【ごちそうさま】USG2022 Patrick Vegee Tour最終日の感想
同じセットリストのライブでも同じ演奏はない各公演はそれぞれ一度きり。
感想と見た景色の備忘録がとめどなく溢れてくるけど自分の語彙力ない感想が数十件並んだタイムラインは見たくないので一箇所にまとめるよ。
自分の思い出の記録として書いているので本公演以外の話に脱線もするし主観でしか話さないしだけど、伝わる日本語を書く様にだけ意識した。
初日はこっち(話題重複あり)
6000字超のボリューム。
Simple Simple Anecdote
アルバム音源とは違って「全部嫌になったなんて簡単に言うなよ」のフレーズから。音源でこの前に入る「ハァ〜」は、ない。
その後音源通りの前奏に入る。
アルバム屈指のキラーフレーズで幕開け、改めてトンデモツアーである。
Hatch I need
煙い。緑と青。
スモーク焚きすぎて映像の撮れ高が心配になるレベル。
曲については「ああしかし心許ない」の歌い方を記述できるほど言葉に長けていないので、「よかった…」の3点リーダーに全てを託したい。
よかった…本当に。
自分の心拍を生み出すのがこの曲のドラムだったらいいのにって、思う。
マーメイドスキャンダラス
床に落ちた花みたいなシルエットが白、青、伸縮していて可愛い。模様付き照明の中では1番印象に残っている。
ピンク青水色で解釈一致〜と思っていたのだけど、激しめのところは例のごとく赤だった。ピンクも差してた。
Invisible Sensation
「フッ」の元気がよかった。キレと勢いがあった。
どこかの「ペースアップして」のあたりで田淵さんが拳を突き上げていた。このときムラサキ。
技巧を凝らした照明が美しく記憶に残ったシーンも多くあるが、この曲の前奏後奏の黒地に白でバチバチ、シンプルなカッコイイ図も素晴らしかった。
余計なものはなくてひたすらに演奏がカッコイイライブロックバンドの矜持がこういうところから見えてきたり、しませんか?
フライデイノベルス
レモンイエローが右から差し込んでスタート。
白の四角、丸、花(マーメイドのやつ)などが順番に床に落とされたのがこの曲だった気がする(違ったら教えて欲しい)。
模様がチャカチャカ変わってゲームみたいで楽しく、この転換が速いところもあってよりポップな印象に。
曲の登場人物が若いのもあって軽やかな、でもしっかりロック。
明るさが前面に出てくる曲だよね。
カラクリカルカレ
からの、一気に違う空気になるのが何度見ても癖になる。
舐めるように見まくったこの曲のライブ映像で大好きだった2B回転淵は観測失敗。回ってなかったのかな。
でもやりすぎなくらい跳ねてた。いつもだ。
ところでUNISON SQUARE GARDEN(UNISON SQUARE GARDENの1stアルバム)、偉大すぎませんか?
