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ネジバ語文法14: 形容詞範疇2


1. 派生形容詞 (分詞)

 ネジバ語は、形容詞のように名詞を修飾する分詞を持つ。分詞は接中辞より動詞から派生され、この接中辞は動詞語根の最初の子音と母音の間に挿入される。能動分詞接中辞 <os> と受動分詞接中辞 <ar> の別がある。<os> は主要部が A か Sa のときに、<ar> は主要部が P か Sp のときに用いられる (1)。

(1)
a.
s<os>in fat
<ACT.PTCP>die person
「殺す人、殺人者」
b.
s<ar>in fat
<PASS.PTCP>die person
「殺される人、死体」 

 近頃 (!?)、これらの分詞形が述語としても機能している。os 分詞形は能格主語を、ar 分詞形は絶対格主語を要求する (2), (3)。すなわち、分詞形は活格不活格の格配列を用いるということである。意味的には、元来形容詞であるため、恒常的な意味を表す。

(2)
Pe-vas-aq=gur p<os>anas
PL-1SG-ERG.HUM=1:NPST <ACT.PTCP>speak
「我々は話す」

(3)
Kibi=sur mi-ke ko-ke po-n n<ar>as
world.ABS=3:NPST water-COM tree-COM fire-ERG.NHUM <PASS.PTCP>create
「世界は水と火と木で創られている」

 分詞が名詞を修飾するさい、時制と人称は標示されない。関係節と分詞による修飾を比較せよ (4)。

(4)
a.
Gat Zipan-e xivo ku~kup.
1:PST Japan-LOC fish.ABS TR~eat
「私は日本で魚を食べた」
b.
Zipan-e ku~kup gat xivo
Japan-LOC TR~eat 1:PST fish
「私が日本で食べた魚」
c.
Zipan-tu k<ar>up xivo
Japan-link <PASS.PTCP>eat fish
「日本の食べられる魚」

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