SP特技賞は楽しいからみんなやろう

SP特技賞に脳を支配された者です。今年はSBLのSP特技賞で自己ベストの217連勝、年間勝率99%超を達成するなど、大きく飛躍した年となりました。しかし悲しいことに、勝てているのはSP特技賞の競技人口が少ないためです。今のSP特技賞は本当に人がいないので、20人のルームではSP特技賞の参加者がいない(不戦勝になる)こともしばしばです。なぜこんなに面白いゲームを誰もやらないのでしょうか!?

この記事では、SP特技賞一筋の筆者によるプレイング理論「ロス最小化理論」を解説しながら、SP特技賞の奥深さ、面白さをお伝えします。SP特技賞は、あらゆる面でボルテージランキングとは対極にある型破りな競技です。スクスタとボルテージランキングを同一視している方にとって、新たな遊び方となれば幸いです。

結論

この記事で布教するSP特技賞はこのようなゲームです。

  • 乱数は厳選しないのでタスキル不要です。乱数は倒すものです。

  • 編成の考慮事項はほぼありません。めちゃくちゃ簡単です。

  • プレイングの難易度が高いです。しかし、音ゲーとは異なるスクスタ独自の難しさです。なので、音ゲー苦手の方でも楽しめます。

  • 決まるとアツい大技があります。プレイングで魅せることができます。

はじめに 記事の想定読者と狙い

この記事はターゲットとする読者を決めて書きました。なぜなら、SP特技賞がスクスタや音ゲーの一般的な遊び方から逸脱しており、共感を得るのが難しいと考えているためです。一方で、競技人口を増やして盛り上げたいとも考えているため、SP特技賞にハマる可能性がある人に刺さる記事を目指しています。具体的には以下の人たちがターゲットです。

  • SP特技賞の愛好家:この記事を参考に成長できるかもしれません。プレイヤーのレベルが上がれば競技の質も上がり人も集まると思っています。

  • スクスタへの熱が冷めた人:この記事は、新しいスクスタの遊び方を提案します。今までつらかった、あるいはつまらなかったボルテージランキングもガチャも衣装集めもストーリー攻略もMV開放もやらなくていいです。それでも夢中になれる奥深さ、面白さがSP特技賞にはあります。SP特技賞を知らないままスクスタをやめてしまうのは勿体無いです。

  • スクスタのライブ操作が退屈と考えている人:SP特技賞では、音ゲーの常識に囚われないスクスタならではの操作性を最大限に活用します。そのプレイングは独特かつ難しいです。プレイングが難しいゲームを求めている人にはハマるかもしれません。

  • スクスタの編成が難しくてつらい人:SP特技賞の編成は簡単です。曲ごとに編成を変える必要もほとんどありません(多少あります)。編成の楽しさは無くなりますが、その分プレイングが楽しいので無問題です。

  • SP特技賞を侮っている人(特技賞・回復賞と同列に考えている人):申し訳ないですが、特技回復のような運ゲーと一緒にしないでいただきたいですね…思い知らせてやるのでぜひ読んでください。

筆者の野望は、ボルテージランキングにいる「ランカー」のようなスタープレイヤーをSP特技賞に誕生させることです。後に解説しますが、SP特技賞はスクスタの中で唯一と言っていい、プレイングで人を魅了できる競技です。SP特技賞の王者として人を魅了するスタープレイヤーが現れば、きっと競技シーンが盛り上がります。そうなることを筆者は望んでいます。

SP特技賞は今が黎明期です。何故なら、SP特技賞の基礎理論が(一応は)完成した、つまり先駆者がレールをひき終わったのが今だからです。この記事で解説する「ロス最小化理論」がレールです。一緒にSP特技賞の戦いのロードを進んでいきましょう!

SP特技賞の理念

ロス最小化理論の解説に入る前に、読者の皆さんと共通認識を構築します。SP特技賞が目指す理念です。今はまだ共感できないと思いますが、記事を読み進めればきっと分かります。

SP特技は回数よりも美しさ

ロス最小化理論は、SP特技賞で勝つこと(=SP回数を増やすこと)を目的に研究しました。しかし、その理論を実現するプレイングに芸術性を見出してからは、SP回数よりもプレイングの質(美しさ)を尊ぶようになりました。

SP回数は所詮、乱数のご機嫌取りの結果でしかありません。SP特技賞の真髄は、乱数のご機嫌取りとは真逆をいく、乱数をねじ伏せる技術にあります。プレイヤーに非協力的な乱数を攻略するプレイングスキルにエキサイトできるのがSP特技賞ならではの特長です。極論を言えば、プレイが美しければSP回数なんてどうでもいいので、SP特技賞は取れなくても構いません。筆者は芸術作品を作るような感覚でSP特技賞をプレイしています。

補足すると、プレイングが良ければSP回数も伸びるため、SP回数はプレイングの評価指標として活用できます(筆者もプレイリザルトとしてSP回数を公開しています)。しかし、運がいいだけでは出せるSP回数に限界があります。プレイングが伴ってこそのSP回数と覚えておいて下さい。

「SP特技賞=SBL」ではない

この記事でいうSP特技賞とは、乱数をねじ伏せるプレイングそのものを指す言葉であり、SBLの一競技として閉じたものではありません。私は常設の曲でも常にSP特技賞の編成を使って乱数との戦いを楽しんでいます。この画像を見て下さい。