サイダーロードの箱庭、fun time accident3のサンポサキ、私が知っているのは少ないけれども、どこに出現してもライブ全体に影響を及ぼすくらい強力な鍵として働く気がする。ウン。
この1stアルバムの先陣を切る曲が10年以上の時を経て最新アルバムツアーで輝いているのが本当にすごい。めちゃくちゃカッコいい。
ユニゾンの曲は基本みんなそうだけど、それでも間奏の熱量がすげえって言わずにはいられない。
私感情表現をするのに「住みたい」って言葉を使うことがたまにあるのですが(例えば二条城は住みたい場所)、カラクリカルカレの間奏に住みたいって本気で思った。(全然話が違う)
ギターソロで昂ってる時の姿勢は何パターンかあるけど、くの字に身を折ってるの好きです。そこからギター前に出すやつ。やってたはず。
Nihil Pip Viper
ギラギラ熱帯系のピンク黄色の印象が強かったのだけど、初めとか原色遣いで表情が違うのもあったのが新たな気づき。
初日、「新曲!」コールで高揚するもノリどころが掴みきれない会場に私もいた。
そこから3ヶ月以上が経った。この曲が広く聴かれて、それぞれ好きなところを見つけたお客さんたちでいっぱいの会場はまた違う良さがある。
ちゃんと「全部楽しい!」になれてよかった。
アウトロにキツめのクレッシェンドがかかっていた。既にめちゃくちゃやってるのにまだ上がるんだ(笑)からの次の曲が強い。
Dizzy Trickster
白のシンプル照明が下から上にグインって回る演出でスタート。
田淵さん(多分センターらへんうろうろしてた)を後ろから照らすその光が良すぎた。
Dizzy Tricksterに当てる固有名詞の云々は読んだことがあったけど、この瞬間は3人に重ねたくなったな。
「この高揚感は〜」ハンドマイクで歌うのよかったです映像化お願いします。
摂食ビジランテ
入ってくる情報が少ない分演出について言及すべきことはもう残っていないまである。
真っ暗な中各人を刺す鋭い赤い光と、サビ中のフラッシュ。
一度見たら忘れない光景だ。
私はビジランテ〜夜が揺れているに狂ってパトベジおかわりを決めたのだけど、ここに求めていたのは何だったのだろう。
これまで好きに手を振って楽しんでいた観客が微動だにしなくなるのだ。
金縛りにあったようで呼吸も忘れるくらいの、空間を支配する圧。
他のどこでも得られない体験の虜になってしまっていた。
夜が揺れている
最初のサビ「空に昇る思いだ」のときにステージ後方、貴雄さんの背中あたりから天井まで突き抜けた水色の光(やや放射状に広がるが細さを保っており歌詞と相まって梯子とか天に繋がる道を思わされた)。荘厳な景色に心を奪われる。
「嫌い」という強い言葉で言い切る力強さと、そっと消え入るような語尾に儚げな雰囲気まで宿す曲だ。
一人称の人物の感情の起伏が特大なことがわかる。
2公演観てとにかくドラムがスゴい曲だったのを記憶していた。
いや、記憶していたどころではなく意識せずにはいられなかったのだ。
で、今回はドラムに意識を奪われる前から注目して観てみたのだけど初めからバキバキではなく覚醒したのは1サビ後?だった(肝心のここをちゃんと覚えていない詰めの甘さよ)。
参加した人が口々に言う。こんなに激しい曲だと思っていなかった。この曲の起伏、特に激情を支えているのがドラムだってはっきりわかったんだ。
確か17周年の市民配信ライブ前番組で貴雄さんが「ドラムは元々アコースティックな楽器」なる趣旨の発言をしていたのを覚えている。
エフェクターやアンプを通左ず叩く人の身ひとつで全てを表現するのだ。
打ち方ひとつで曲の静けさ、激しさを支配している。身体一つでダイナミクス(という言葉はafoc佐々木さんが言ってて使ってみたかった)が生み出されるのを目撃した。
(ドラマーの手の本数には諸説あり打つパターンも私にはわからないけど色々あるので打ち方“ひとつ”という言葉は語弊しかなさそうだけど、まあ動作を表す言葉は“打つ“に集約されそうだから見逃して欲しい)
