待てば海路の日和ありだけれど(1〜7日目)

退屈なこの1週間の記録。

キッカケは先週日曜日だった。

駅伝ファン界隈の方々との撮影会に参加してきた。

他の人の作品を見たり、簡単な講義を受けてまた撮ってみたり。

私の中でカメラは専ら陸上競技の瞬間を残すためのツールになっていたので、毎週大会に行くぞと意気込んでいた3月は予定外にカメラを触る機会がなくなっていた。

久しぶりに楽しいなあ。と思った。

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初日 桜 新宿御苑

たまたまその日か前日くらいに私が知っている場所で桜を撮った素敵な作品を目にしていたので、時間のある翌日そこに行ってみようと決意した。

まずは同じ構図を真似して撮ってみる。電車は数分おきに通過するのだが桜と並んでかわいい黄色い電車は数本に一度しかこない。やっと来たと思って撮ってみても中々タイミングを合わせるのが難しく、試行錯誤してあっという間に時間が経っていた。

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2日目 桜 新井薬師前

歩道橋の上には私の他に2人電車を狙ってカメラを構える人がいた。私は結局電車よりも桜が主役な方がいいなと思ったのだが彼らはどちらだったのだろう。きっと電車なのかなと勝手に思っている。

さて、この週に予定していた遊びの約束は友人の都合で別の週に延期された。観に行くつもりだった大会は、中止。そろそろ大学が始まるはずだったので準備のためバイトも入れていない。この先1週間、何しよう。

折角なのでもう少し写真撮ってみようかな。と思った。

撮ってみたかったもの①陸上②花火これらはもう達成した。③星空は、まだ撮ったことがない。家のカレンダーで月の満ち欠けを確認すると丁度この日は新月。しかもかなりの快晴。久々に気温が落ち込み風がびゅんびゅん吹いていたけれども、この機会を逃す手はないと星の撮影に挑戦することに決定。

夕陽が落ちたマジックアワーが好きなので日の入りに合わせて家を出る。

自転車を漕ぐこと30分。やっと身体が温まってきたところで日の入りを拝むもカメラを構えるのは秒差で間に合わなかった。それでもゆっくりとマジックアワーを楽しみつつ空が暗く空気が冷たくなるのを待つ。

寒い寒い寒い!!!!死ぬ。なんでマフラー置いてきたのだろう?と自分にキレながら、思わずコートのフードを被る。鞄の中にカイロ入れっぱなしじゃなかったかしらと探ってみるも世の中そんなに甘くなかった。

それでもなんとかここまで耐えてきたのでと何枚も試行錯誤しながら撮った。3月下旬にしてかじかんできた手でレリーズ代わりのスマホを握りしめ、周りに誰もいないのをいいことにぴょんぴょん跳ねて少しでも暖をとろうとしながら30秒。この繰り返し。

自分が見えていたよりも星がたくさん映っていたのに満足し、広角レンズではないのでほんの一部分しか映っていないことに不満を抱き。更に当然ながら憧れていた満点の星空ではないのでやはり大したことがないのを残念に思い帰路についた。

この頃にはもう身体の末端が冷え切っているだけでなく内臓から震えるような寒さになっていた。よくこれで風邪を引かなかったものだと思う。

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3日目 唯一わかる星座、オリオン座

ここにきて「とりあえず1週間毎日撮ろう」と決意。また、思い立ったが吉日で新宿へ買い物に。

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ア。

元々撒き餌レンズと呼ばれる安価な単焦点レンズの存在は知っていた。むしろこれを使うためにcanonにしたと言っても過言ではない。しかし、カメラを買って一年間はキットレンズだけで使い方を覚えていこうと思っていたんだけどなぁ。

帰りは定期圏内全部歩くキャンペーンの一環で中途半端な駅で降り、ふらふらしていたら美人と遭遇。

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4日目 猫さん

この辺りは村上春樹の小説『海辺のカフカ』の舞台の一部である中野区。ある事件を機に頭に障害を負うも猫と話すことができるようになった老人ナカタさんが猫たちと会話をする場所だ。もしかしたらもっと素敵な出会いがあるかもしれないのでまた、今度はもう少し線路から離れたところまで歩いてみようと思った。