SP特技賞の女神

この4800回のプレイのうち少なくとも2500回はSP特技賞編成の手動プレイです。そして、ほとんどがSBL以外でのプレイです。乱数をねじ伏せるプレイングは、SBLに限らずいつでも楽しめるということを覚えておいて下さい。

乱数との一期一会を大切にする

スクスタでは、タスクキルによる乱数の再利用が半ば常識となっていますが、SP特技賞にタスクキルは不要です。プレイの度に変わる乱数を初見で的確に倒していく(乱数をねじ伏せる)ことにSP特技賞の面白さがあるからです。同じ乱数と再戦しても、事前に何が起こるか分かっているので難易度はガタ落ち、まるで興が冷めます。そもそも、SP特技賞を擁するSBLでは乱数の再利用ができません。一度限りの乱数との出会いに感謝して楽しむことこそ肝要です。

SPを多く撃てる乱数がいい乱数とは限りません。プレイヤーの持つ技を引き出し、プレイヤー自身とオーディエンスを熱くする乱数こそ至高なのです。

オートプレイは逃げの手段ではない

SP特技賞をプレイする上で、オートプレイと手動プレイのどちらを選ぶかは重要なテーマです。ここで「手動が無理ならオート」と考えるようでは二流であると覚えて下さい。オートプレイにも格というものがあります。ロス最小化が極まったオートプレイには、手動プレイに出せない美しさが宿ります。オートプレイの方は、妥協なんかではなく、手動プレイ勢が辿り着けない高みを目指しているのだと認識しましょう。逆に手動プレイ勢は、オートプレイ派を馬鹿にすることはできません。どんなに手動プレイが上手かろうと、完璧なオートプレイは難しいと思います。

手動プレイとオートプレイ、それぞれに違った難しさがあり、極めるには異なるスキルが必要です。互いに尊敬し合うこともSP特技賞の理念です。

ロス最小化理論を支える編成

ここからロス最小化理論の説明に入ります。まずは、理論の前提となる編成のコンセプトを説明します。といっても大事なポイントは一つです。

現状のSP特技賞の編成で最も強いのは「切替SP」です。切替SPはSBLのプレイベントから存在する太古の編成ですが、その完成されたコンボ性により最強を維持しています。編成のコンセプトは過去に筆者が書いた解説記事から引用します。

切替SPは、作戦切替を連発することで、SPゲージを高速にチャージする編成です。作戦切替により、SPゲージの高速チャージが実現される仕組みを解説します。フローにまとめてみたのでご覧ください。

【スクスタ】SBL向け超難関編成「切替SP」のすゝめ
作戦切替により発動する効果の全てがSPゲージのチャージに繋がる

とりあえず、切替SP編成で作戦切替をするとSPゲージが貯まるのだと覚えて下さい。詳しく知りたい場合は、引用元記事の「切替SPとは?」をご覧下さい(他の部分は読まなくていいです)。

SPゲージのロスと最小化

切替SP編成では、作戦切替するとSPゲージが貯まるのでした。つまり、作戦切替の回数が多いほどSP特技を多く撃てる可能性が高くなるといえます。
(SP特技賞を擁するSBLでは乱数の解析ができないので、ゲージ獲得量の期待値を高める方針を取ります。なので、作戦切替は限界までやります。)

一方で、SPゲージのチャージを阻害する要因もあります。それは、SPゲージの上限です。SPゲージは上限を超えてチャージされた分が切り捨てられ、損失(ロス)となります。SPゲージがMAXの状態ではノーツを叩いても作戦切替をしてもSPゲージを獲得できません。この現象を「本来獲得できたはずのSPゲージを失った」と考えれば、SPゲージのロスを抑えることによりSP特技を多く撃てる可能性が高くなるといえます。

以上より、SP特技を多く撃つには、作戦切替を限界までやりつつ、SPゲージのロスを最小化することが有効です。そのために必要なプレイングは次のとおりです。ここ超重要です。

  1. 作戦切替ゲージがMAXの状態でノーツ処理しない。すぐに切り替える。

  2. SPゲージがMAXの状態でゲージを貯める行動はしない。すぐにSP特技を撃ってゲージを空にする。

この二大原則に基づいたプレイング技術を体系的にまとめたものがロス最小化理論です。ロス最小化理論では、スクスタのライブで起こり得るシチュエーションを「シーケンス(Sequence)」と「エイシンク(Async)」に大別し、それぞれで可能な限りの作戦切替とロスの最小化を目指します。まずはシーケンスについて説明します。

シーケンス

シーケンスは、譜面全体のノーツの流れを指します。単独ノーツまたは同時押しが連続して降ってくるスクスタの譜面そのものがシーケンスです。シーケンスの中でロスを最小化するには、SPゲージがMAXになった時、次のノーツ処理または作戦切替までにSP特技を撃ってゲージを空にする必要があります。当たり前のことを言っているので、イメージしやすいと思います。

シーケンスの例。SPゲージがMAXのため次のノーツ処理までにSPを撃たないとロスになる。

簡単に思えるかもしれませんが、ノーツ間隔が短かったり、SP特技や作戦切替を複数回行わなければいけない場面でロスを最小化するのは至難の業です。切替とSPはノーツ間で3回必要になることもあります。ノーツ間隔が0.2秒しかない中でも3回行動を正確な順序で決められるでしょうか。高密度地帯でも正しい順序で漏れなく切替SPを決めるのがシーケンスのポイントです。