テニス効果が素人目にも分かると言っていた人もたくさんいたけど、私も本当にこのパワーに感服しました。
一度あれに撃ち抜かれてしまったら一生よそにはいけないだろうな。
でもそれだけの存在感を放ちつつもやはりボーカルを打ち消すなんてことはなくて。
「夜が揺れている」の前、正確に活字に起こすのが困難な「ハァ〜〜〜」が引き起こす感動、「ありがとう」からアルバム音源よりほんの少し長く溜めて消え入るように呟いた「バイバイ」の余韻、これらがきちんと効いてくる。
言葉を重ねても重ねても言い切れない絶望に襲われるだけで辛くなってきたけどギター・ベースの奏でるメロディーももちろん良くて。
照明は白水色青が基調で、初め柱のように真っ直ぐ天頂に届いた光も水色から白に変わったりしていて、途中はクルクルしていたよ。揺れていたんだろう。
やっぱりこの曲やばいわ。
夏影テールライト
オレンジの斑点付きライトが床に落ちる感じ、5分後?(違います)
綺麗な景色綺麗なコーラス(このコーラスも佐々木さんのコメント聞いてから聴くとまた面白い)はもちろん素晴らしかったのだけど、本公演では前二曲の衝撃に1番殴られてしまっていて、正直半分くらい意識が飛んでた。
オーケストラを観にいこう
ステージバックがオレンジ一面なんだけど、最初濃いめ途中薄づきのオレンジ、最後の方は黄色と表情を変える。あと夕景じゃなくて寒色の瞬間も。
とにかくスポットライトみたいな差す光、点と線ではなくステージの縦の大きさを生かした面の演出、壮大さがいい。前も言った気がするが何度でも言う。
間奏で指揮してるのが記憶以上にガッツリで驚いた。
同期音が消える瞬間に暗転するのもいい、好き。
技巧を凝らした照明が美しく記憶に残ったシーンも多くあるが、シンプルな色使いで魅せるのも(以下略)
Phantom Joke
赤青、背面に映る幾何学模様が固定演出でオーケストラに次いで背面が活躍していた。
音数が圧倒的に多いのに心地よい疾走感が消えない。
見るたびに「最高のPJ」が更新される、怖い曲だなぁと思う。
ただ、あまりの成長っぷりで4年後くらいには音の隙間が完全になくなって私には認識できなくなっているかもしれないと思うと、少し心配である。
ベーシストが間奏でドラムのところに上っていたのが確かこの曲だが、なぜそんなことが成せるのか何度見てもわからない。
ドラムソロ〜セッション
ドラムがすごい話は夜が揺れているで相当書いて、技術的な話ができないのでこれ以上どうにもならないのですが。
ドラムソロの勢いそのままセッションも貴雄さんがステージの支配者に思われる。
合わせてキメるところで、前二人が真剣そのものの面持ちでドラムを向いていた覚えがあった。(千葉)
東京ではいい意味で肩の力を抜いて合わせている印象に変わった。
ツアーを通して成長する、自分のものにしていくってこういうことなんだろうな。
世界はファンシー
肩の力を抜いているように見えると言って迫力が劣るということは全くなく、勢いよく「1234」でファンシーに駆け込みます。
この日のインビジと比べると低めに置きにくるタイプの「フッ」でスタート。
HAPPYの直後にすぐ歌詞がくるので意外とここの余韻がないことが多い(オンラインライブ、ベジ他公演累計5本くらい見た感想です)けど、今回見事な脱力感だった。最後の最後にサイコーのはっぴーを聞けて感激です。このときボーカルにさしていたのは黄色。
いつかのオンラインライブでは首をコテっと傾げながらhappyしていたけど、今ツアーはそもそも首を傾げたままだった。悪そうで良い。だってそういう曲だもん。
ライブ音源の供給を全人類と共に待っています。
ハイ、このラップで巻かれた人間が好き。
スロウカーヴは打てない(that made me crazy)
東京公演は普通にカッコイイギターソロという印象だったのですが、スロウカーヴ間奏アレンジ全集をお持ちの方がいたら連絡お待ちしています。
先っ生!
