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顔認証システムに障害発生!その時どうする?

ライブやイベント会場へ入場する際の新常識「顔認証システム」。
スムーズに入場でき、転売防止にも期待できますが、肝心のシステムに障害発生!
その時、あなたはどうしますか?

2021/10/16、17に行われたラブライブ!サンシャインのユニット「CYaRon!」2ndライブ。
私は運よく2日間とも現地参加できました。
およそ1年半ぶりの現地ライブということで、2日間本当に楽しめました。

ただ、初日に遭遇した事については、今後のためにも書いておかねばなりません。
テクノロジーの進化は劇的ですが、こういった落とし穴もあるとは。

10/16に発生した、e+の顔認証システム障害。
そのため、結果的に開演が1時間近く遅れてしまいました。
初めて顔認証システムで入場しましたが、いきなりこのような事態に見舞われ、運が悪いというか、教訓を得られてラッキーだったというべきか…。

この障害から得られた教訓は、ライブ当日に通知が来る各注意事項に同意するボタンを押した時点で、同意証明と顔写真、席番号を表示させた画面をスクショしておくこと。
ではなぜ、このような結論に至ったのかをお話しします。

顔認証システムとは

コロナ禍でライブに行くことができなかった1年半で、ライブやイベントは劇的に変わりました。

今まで紙のチケットを握りしめて会場に向かっていたのが一転、スマホにチケット情報を表示させる、いわゆる「電子チケット」が主流になりました。
理由は、紙チケットの受け渡しによる接触感染を防ぐこと、そして何より、本人と同行者を事前登録し、その人以外を入場させないシステムの導入により、チケット転売を防ぐこと。
本当にここ1年ほどで主流になったため、どの程度転売を防げているのかデータを見たことがありませんが、実際に体験してみるとかなり効果的ではないかと思います。

ただ、チケット購入からイベント参加までいくつかステップを踏む必要があります。

まず、イベント開催1週間程前に、顔写真を撮影してシステムに登録するよう案内が来ます。
案内メールに記載のあるURLにアクセスし、顔写真を登録する流れ。
これは公演日ごとに必要で、2日間参加する際は2回同じことをしなければなりません。
顔写真はスマホで自撮りをすればいいので簡単。
ちょうど同じタイミングで眼鏡を新調したので、新しい眼鏡をかけて写真を撮り、登録しました。入場時の顔の照会が目当てなので、別にそこまで気を使う必要もないんですが、何となく。

公演2日前になると、メールで席番号の案内が届きます。
紙チケットを発券するときと同じく、そこで初めて当日の席がどこになるかがわかります。
以前はチケット発券がイベント当日のかなり前から可能だったので、自分のタイミングで席を知ることができました。イベントのかなり前にチケットが郵送されてきたり、前日にコンビニで発券したり。
しかし電子チケットでは、一律2日前から照会可能になります。
すぐ見るのも、当日みるのも本人次第。
チケットを引き取りに行ったり、郵送で送られてきた封筒を開いたりするのと同じく、やはりサイトにアクセスするときはドキドキします。どの席になるのか?アリーナなのか?スタンドなのか?

そしてイベント当日。
イベントに関する注意事項について同意するよう、SMSが届きます。
席が表示されたサイトにアクセスすると、ライブの注意事項が書かれたところに同意ボタンが表示されるので、会場に入る前に必ずボタンを押さなければいけません。
当日会場内で同意ボタンを押す人もいるかもしれませんが、ほとんどの人が自宅でここまでの作業を済ませて会場へ向かうはずです。

さて、ここまでのプロセスを踏んで、いよいよライブ会場へ向かいます。
10/16は、ライブ開演の30分程前に幕張に到着しました。

入場列が進まない!?

会場に入ると、長い入場列ができていました。いつものライブと変わりません。
ただ、グッズの会場受け取り予約をしていたので、早くグッズだけでも受け取ってから入場列に並びたい。しかし、グッズの販売場所はどこになるのか?会場に詳しい案内パネルがほとんどありません。

詳細を確認しようとTwitterを開いたところ、「顔認証システムで障害が発生していて、入場をストップさせている」というツイートが。
その影響なのか、ただの噂なのかはよくわかりませんが、列に並んでも一向に進みません。

不安が募る中、一部の列が動いて、階下へ降りるように促されました。
そちらの方に動いてみたところ、広いスペースに通されました。

今回のライブは1~3ホールを使用しますが、ホール1は入場ゲートとグッズ販売所を兼ねたスペースとなっていました。
満員ではないにしろ、結構な数の人が待機しています。
しかし、物販ブースはガラガラ。
案内の通りに事前予約のブースへ行き、グッズ受け取り完了。

しかし、問題はここからでした。

席番号が書かれたサイトに繋がらない!?

グッズを受け取ったら、あとは入場するだけです。
周りを見渡すと、皆スマホを片手に困った顔をしています。
係りの方が口々に「席番号がわかる人から進んでくださ~い」と声を上げている。

席番号は、顔写真を登録したサイトにアクセスしないとわかりません。
早速サイトへアクセスしたのですが、「AUTH thru」と書かれた真っ白なページしか表示されない。
何度再表示させても結果は同じ。
かろうじてID、パスワードを入力するページには飛びましたが、その先に行けません。

「AUTH」と表示される事から、Authentication、つまり認証エラーであることは何となくわかります。
ただ、認証サイトに正しい情報を入力してもこの警告が出るということは、アクセス過多でサイトに入ることができないことが考えられます。
やはり、障害が発生していたのは本当の事のようです。

この時点で障害が継続していたのか、障害が解消されて一時的にアクセス過多に陥っているのかはわかりませんでしたが、席番号がわからないので途方に暮れるしかありません。

サイトにアクセスできなくても、何とか席番号だけでもわからないか…?
今朝同意ボタンを押す際にアクセスした、Safariを直接開いてみます。
タブの選択表示でいくつか見たところ、そこに席番号らしき情報が…。
なんと奇跡的に、同意した際のページがキャッシュに残っていたのです!