前提条件:SP特技賞は音ゲーではない

SP特技賞は音ゲーではないという認識をもつことが非常に重要です。SP特技賞で進化するには、音ゲーの常識から外れなければなりません。

音ゲーのコンセプトは、リズムに合わせたアクションです。そのため、同じ譜面を何度プレイしてもノーツを処理するタイミングが変わることはありません。一方SP特技賞では、あろうことかSP特技を撃つタイミングがプレイの度に変わります。何故なら、SPゲージは特技や個性に起因してランダムにチャージされるためです。こうなると、SP特技を撃つタイミングはプレイしながら判断するしかありません。タイミングのランダム化に対するリアルタイムの状況判断こそ、タイミング固定の音ゲーと根本的に異なる点です。音ゲーでは、目に映るものに対して反射的にアクションを起こせますが、SP特技賞では起こすべきアクションを判断するフェーズが必要になります。

ランダムタイミングを前提としたノーツ間思考

SP発動タイミングがランダムであることを前提とすると、ノーツ間でSP特技を撃つまでの過程は次の3ステップに分解できます。

  1. 状況把握:現在のSPゲージ及び作戦切替ゲージの残量を把握する。

  2. 対処検討:状況に応じた適切な対処(ノーツ処理、切替、SPの順序及び回数)を検討する。

  3. 運指:検討した対処を実現する運指を構築し、実行する。

状況把握と対処検討が、SP特技賞ならではのランダムタイミングに対応するための「考える」フェーズです。

以上の3ステップを全ノーツでミスなくやり切れれば、シーケンスは完璧にこなしたことになります。繰り返しますが、全ノーツでやります。ノーツを叩く度に、次のノーツが落ちてくる1秒未満の間に、切り替えるのか、SPを撃つのか、切替SPの両方か、両方ならどちらが先か…といった感じで、ロスを最小化するパターンを高速に考えて実行します。これを曲の終わりまで繰り返すのがシーケンスの捌き方です。

プレイ中の思考の量と速さ、そしてフリータイミングで切替SPを処理しながらリズムに合わせてノーツ処理するマルチタスクが求められる点がシーケンスの難しさです。

「乱数をねじ伏せる」とは

ここで、シーケンスにおけるノーツ間思考の一例をお見せします。あわせて、冒頭に書いた「乱数をねじ伏せる」がどういうことかも説明します。

これでシーケンスを流します

この画像の状況で、ロスを最小化する切替SPを検討しながらノーツを叩いていきます。まず初めのポイントですが、SPを撃てる可能性がある場所を事前に予測します。筆者の編成では、SPゲージをMAXにするまで少なくとも5ノーツはかかかるので、最初の4ノーツは確実にSPを撃てません。なので、最初の4ノーツは何も考えずに流すことができます。ただし、3ノーツ叩くと作戦切替できることは見逃さず、確実に切替は入れます。

最初の4ノーツではSPを撃てないことが確定的であるため、何も考えずに流す
作戦切替は逃さず入れる

さて、4ノーツ叩いた後の行動を考えます。ここからはもうどのノーツでもSPを撃てる可能性があります。しかし、SPゲージはランダムで貯まるので、どのノーツでSPを撃てるか明確には分かりません。

次の4ノーツはどこでも撃てる可能性がある

このような、撃てる可能性があるものの確信がもてない場合は、全てのノーツ間でSPゲージを押します。脳筋ですが、いつ撃てばいいか確定しないのでこうするしかありません。複数ノーツ続けてSPゲージを押すのは意外と難しく、段々とリズムを崩されていきます。ここで、前述の予測が活きてきます。最初の4ノーツのような撃てる可能性がない時にもSPゲージを押し続けると、SPを撃つべき時にリズムを崩されて撃てません。予測により、撃てる可能性ゼロの区間と撃てそうな区間を切り分けできれば、撃てそうな時にのみ安定してSPを入れることができるのです。

ここでは全ノーツでSPを入れにいきつつ、あと4ノーツで切替できることもしっかり見て認識しておきます。

作戦切替の直前

結局、SPを撃てないまま作戦切替の直前まできました。この局面は、シーケンスの中でも経験者が有利に立てるポイントです。SPと切替の発動順序が重要になってくるためです。次のノーツで特技が発動すればゲージがMAXになるため、SPを撃ってから切り替えます。一方、特技が発動しなかった場合はゲージがMAXにならないため、作戦切替により追加でゲージを貯めてMAXにしSPを撃ちます。つまり、次ノーツでは特技の発動有無によってSPと切替の発動順序を変えます。順番を間違えたらロスです。

この局面の捌き方は別の記事で解説しているので引用します。

SP特技を切替よりも前に撃つか後で撃つか悩むなら、両方で撃ちにいけばいいのです。元も子もないですが、これがベストプラクティスだと思います。

【スクスタ】あなたの想像を超えるSP特技賞の世界
④でやります

ノーツを叩いた後のゲージ量によって、SPを撃つか作戦切替するか行動が分岐しますが、切替の前後にSPゲージを1回ずつ押せば両方のパターンに対処できます。またもや脳筋な解決策ですが、ノーツ間にほとんど時間がない中でSPと切替の順序を考えている余裕はありません。SP→切替→SPと押してしまうのが結局一番いいです。

まだゲージMAXにならない!?

