ELEGOO (Arduino) で始めるマイコン入門
この連載では、Arduinoに互換のあるELEGOOのマイコンセットを用いて、マイコン入門をしていきます。対象とする読者は、マイコン初学者です。基礎的な話から始め、プログラミングの解説、素子やセンサーの説明を行い、最後には何か制作物が自力で作れるようになることを目標にしています。
マイコンとは
では、マイコンとは何でしょうか。マイコンとはマイクロコンピュータの略です。マイクロ、と名が付くように、IntelやARMなど、皆さんの身近にあるコンピュータと異なり、小さく、IoT (Internet of Things)や家電、車、と使用用途は多岐にわたります。例えば、冷蔵庫に内蔵されているマイコンは温度の制御を行いますし、最近の車は様々な場所に取り付けられたセンサーからのデータを処理し、運転をサポートしてくれます。この連載を通して、マイコンでこんなこともできるのだ、と皆さんに知っていただき、興味を持ってもらいたいです。
Arduinoとは
Arduinoはマイコンの一種で、オープンソースハードウェアという、設計図が全世界に公開されているマイコンです。マイコンと聞いて思い浮かべることの多い、Raspberry Pi (ラズベリーパイ)と比べて、以下の特徴があります。
1:構造が単純
2:OSが乗っていない
3:拡張性が高い
まず、1つ目の構造が単純、という点について、Arduinoは必要最低限の電子部品しか搭載されていないため、センサーなどパーツを接続する箇所が少なく、一つずつ理解しながら学習を進めていくのに適しています。
2つ目のOS (Operating System)ですが、Raspberry PiにはLinuxというオープンソース(誰でも無料で入手できる)のOSが搭載されていますが、ArduinoはOSが搭載されていません。OSとは、WindowsやMacのように、パソコンが複雑な処理をするのを助けるソフトウェアです。OSがあることで、できることは増えますが、初心者には逆にわかりにくく、プログラミング以外に覚える内容が増えるため、上級者向きでしょう。Arduinoで何ができるか、基礎を学んでからRaspberry Piを使うことで、挫折することなく、Raspberry Piを活かした製作ができるでしょう。
3つ目の拡張性の高さですが、例えばこのSWITCH SCIENSEというサイトで売られている商品のように、Arduinoに拡張パーツを組み合わせることで、Wi-Fiなどの通信機能やスピーカー、赤外線リモコン、液晶ディスプレイ、各種センサなど、多くの機能を持たせることができます。Arduinoを一つ用意してしまえば、つなげるものを変えるだけでいろんなことができる、これがArduinoの魅力の一つです。
では、実際にモノを動かしていきましょう。今回の連載で使用するのは、ELEGOO社が発売しているスターターキットです。
このキットには、ELEGOO社が制作したArduino互換のボードと、多くのセンサー、そしてそれを動かすサンプルコードが付属しており、初学者にはもってこいのキットです。
続く投稿で、このキットの部品を一つずつ使いながら、マイコンプログラミングを学習していきましょう。
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