天国と地獄
「テンゴクトジゴクッ」でギターヘッドに沿って素早く手をシュッと動かしてたの好きです。
手癖やポーズが比較的しっかりパターン化されている曲。
「お任せ〜」でバンザイする淵
斎さんのワンモアタイムで人差し指を立てるのは、手の甲が我々に見える向き👆に決まっているのがなんかいい。
この曲は流れ始めたら狂うから他に何も言えることはないよ。
シュガー
楽しい。ハイ、次。
101回目のプロローグ
田淵さんは四角、斎藤さんは花(マーメイド)の模様のライトで照らされていたのがこの曲だったような、気がする。
あとは心電図みたいな図が2人の前でくるくるしてるやつ。
細かいことはさておき、夜が揺れているでやってくれたみたいな、縦に大きい会場を貫く照明がここでまた威力を発揮。白いの。
12月の休止期間を挟むものの10/6-1/26の長いツアーで変わった、パワーアップしたところはたくさんあったはずだが、演出として1番はっきりと変わったのがこの曲のアカペラ部分だろう。
「マイクを遠ざけてアカペラ」
と聞いていたものの、知っていても感激は止まない。「マイクを遠ざける」が
「口元から遠ざけたマイクをしっかり握り込んで決して声が通らないようにし、自分の口からでた言葉だけが広い会場全てに響くように」
という意味だなんて思わないじゃないですか。
5階席の後ろから数えた方が早い席にいたけど、斎藤さんの生の声がしっかり届いてきた。
UNISON SQUARE GARDEN、元々私にとって特別な存在だったのに、もっと特別な存在にされちゃったな。
どうせなら年明け公演何回も見たかったと言ってみたけど、やはりこれは一度きりでよかったのかも。円盤見るの怖くなってきた。
crazy birthday
サビ中の田淵さんのパーグーステップ好き。
今日こそはドラムがフード被る瞬間を見届けるぞと意気込んで会場入りしたのに、結局いつの間にかフードマンになってた。悔しい。
楽しいから仕方があるまい。
私の知っている範囲でもお誕生日ライブでこの曲を聴けた方が複数人いて、おめでとうの気持ちです。
オトノバ中間試験
「斎藤に任せといて」
埼玉 え…記録がない…(大汗)
千葉 斎藤さんの足元に正座した田淵さんが合掌
東京 センターにいた田淵さんが斎藤さんの方を向いてバンザイ
春が来てぼくら
この曲のいい歌詞とかアンコール最後に置かれた意味とか、誰かが言っていたのに感服したり納得しなかったりとあるけどそんなことはどうでもいい。
MCではツアー最終日を迎えられた心境が「嬉しい」と「安心」の半々と言っていて「感慨深い」とか「寂しい」ではなかった。これはこれで「当たり前にライブをやり続ける人」でいてよかった。
それでも、涼しい顔でとんでもないフレーズを叩いたり、お客さんを挑発的な目で睨んでみたりとしていた人たちの最後の最後の表情が本当に大切なものを抱いているそれで。
これを見届けられたのは本当に幸せなことだったな。
あとこの曲の最後(もしかしたら本編ラストの勘違い)、お客さんそわついた雰囲気に一瞬なったけど、最後の音が鳴り止むまで待ってから拍手喝采になったのとってもよかった。音が止む前からもうサイコー!の気持ちになるのはよくわかるけど、味わうもの味わいきってからの方がいいよね。最後の最後に極上の天ぷら。
ごちそうさまでした
「言葉にしないと全てを忘れる」を動機にとても読めない長文を綴ってきたがそれも終わり。
昨日公演を完食して、ようやっとフォークとナイフを手放し並べ置いた気分だ。
最後の方の公演の頃には他のライブや舞台の中止が次々に耳に入ってきていた。
それでも、ずっと頭を使って走り続けてきたかっこいい人たちだから、自分たちが感染して最後できませんなんてことは絶対にしないだろうと信頼していた。
とはいえ動き回っている限り完全にリスクを除くことはできないし、ツアーを走らせるにはメンバー3人だけの力では足りない。
その中で無事に20公演を当たり前のようにやってのけた彼らに感謝し、ファンでいることを誇りに思いたい。
バンドにハマって一人で同じライブに何公演も行くなんて一年前には全く想像していなかった自分でいる。
自分が参加したのは20公演のうち3つだったが、自分が行かない日にも誰かが最高の音楽体験をしていることを思うと、本当に幸せな4ヶ月間だった。
私自身学生最後の年ということもあり色々なことがあったが、いつかこの頃を振り返ったらその中でも特に大切で幸せだった記憶の一つにこのツアーがあると思う。
楽しいことのある方に転がっていく自分の移ろいやすさは悪くないし、正しいところに落ち着いた気がする。
これからも生きていたら楽しいことがあるだろうから、元気に生きよーっと🎶
パトベジツアー、ごちそうさまでした!!!
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