セオリーどおりSP2回と切替を入れました。しかし、まだSPを撃てません!引き続き次の同時押しも捌きますが、ここは次の章で説明する「エイシンク」の技が入りそうなので使います。同時押しの間にSPを撃つ技です。技自体の説明は次章に譲りますが、ここでのポイントは、同時押しの数ノーツ前から、同時押しの存在とエイシンクが入る可能性を認識していたことです。これもシーケンスにおける予測です。目の前のノーツとSPゲージを叩きながら、常に数ノーツ先の同時押しと作戦切替をケアしておきます 。これにより、ノーツ間が短くても、ロスを最小化するプレイを瞬時に繰り出すことができます。

同時押しの片方のみ叩いて間にSPを入れる(エイシンク)。結局、同時押しの間にSPゲージがMAXにならず。
最終的に同時押し終了時点でゲージがMAXに。しかしかなり崩されてコンボを切ってしまった。

以上がシーケンスの一例でした。この例で大事なことは、SPを撃てる可能性がある場面の全てでSPゲージを押していることです。つまり、乱数列の内容に関係なく、必ずロスを最小化できます。これが「乱数をねじ伏せる」ということです。乱数は、プレイの度にSPゲージの増加量を変化させプレイヤーを揺さぶってきます。この乱数による「攻撃」を全パターン予測し全て潰すのがシーケンスのプレイングです。

実際のプレイ動画です。解説の内容を踏まえて見ると、ノーツが速く感じられませんか?単にノーツを連打しているだけでなく、切替SPを張り巡らせ、どんなタイミングでゲージMAXになろうがロスなしでSPを撃てるように乱数を殺しています。濃密なノーツ間思考からフリータイミングで繰り出す切替SPをノーツ処理と並列実行することにより、スクスタの2レーンでスカスカな譜面も捌くのが一気に難しくなります。

ちなみに筆者は同じことを上級+でもやれます。

判定はNICEまで広げる

ところで、先ほどの例ではNICEを出してコンボを切っています。音ゲーではコンボを切るのは明らかなミスですが、SP特技賞ではNICEでコンボを切っても全く問題ありません。WONDERFUL、GREAT、NICEは全てSPゲージ獲得量が同じであるためです。コンボや精度よりもロスを最小化することがSP特技賞では重要と覚えておきましょう。しかし、NICEより下のBADやMISSではSPゲージがマイナスされるペナルティがあるため注意が必要です。許容できるのはNICEまでです。

NICEまで許容されることはロス最小化に活用できます。高密度地帯でノーツ間にSP2発と切替1発を入れるのは至難の業です。こういう時に、次のノーツ処理をGREATやNICE判定まで待つことにより、擬似的にノーツ間隔を拡張し、切替SPの入力猶予を稼ぐことができます。

この動画では、次のノーツをGREATで着地することにより、コンボを切らずにSP2回、切替1回を入れる猶予を稼いでいます。筆者はロス最小化と精度の両立を目指しているので、GREATで着地できるように日々練習しています。

オートプレイは難しい

NICEを使って切替SPの入力猶予を拡張する技を紹介しましたが、オートプレイではこの技は使えないことに気がついたでしょうか。オートプレイではノーツ処理をCPUに任せるので、切替SPに合わせてノーツ処理タイミングを制御できないのです。

他にも、ノーツ処理タイミングを制御できないことにより、オートプレイが手動プレイより難しくなるポイントがあります。それは、切替SPの始動です。手動プレイでは、ノーツ処理するタイミングを自分で決められるため、ノーツ処理した瞬間から切替SPに移行できます。一方オートプレイでは、ノーツ処理をCPUが実行するため、ノーツ処理の正確なタイミングが掴めず、切替SPの始動が遅れがちになります。

まとめると、手動プレイでは、ノーツ処理の瞬間に切替SPを始動でき、次ノーツの処理を遅らせればさらに切替SPの入力猶予を拡張できます。対してオートプレイでは、手動プレイよりも切替SPの始動が遅く、次ノーツの処理が早いため、より高速な切替SPの入力が求められます。オートプレイを極めるには、切替SPの入力を超高速化する必要があるということです。だからこそ、極まったオートプレイは手動プレイにない輝きを放つのです。

エイシンク

シーケンスと対極にあるSP特技賞の技術がエイシンクです。シーケンスは一曲を通したノーツの流れを見ますが、エイシンクは一瞬の大技勝負です。無理矢理例えると、シーケンスとエイシンクは、フィギュアスケートにおけるステップとジャンプのような関係にあります。

エイシンクで扱う場面は同時押しです。

エイシンクで扱う同時押し

この場面、次は同時押しですが、SPゲージはあと1ノーツでMAXなので、このまま同時押しを叩くと1ノーツ分のロスになります。そこで、同時押しを非同時化します。音ゲー業界で使われる逆餡蜜という技です。

アクションタイミングが同じオブジェを微妙にタイミングをずらして処理することは逆餡蜜(逆あんみつ)と呼ばれる。主に片手プレイのテクニックとして使用される。
https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%81%82%E3%82%93%E3%81%BF%E3%81%A4

