、アドバイスするかもしれない。
  話し手は、自分なりの目標を設定することが傾聴でのゴール。
  目標を設定するには、聞き手はあの手、この手で質問を
  投げかけるかもしれない。
 2)カウセリング
  これも、話し手と聞き手は決まっているが、話し手の問題解決
  には、聞き手はアドバイスなり、なにか提案するかもしれない。
  話し手が安心して、行動に移せるようになることがポイントか?
 3)トークフォークダンス
  テーマに沿って、話し手と聞き手が入れ替わる。
  時間制限内で、自分の考えなりを話す。初対面だと少し緊張するが、
  テーマと制限時間という制約の中で、話始めると止まらない場面も
  あった。

3.傾聴を通して
 1)コミュニケーションとしての傾聴
  会話で話し手との信頼関係を構築しながら対話へと変化させ
  話し手の心に眠っているような思いを探りっていくような
  コーチングのイメージでしょうか。
  そこには、話の横取り、否定せずに肯定しながら聞くなどの
  基本的スキルを持ち合わせながら、話し手の話を聞かせて
  もらいながら、聞き手は質問、アドバイス提案などを行い
  なにかの結論を導くことで、お互いの達成感を得るような
  イメージでしょうか。
  カウセリングもこのようなイメージを描いたりしています。

2)ケアとしての傾聴
  会話で、話し手の心にある不安、悲観などのマイナスの感情を
  聞かせていただく。聞き手は、話し手の話を否定せずに
  「辛かったですね」「大変でしたね」と、ひたすら共感する。
  そうすることで、話し手は、自分の話を受け入れてくれたことで、
  安心して、ひとりではない。と、いう感覚を得て心の負荷が
  軽くなっていく。と、いうことだと思っています。

4.まとめ
 身の回りで、傾聴という言葉をよく聞くのだが、いろんな捉え方が
 あるのだと思った。その場面での傾聴の意味合いを理解しておかないと
 大変なことになると思った。
 ディスカッションするのか?しないのか?
 そこが大きな分かれ目。ディスカッションで、お互いを理解するのか?
 それとも、話を聞いてあげて、心の不安を軽くするのか?
 今までの経験から、多くの人たちは、そこを理解していないように思う。
 取り返しのつかないことも起きた。 

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