しかし、そのサイトを表示させてしまうと、再度サイトへアクセスしに行ってしまい、せっかくの表示が消えてしまうかもしれない。
念のため、タブ切り替え画面をそのままスクショ。
その上でタブを選択して表示させようとすると、やはり再アクセスに行き、AUTH thruの表示に。
とっさに機転を利かせて、九死に一生を得ました。

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※これが九死に一生を得たスクショ画面。
この状態で下のタブをクリックすると、同じサイトへアクセスしに行ってしまい、すべてが水の泡になるところでした。
時季はちょうどドラフト会議の時。巨人ドラ1の翁田投手はどんな活躍を見せてくれるのか楽しみですね。


入り口の係の方へスクショした画面を見せたところ、すんなり通してくれました。
その先にはテーブルがあり、手首をかざして熱を測る機器と、消毒液の自動散布機に手のひらをかざして手指を消毒。そして手荷物検査を受けます。
その先は、タブレットが立てかけられたブースに係りのお姉さんが立っているので、マスクを取ってカメラを見ると、認証OKが出て先に進めました。
カメラに映った顔をもとに事前に登録した顔写真をデータベースの中から照会し、同じ顔と認識できればOK、というシステムなのでしょう。
それを複数台で一瞬にして実行してしまうわけですから、サーバへのアクセスの速さとAI技術がないと実現はできません。
このタイミングで顔認証ができたということは、障害は解消されていたのだと思います。

顔認証システム。驚くほどすごい技術ですが、肝心のデータが格納されているサーバに障害が発生すると入場動作がストップしてしまい、多くの人が会場の外に取り残されてしまいます。
会場によっては当然「密」になるわけですから、感染リスクも高まります。

すべての難関をクリアし、ライブ会場に入ったころには開演予定時間を過ぎていました。
しかし、7割ほどしかお客さんは入っていません。
事前に席をスクショ等で把握していた人ではないと、このタイミングで会場に入ることはできませんでした。
しかもアクセス過多が解消されなければ、ほとんどの人が席を把握することができず、入場がどんどん遅れてしまいます。

結局、開演は1時間近く伸びてしまいました。
席はパイプ椅子で幅が狭く、同じ場所で1時間近く体を小さくして待ち続けるのは辛かった…。
CYaRon!の3人も「お待たせ~!」と言ってくれて、ライブは楽しいひと時でしたが、終演も21:30を過ぎ、帰宅したころには日も変わっていました。

2日目に本来のポテンシャルを見た!

翌日。同じ場所、同じ時間でライブ2日目。
昨日の教訓を踏まえ、自宅で今日のライブ分のサイトで同意ボタンを押したと同時に、席番号と顔写真、同意証明が表示された画面をスクショして出発。
初日は電車を利用したのですが、2日目は車で行きました。
駅での停車がない分、車の方が早く到着。
16:00頃には幕張に到着していました。
イオンモールで食事して、買い物ができるほど余裕がありました。

会場に入ると、ホール前のコンコースはガラガラ。
すんなりホール1までたどり着きました。
物販もガラガラ。ガチャだけ購入して入場ゲートへ。

ゲート前でサイトにアクセスすると、すんなり画面が表示されました。
入場係のお兄さんに見せて、昨日同様検温と手指の消毒。
タブレットのカメラを覗いて認証OKが出たら、あとは会場へ向かうのみ。

ホール1に到着してから入場まで、5分程度しかかかりませんでした。
当然、全観客が開演予定時間までに入場し、ライブはオンタイムで始まりました。

通常なら、チケットのもぎりに多少の時間を要するため、入場時には行列ができますが、カメラの前で顔を見せればいいだけですから、紙チケットの時よりもスムーズ。
これは、より大きな会場で、数万人もの観客を相手にするイベントなら、特に真価を発揮するでしょう。

しかし、人数が増えれば増えるほど、顔写真を登録したサイトへのアクセスが集中し、今回のような事態を招く可能性は十分考えられます。
サーバがダウンしなくても、通信の帯域が足りずにビジー状態で繋がりにくくなることも考えられると思います。

通信帯域は5Gが普及すれば問題ないと思いますが、受け側のデータベースもより強固でトラブルに強いシステムにする必要があると思います。まぁ、大手ならそこも考えていると思いますが、今後コロナ禍が去り、より観客数が増える前に手を打っておく必要があるのではないでしょうか。

それにしても、数年前には考えもつかなかった箏が次々と実現してゆく。
ライブビューイングが始まっただけでもすごいと思ったのに、今や有料配信で開催中のライブを同時にどこでも見れる環境が当たり前。
そして、会場に入るだけでも長年の常識が1年足らずで覆ってしまった。

ただ、技術を信じることも大事ですが、ちょっとした予防策を講じることも重要。
今後現地参加するライブは、必ず事前にチケット情報をスクショしてから会場へ向かうことにします。
この記事を読んでいただいた皆様もぜひご参考に。


※ライブについては後日書こうと思いますが、事前に書いた記事がこちら。


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