あんみつとは (アンミツとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
逆餡蜜

同時押しの左側のみ処理しているのが分かるでしょうか。ここで同時押しの右側を処理するまでにSPを撃てればロスを最小化したことになります。

同時押しの間でSPを撃つ
着地

見事成功しました。ところでこのシーン、同時押しの間に入るのがSPだけではないと気づいたでしょうか。実は作戦切替も実行可能だったため、同時押しの間に切り替えないとロスになります。よって、同時押しを逆餡蜜し、ノーツ間にSP特技と作戦切替を両方入れています。成功後の画像を見ると、作戦切替ゲージが1つ溜まっているのが分かります。同時押しの間に作戦切替が入った証拠です。このように、同時押しを逆餡蜜してノーツ間に隙間を作り、作戦切替とSP特技を差し込むのがエイシンクです。

エイシンクは、同時押しの間に入れるアクションの種類と数、そして逆餡蜜するノーツの種類によって合計20種類に分類できます。なお、分類と技名は筆者が勝手に考案したもので、一般的なものではありません。

エイシンクの技(◯✖︎は筆者の精度)

基本となるシングルアクション:A2S・A2SP

エイシンクの最も基本的な技がA2S(Asynchronous Appeal for Switch)とA2SP(Asynchronous Appeal for SP skill)です。A2は非同時アピール(逆餡蜜)を指し、SとSPは切替とSPをそれぞれ指します。A2Sは同時押しの間に作戦切替を入れる技、A2SPは同時押しの間にSP特技を入れる技です。さらに同時押しの種類によって、N(ノーマル、通常ノーツ)、F(フリック)、L(ロング、長押しの終端)の3種類に分類されます。例えばフリックノーツのA2Sであれば、フリックA2SとかA2S-Fと表記します。

A2Sの紹介動画です。ノーマル、フリック、ロングの3種類を動画にしているのでぜひご覧下さい。A2SPも同じように同時押しの間にSPを入れます。

シングルを複合したダブルアクション:A2SSP

A2SとA2SPの複合技といえるのがA2SSP(Asynchronous Appeal for Switch and SP skill)です。逆餡蜜した同時押しの間に切替とSPを両方入れます。この技は、状況判断、運指ともにA2SとA2SPをほぼ流用できるのが特徴です。同時押しの間に切替が入るならA2S、SPが入るならA2SP、両方入るならA2SSPといった感覚で決めることができます。

シングルにないA2SSP特有の難しさは、切替とSPの順序です。同時押しの間に切替とSPを両方入れますが、切替を先に入れるか、SPを先に入れるかの選択によりロスが変動します。

A2SSP-N SP先入れパターン

この画像の状況では、あと1ノーツでSPゲージがMAXになることが明らかなので、同時押しの間にSP→切替の順で入れます。切替を先に入れてしまうと、SPゲージがMAXの状態で切替が入ってしまいロスになります。

A2SSP-L 切替先入れパターン

この画像の状況は、右側が長押しの終点になっている同時押しです。同時押しの片方だけではSPゲージがMAXにならなさそうなので、切替を先に入れてSPゲージをMAXにします。

逆餡蜜。ノーツ処理だけではSPがMAXにならない。
同時押しの間の作戦切替によりゲージをMAXにしそのままSPを撃つ

上の2ケースの動画バージョンです。A2SSP-N(SP先入れ)→A2SSP-L(切替先入れ)の順に決めています。A2SSPで切替とSPのどちらを先に入れるかは、シーケンスでやる予測により決めておくと確実です。

独自の難しさをもつダブルアクション:A2DSP

A2DSP(Asynchronous Appeal for Double SP skills)は、同時押しの間に2発のSP特技を撃つ技です。使う場面はほぼアピールチャンスに限られます。

A2DSP-L

この画像はA2DSPの例です。あと1ノーツでSPゲージがMAXになりますが、次が同時押しなのでエイシンクです。さらに、ACクリア条件がSP特技であるため、同時押しの間でSPを撃ってもACクリアによりブレスレット効果が発動し、再びSPゲージがMAXになります。よって、同時押しの間に2発のSP特技を撃たないとロスになります。

着地

同時押し直後です。ACクリアしつつSPゲージが貯まっているので、同時押しの間にSPを2連射し、ブレスレットでMAXになった分のSPゲージも消費しきれたことが分かります。

この技の難しさは2点あります。一点目はA2SPとの選択です。A2DSPが決まる場面では必ずA2SPも決めることができます。ここでA2SPを選択してしまうと、ブレスレットでMAXになるSPゲージを消費しきれずに同時押しを処理することになるのでロスになります。A2SPに慣れるほど、A2DSPを出すべき場面で誤ってA2SPを出してしまいがちです。状況を見極めて、A2SPではなくA2DSPを選択するのは結構難しく、A2DSPならではの難しさと言えます。

二点目の難しさは運指です。今までの技と根本的に違います。A2S、A2SP、A2SSPはSPを1発しか打たないので、SPゲージを押す指は1本で十分でした。しかし、A2DSPでは同時押しの間に2発のSPを高速連射する必要があり、1本指で間に合わせるには指の力が必要となります。筆者は1本指のSP連打でA2DSPを決めるのが無理だったので、2本の指で連続シングルタップすることにより高速SP連射を実現しています。しかし、筆者のフォームは使う機会が多いA2S、A2SP、A2SSPをすぐに繰り出せる形にしているため、運指が異なるA2DSPは繰り出すまでに少し時間がかかるのです。

