高校の授業はどうしてもクラス全体の多数派に合わせたものになりがち

10年前、20年前と比べるとパソコンのOSやソフトウエアはとんでもなく進化していて、今のパソコンで動かすことのできるアプリであっても昔のパソコンでは動かせないものはざらにある。

先日、ソフトウエア産業でエンジニアの仕事をしている古くからの友人と話をする機会があったのだが、彼の話によるとコンピュータープログラムは常にアップデートを繰り返しているため、自分たち自身も常に最新の知識をアップデートしていかないと数年前に通用したスキルや知識が今では通用しないなんていうことがザラにあるそうだ。

パソコンと比べると、大学受験で使う数学の知識は10年前・20年前と比べてほとんど変わっていない。

新課程になるたびに一部の新しい分野が学習指導要領に入ってくるとともに一部の分野がなくなることで入試の傾向が変化するが、高校生が学ぶ数学の内容自体は数十年前と比べて何も変わっていない。

「思考力」「主体性」「対話的な学び」というキーワードを意識した内容の共通テスト対策に使う授業時間の割合が増えたり、生徒同士が教えあうなどのグループ学習がとりいれられているようになって、高校の授業スタイルは昔と比べるとだいぶ変わりつつあるようだ。

しかし、塾に来る生徒さんの話を聞いていると、

「教えあいを重視したグループ学習」といっても実際のところは〈先生が課題を1つ与えて、クラスの中の1割から2割ぐらいいる一部の数学が得意な生徒が話す意見を、残りの8~9割の生徒が聞いているだけ〉なんてことも珍しくない。

互いに教えあうスタイルのグループ学習は、グループメンバーの学習到達段階や扱うテーマなどの環境を十分に整えてからでないと中々効果を出すのは難しいと思う。(グループ学習をした方が良い面もたくさんあるが、正解か不正解かについて考えたり対話したりするための最低限のスキルが身に付いている事が前提なので)

今年度、私の塾に通っている生徒さんの話を聞いていると、「自分は歯学部受験に最適化した授業が受けたいのに、高校の方針が国立大学受験重視という理由で、通っている高校も地元の塾も共通テスト対策や国立2次対策ばかりの授業を組む」

とか、そもそも自分の志望校群が私立大学なのに〈国立大学でしか出題されない証明問題などばかりが高校の授業の中心になる〉、というケースがあった。

また、〈地元の塾には大学生講師しかいないため、年齢の近い講師と過ごす時間は楽しいが、授業の時間がほとんど馴れ合いの雑談に終始してしまい、長く通っているのに成績が上がらない〉というケースなども何件かあった。

全体の中では少数派かもしれないが、こういったケースで悩んでいる歯学部受験生の受け皿になれたら、と思っている。

ところで、最近数学だけでなく英語や小論文などの他科目についてもご相談をいただく機会が増えてきた。

うちの塾は数学メインだができる範囲で信頼できる英語や小論文の講師も紹介する形をとっている。




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