寒さで死ぬ思いをした以上(大袈裟)、2日連続で星を撮ろうとは思わなかったが明日の夜はバイト、更に土曜以降は天気が崩れると知りこの日に再挑戦することにした。

一回試したのでどれくらいの範囲を撮ることができるのかは分かっていたし、構図も何となくイメージできたので今度は前回とは違うスポットで試す。

あまり離れたところまで出たわけではないのでやはり地上が明るく、星はあまり見えなかったけれども少しだけ要領を掴み進歩があった気がする。

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5日目 桜と星



Instagramで「朝のマジックアワー」の写真が素敵な場所が近所にあったので視察を兼ねて撮影に向かう。多分日の出前には起きられないので残念ながらその作品の景色を見ることはない気がする。

先日ほどではないが風が吹いており、桜もピークから日が経っていたのでかなり散り始めていた。ならば桜吹雪をと思いしばらくカメラを構えながら風が吹くのを待ったりしていたが中々いいタイミングというのは訪れなかった。結局何も考えずに最初に撮ったものが一番いい1日だった。この日は単焦点一本で出かけたがまだその真価を発揮させられていない。

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6日目 桜吹雪(を撮りたかった)



ここ数日の撮影を兼ねた散歩では悲しくなるくらい誰とも接触していないが世が世なので今日は家に引きこもっていた。

久しぶりにお菓子を焼いた。宮下マカロンくんみたいに凝ったものは作れないけれども楽しい。単焦点が生きる写真にはなった。

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7日目 高カロリー食品



カメラを持って1週間。これだけ語ってきたが満足してこれいいでしょう!と言いたくなるような写真はほとんどない。勉強していないので成長したとも思わない。それでもいくつか気づきがある。

1.私はbestではなくbetterな写真を撮っていた

主戦場である競技写真では「こんな写真を撮りたい!」という最低限のゴールがあるので話は別。しかし何度も追いかけた桜では「こんな写真を撮りたい」という具体的なイメージがなかった。もやもやと「こんなかなぁ。」というイメージを持ってまず撮って。どこかしっくりこないところを改善してもう一度シャッターを切る。次はこうかなと再度変えてみてシャッターを切る。この、繰り返し。結局ゴールを置けていないのでさっきより良い写真が撮れて、次にそれ以上のどうしても気になる点が見つけられなければ終わり。会心の1枚には中々たどり着けないがこうしている瞬間は時間が経つのも早く、楽しい。

2.私は動きのあるものが好き

大層軽薄で情緒を解さない意見であるが、花壇の花に向き合ってそれっぽい写真を撮ってみてもあまり楽しくなれなかった。桜がプランターのチューリップよりも魅力的に思えたのは多分、表情を変えるのが速いからだと思う。満開かと思うともう葉桜になって、散っていく様も綺麗。特に桜が散る様は積極的にまた撮りたいなぁと感じた。

マジックアワーがマジックアワーたる理由は美しい色だけでなく刻一刻とその色遣いが変わるからなのだろう。

至極どうでもいいが私にとっては重要な発見だった。

3.迷う前にやれ

気づきというか思ったことなのだけれども、もやもや迷うよりも先に最初の一歩を踏み出すことが大切だなあと。星を撮りたいならまずやってみればいいし、撮りたい構図が思いつかなければますシャッターを切る。一歩目があって初めて「次はこうしよう」と思考が動き始める。

迷って準備してから一歩目を踏み出した方が一歩目からゴールにたどり着くのは早いかもしれない。しかしbestなタイミングだけを待っていたらいつまでも始まらない。決して最高ではなくとも今はbetterなはずだと思ったら一歩目を踏み出していきたい。



今日のところは結論が上手くまとまっていないので非常にフラストレーションを感じるが、終了!!!しっくりくる文章が思いついたら書き直します。

『待てば海路の日和ありだけれど 待ってなんてはいられない』

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