A2SPとの選択判断と運指の違いにより、A2DSPは繰り出すまでに時間がかかる傾向があり、他の技と比べて決めるのが難しいです。

A2DSPロングの動画です。SPの連射速度は問題ないですが、逆餡蜜を入れるタイミングが遅すぎてコンボを切ってしまいました。難しいです。

最高難度のトリプルアクション:A2SDSP

いよいよトリプルアクションです。A2SDSP(Asynchronous Appeal for Switch and Double SP skills)は、同時押しの間に2発のSP特技と1回の作戦切替を入れる技です。使う場面はA2DSPと同じで、作戦切替も入る場合はA2SDSPとなります。

A2SDSP。同時押しの間に2発のSPと1回の作戦切替が可能。

この画像はA2SDSPの例です。あと1ノーツでSPゲージがMAXになる状況ですが、次が同時押しです。さらに、同時押しの間でSPを撃つとアピールチャンスがクリアとなるので、ブレスレットの効果により再びSPゲージがMAXになります。つまり、もう一発のSPを同時押しの間に入れないとロスになります。ここまではA2DSPと同じです。しかし、作戦切替ゲージを見るとあと1ノーツで切替可能となるので、同時押しの間に2回のSPだけでなく切替も入れないとロスになることが分かります。

逆餡蜜でSPゲージがMAXに。まだSPはクリアしていない。
SPでACクリア、ブレスレットでゲージMAXになるのでさらにもう一発SP
青作戦に切替
着地

A2SDSPは、逆餡蜜で作り出した隙間に3回も行動する時点で、今までの技とは難しさが段違いです。さらに、今までの技がもつ難しさの全てを兼ね備えており、文句なしの最高難易度を誇ります。まず、A2DSPの難関だった他の技との選択と独特な運指がA2SDSPにも求められます。そして、A2SSPのポイントであった「切替が先か、SPが先か」問題も考えて繰り出す必要があります。

この動画は10回くらいリテイクして撮ったコンボを切らないA2SDSPです。タスキルなしの実戦だと、A2SDSPはかろうじて決まりますが、コンボは切ってしまいますね…

悪魔的難易度!同方向同時フリックA2S・A2SP

同時押しにはノーマル、フリック、ロングの3種類があると説明しましたが、あえて触れなかったものがもう1種類あります。それが同方向同時フリックです。同方向同時フリックは、他の3種類のノーツと違い、逆餡蜜が困難であるという特徴をもちます。従って、同方向同時フリックのエイシンクはとてつもなく難易度が高いです。通常ノーツではトリプルアクションまで決まる筆者でも、同方向同時フリックではシングルアクションすら狙って出せません。ダブル以上は絶対に無理です。

同方向同時フリックの逆餡蜜が難しいのは、スクスタでは一度のフリックで同時押しの両方が判定されるためです。しかし、フリックをもの凄く短く入力すれば逆餡蜜になるという抜け道があります。

この仕様を活用し、超短フリックにより同方向同時フリックを逆餡蜜し、ノーツ間に切替やSPを入れるのが同方向同時フリックA2S、A2SPです。

この「超短フリック」は絶妙な加減で入れないと決まりません。シーケンスをこなしながら超短フリックを入れるのは、人間には難しい技と思っています。

ここまで同方向同時フリックを「無理」と言ってきた筆者ですが、実は上の方で、同方向同時フリックのシングルは(五分以下だが)決まるとしています。実はこれ、裏技を使って決めています。

逆餡蜜を省略する裏技

同方向同時フリックの逆餡蜜は超短フリックが正攻法ですが、邪道な裏技があります。この技を使うと、逆餡蜜をしなくても、同時押しの間に切替かSPを1回だけ入れたことにできます。

やり方はシンプルで、同時押しと切替またはSPを同時に入力すればOKです。

この裏技の動画です。あと1ノーツでSPが打てる場面の同方向同時フリックで、フリックのあとにSPゲージが貯まっているのを確認できます。A2SPが決まった証拠です。しかし、逆餡蜜せずに一回のフリックで同方向同時フリックを捌いています。

同方向同時フリックの逆餡蜜を回避してシングル技が決まるので、この裏技のメリットは大きいです。しかし、注意点が二つあります。まず、この技は難しいです。切替またはSPと同時押しを完全に同じタイミングで入れないと失敗します。1フレームのずれも許されません。しかも同方向同時フリックの場合はフリックが曲者で、タップで入力する切替・SPとフリックを同時に入れるにはコツが必要です。

もう一つの注意点は、この裏技がA2S・A2SPの完全互換ではないということです。この裏技は、同時押しの間にSPまたは切替を「入れたことにできる」だけで、実際に同時押しの間にSPまたは切替が発生するわけではありません。切替・SPは同時押しの後に発生します。しかし、その効果だけが同時押しの間まで遡って適用されるのです。これは明確な欠点で、様々な状況でA2S・A2SPの下位互換と捉えることができます。例えば、アピールチャンスの最後が同方向同時フリックで、フリックを逆餡蜜して間にSPを撃てればアピールチャンスをクリアできるとします。このとき裏技を使うと、SPの発動はアピールチャンス終了後となるので、アピールチャンス失敗となってしまいます。

筆者はこの裏技を多用していますが、デメリットは把握しており、本当に逆餡蜜すべき場面は超短フリックをトライします。

オートプレイでエイシンクは不可能?

同時押しを逆餡蜜できないオートプレイでは、正攻法のエイシンクはできません。しかし、逆餡蜜を省略する裏技がありましたね。これを使えば、オートプレイでもシングルアクションまでは決められます。しかし、同時押しと切替・SPを1フレームのズレもなく同じタイミングで入れる必要があります。オートプレイはノーツ処理のタイミングを自分でコントロールできないので、ノーツ処理と切替・SPを同時に入れるのはほぼ無理と言っていいでしょう。

シーケンスとエイシンクの融合

シーケンスとエイシンクは互いに独立したものではありません。乱数をねじ伏せるシーケンスでは、常に数ノーツ先の同時押しと作戦切替をケアする「予測」が重要な技術でした。予測により、同時押しのタイミングを事前に察知することにより、エイシンクをスムーズに繰り出すことができます。

長押しの次の同時押しにA2Sが入る

この画像の状況を考えます。長押しの後にすぐ同時押しが入りますが、作戦切替ゲージを見ると同時押しの間に作戦切替が入る(A2S)と予測できます。

長押し終了時

長押し終了時です。次の同時押しまで時間がありませんが、事前に予測できているので、余裕をもってA2Sを入れることができます。

A2S着地

同時押し終了時です。作戦切替ゲージが1貯まっており、A2Sに成功したことが分かります。

動画版です。筆者は常に3ノーツ先まで予測してプレイしています(これが限界)。

SBLを至高の舞台に変えるSpノーツ

SP特技賞は常設楽曲でも楽しめますが、それでもやはりSBLが特別なのは、Spノーツの存在によるところが大きいです。Spノーツは1タップでSPゲージをMAXにするとんでもない効果をもっています。よって、SPゲージがMAXの状態でSpノーツを叩いてしまうと、SP特技1発分の致命的なロスになります。常設曲とは緊張感も捌いた時の快感もレベルが違います。

これはSpノーツを含む同時押しでA2DSPを決めた動画です。A2DSPとSpノーツで合わせてSP特技3連射です。めちゃくちゃ気持ちよかったです…

この気持ちよさを共有したくて、筆者はセンター3人をSpタイプにしてSpノーツを飛ばしまくっています。自らのテクニックを結集して限界を超えた回数のSPを撃つこの快感、ぜひ味わって下さい!

手動プレイ技術集

ここからは、筆者が身につけたロス最小化のための手動プレイ技術を共有します。

画面全体に判定があることを認識する

スクスタでは画面全体が判定領域です。つまり、左右の違いがありません。左側に降ってくるノーツを画面の右側をタップしても処理できます。同時フリックが→←であっても、←→のような運指で処理できます。ノーツ配置の左右に囚われないプレイは必須スキルです。これにより運指の自由度が高まるので、エイシンクのトリプルのような大技を決めることができます。

ノーツ処理は基本的に片手でやる

ノーツ処理は片手でやり、もう片方の手をSP特技用に確保しておきます。これにより、シーケンスでSPゲージを押しやすくなります。同時押しは、両手を使わずに同じ手の2本指でやるのがおすすめです。筆者は人差し指と中指で同時押ししています。また、同時フリックは人差し指を2方向に素早く動かして捌きます(同方向の場合はフリック1回でOKです)。ただ、片手の同時フリックはWONDERFULを取るのが難しいので、明らかにSPを撃てない場面では両手で捌きます。

片手の役割は2つ(指2本)までにする

ノーツ処理、SP、左切替、右切替をそれぞれ役割と定義し、左右の手の指に割り当てます。このとき、片手に役割が偏っていると入力が遅くなり、コンボを切ったりエーシンクに失敗したりします。片手でもてる役割は2つまでを前提として、左右の手に均等に配分すれば、運指が安定してリズムを崩されにくくなります。

左右の手の役割は固定しない

切替SP編成では2作戦を切り替えて回すので、作戦切替ゲージは右側と左側の両方を使います。つまり、作戦切替する手は流動的に変化します。こういう背景があるので、ノーツ処理とSPに使う手も同様に左右を流動的に入れ替えていかないと、切替が上手く決まらなくなります。

ちなみに筆者は、右手がノーツ処理+切替、左手がSP特技+切替という分担を基本にしていますが、右手で切り替える時には左手でノーツ処理することがあります。

サイドチェンジ

スクスタの仕様を活用した小技です。左右の手の役割を変更できるようになると、長押し中の指を入れ替えたくなります。これを実現するのがサイドチェンジです。やり方は簡単です。長押ししている最中に、別の指で画面を押さえ、その後元々長押ししていた指を離せば長押しの指を変更できます。

ノーツ処理と作戦切替を同じ手でできるようにする

ノーツ処理・SPと作戦切替はそれぞれ違う手でやると安定します。しかし、状況によってはノーツ処理・SPしながら同じ手で作戦切替もやることがあります。

シーケンスの説明に使ったプレイ動画ですが、まさにこのプレイが右手でノーツ処理しながら作戦切替、左手でSPゲージを押しながら作戦切替といった運指で捌いています。切替は薬指を、ノーツ処理・SPは人差し指をそれぞれ使っています。高速連打地帯では、ノーツ処理する手を入れ替える時間がないので、切替ゲージが右にあっても右手でノーツ処理を続けることが多いです。

長押しを通常タップに変換する

サイドチェンジと似た小技です。長押しが始まる前から画面を指で押さえておくと、長押しの始点を通常タップするだけで長押しになります。運指のコストが減るので良く使っています。

通常の同時押しをエイシンクに変化させる

エイシンクは予測が当たれば決まりやすいですが、常に漏れなく予測ができるとは限りません。予測していない場面のエイシンクを逃してロスになることがあります。筆者は、このような時に瞬時にエイシンクを出せるように、通常の同時押しの運指をエイシンクに変更できるようにしています。例えば、筆者は同じ手の人差し指と中指で同時押ししますが、人差し指と中指に高低差を出すと瞬時に逆餡蜜に変更できます。

ノーツは勘で叩く

シーケンスで説明したとおり、常に数ノーツ先の同時押しと作戦切替を見逃さずにプレイすることが大事です。さらに、A2DSP、A2SDSPのように、ACクリアが発動条件になる技があるので、ACクリア状況も見る必要があります。SBLではSpノーツを含めて予測を展開するので、ギミックノーツにも着目します。こうなると画面の視点移動が半端ないので、ノーツを目押しする余裕がありません。筆者は、ノーツは半分勘で叩いています。ノーツから目を切ってもコンボを切らずに叩けるとSP特技賞では強いです。

ノーツは脇役であると認識する

既に述べたように、NICEまで判定を広げて切替SPの入力猶予を拡張するのは有用なテクニックです。このように、ロスを最小限に抑えるためにノーツ処理のタイミングを制御するといった感覚でプレイするので、SP特技賞のメイン操作は切替SPであり、ノーツではありません。この意識をもてると、音ゲーの世界から脱して進化することができます。

SP特技賞のつらいところ

最後にSP特技賞の欠点を指摘して終わろうと思います。

タブレット推奨

SP特技賞の運指は、画面が広いタブレットが明らかに有利です。スクフェスには親指プレイの偉人がいるので、もしかしたらSP特技賞もスマホの狭い画面でできるのかもしれませんが、筆者は無理です。

上達までに時間がかかる

テクニック重視のゲーム全般に言えることですが、練習が必要です。しかも、SP特技賞のプレイングは他のゲームで身につけたスキルを転用しづらいので、誰しもが初心者からのスタートとなります。筆者は、手動プレイでそれなりに乱数と戦えるようになるまで2ヶ月かかりました。

これが2ヶ月目の動画です。当時、エイシンクはA2Sしかできず成功率も低かったので、A2SのNFLを全部決めたこの動画が撮れた時はめちゃくちゃ嬉しかったです。

「手動プレイは難しくてできない」という方がいますが、それは練習した結果なのでしょうか。ピアノはいきなり弾けないですよね。SP特技賞も同じです。最初は脳内CPU使用率がすぐに100%になって何もできないと思います。段々とマルチスレッドで捌けるようになるので練習しましょう。繰り返しますが、筆者は2ヶ月かかりました。

常設曲ではスタミナが切れて死ぬ

SP特技賞編成はSpタイプが軸なのでスタミナが低めです。回復も積めないので、多くの曲はスタミナ切れで死にます。筆者の編成は全員5凸ですが、上級でも推奨ライブパワーが12000を超えてくると普通に死にます。上級+は青ジャンしか遊べません。スクスタはそういうゲームなので仕方ないですが、つらいポイントです。

今後あるかは分かりませんが、期間限定曲は推奨スタミナが低めかつ譜面がそれなりに面白いので楽しいです。また、SBLはスタミナが切れてもプレイ続行できるので最高です。

育成からは逃げられない

SP回数を求めるとどうしても、凸を進めたり特定のスクールアイドルを手に入れたりする必要があります。ただ、筆者は編成の強化は必須ではないと考えています。筆者は最初期に、無凸の部員やヨハネパワーですらないスクールアイドルを入れた状態でも夢中で切替SPを楽しんでいました。自分がもっているスクールアイドルで出せる限界を目指してプレイを磨いていけば、十分に楽しめることを経験しています。ただ、編成のSPチャージ力が高いほどプレイングも難しく楽しくなっていくので、編成の強化は重要です。

ロスの評価指標がない

かなり致命的なんですが、ロスを最小化できたかがリザルトからは分かりません。現実的には、作戦切替回数とSP回数を代替の指標として使っていくことになります。切替回数は、編成がSp染めかSk染めであればロスなしの回数(理論値)を計算できます。しかし、SpとSkが混在している場合は理論値が分かりません。SP回数も運が絡むので指標としては少し微妙です。

ちなみに筆者は、プレイ動画を見返してロスを評価しています。苦手な技やノリがよかったプレイはYouTubeに上げて、Notionというツールでデータベースにまとめています。結構労力がかかるので割とサボっていますが、モチベにはなります。

Notionのプレイ動画データベース

おわりに

前述のとおり、SP特技賞はスクスタというプラットフォームで遊ぶには少し無理があります。なので、今のスクスタを楽しんでいる方は想定読者から外しました。しかし、そうでない方にとっては、ボルテージランキングの真逆をいく遊びとしてハマる可能性があります。夢中になれる面白さは十分にもっているはずです。でなければ、こんなに長い記事は書けません。SP特技賞は奥深く、打ち込むだけのゲーム性があるということを伝えたくてこの記事を書きました。一緒にやりませんか!よろしくお願いします!!


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