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「ぼっち・ざ・ろっく」からアジカンを知った人へ送るアジカン紹介

これを読んでくれている方はおそらくアニメ「ぼっち・ざ・ろっく」からアジカンに興味を持った方、またはアジカンのファンの方かと思います。
「ぼっち・ざ・ろっく」(以下:ぼざろ)面白いですよね。私も原作コミック、アニメともにおおいに楽しませてもらっています。虹夏ちゃんマジ下北沢の大天使…

さて、アニメのぼざろと言えば楽曲やギャグ、映像などなど多くの話題の要素があるのですが、その中でも各話の
「サブタイトル」
これにアジカンの楽曲が使用されていることが話題です。
この記事では、そのアジカンについてぼざろを通して最近知った、あるいはこれから曲を聴いてみたいという方に向けて、私見も混じりつつ楽曲をアルバムをメインに紹介していきます。
既に知っているという方は後方腕組みマンの気持ちで見ていってください。


ASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンド


アジカン、正式名称「ASIAN KUNG-FU GENERATION」
2003年にメジャーデビューした4人組ロックバンドで、'00~'10年代前半に邦ロックを聴いていた人は誰もが知っているバンドです。私も漏れなくアジカンとともに青春時代を過ごした身です。
BUMP OF CHICKEN、ELLEGARDEN、ストレイテナーなどと同じ時期に人気を博し、現代のバンドマンたちに大きな影響を与えています。

メンバーは、
ボーカル/ギター: 後藤正文
ギター: 喜多建介
ベース: 山田貴洋
ドラム: 伊地知潔

見ればわかる通り、ぼざろの結束バンドのメンバーの苗字はアジカンからきていることが予想できます。ボーカルが異なる以外は担当楽器まで一緒。
完全にぼざろの作者はアジカンファンですね。ありがとうございます。

アニメタイアップも数多くしており、
遥か彼方 [ナルト]
リライト [鋼の錬金術師]
アフターダーク [BLEACH]
迷子犬と雨のビート [四畳半神話大系]
Re:Re:(2016) [僕だけがいない街]
などなど、どこかで耳にしたことがある楽曲もあるかと思います。
アフターダークはぼざろのサブタイトルにも使用されたため、これで気づいた方も多いかと思います。

そんなアジカンは2022年現在、最新アルバム「プラネットフォークス」までに10作品のフルアルバムを発売しており、他にもミニアルバム、ベストアルバム等が存在します。

ぼっち・ざ・ろっくのサブタイトル楽曲


いきなりアジカンの楽曲を紹介しても、多すぎてどれを聴けばいいかわからないかと思うので、まずはぼざろのサブタイとなったアジカンの楽曲を聴いてみるのがいいでしょう。

*[サブタイトル] → 元ネタ曲
1話:   転がるぼっち → 転がる岩、君に朝が降る
2話:   また明日 → それでは、また明日
3話:   馳せサンズ → 長谷サンズ
4話:   ジャンピングガール(ズ) → ダンシングガール
5話:   飛べない魚 → 飛べない魚
6話:   八景 → 八景
7話:   君の家まで → 君の街まで
8話:   ぼっち・ざ・ろっく → *曲なし
9話:   江ノ島エスカー → 江ノ島エスカー
10話: アフターダーク → アフターダーク
11話: 十二進法の夕景 → 十二進法の夕景
12話: 君に朝が降る → 転がる岩、君に朝が降る

8話を除く全話に元となった楽曲が存在します。
特に1話と12(最終)話は2つで1つの楽曲になっていて、正直アニメスタッフのセンスに尊敬の念を抱くばかりです。
毎週私は次のサブタイトル楽曲予想をして楽しんでいました。ことごとく外れました。

サブタイトル以外にも、3話に謎のシンクロナイズドスイミング選手とザリガニと髭の男性が登場するシーンがあるのですが、これも 君の街まで のPVが元ネタになっています。

今見ても謎PV過ぎる… 困惑するゴッチのシーンすき

11話放送の時点の記事なので、最終話に追加でネタがあるかも…あったら嬉しいです。


ベストアルバムを聴いてみよう


新しいアーティストに出会ったとき、最も手に取りやすいアルバムは何でしょうか。
そうですベストアルバムです。
アジカンも漏れなく4枚のベストアルバムをリリースしています。

BEST HIT AKG (2012)

BEST HIT AKG2 (2018)

BEST HIT AKG Official Bootleg “HONE” (2018)

BEST HIT AKG Official Bootleg “IMO” (2018)

正直、この4枚を聴けば2018年にリリースされたアルバム ホームタウン 以前の人気曲、有名曲は網羅できます。ありがてえ~
まずはこれらのアルバムをメインに聴いていくと良いでしょう。

しかし、しかしです。
ベストアルバムからは得られない、サブスクの人気楽曲プレイリストからは得られないものがあると私は思うのです。
フルアルバムを通して聴くことで輝きを増す、新たな発見がある楽曲があるということを私はこの記事を通して伝えたいです。
ということで、私の特に好きなアルバムを紹介していきます。


ワールドワールドワールドを聴いてくれ


ワールドワールドワールド (2008)

アジカンの4枚目のフルアルバムです。いきなり4枚目かよ、と思うかもしれません。しかし、このアルバムは1曲目から13曲目まで通して聴くことで最もアルバムが1枚の作品として輝くと思っています。
以下、曲を聴きながら読んでいただけると良いです。

1曲目の表題曲 ワールドワールドワールド の緩やかなインストから始まり、強烈なドラムとともに次の アフターダーク へと繋がります。この時点でテンションは最高潮。冷めやらぬまま 旅立つ君へ と続き、アウトロが流れたと思ったら次の ネオテニー のインストがそのまま流れてくるのです。なんだこれは。〇〇が気づかないうちに△△になってるシリーズかよ。

その後、トラベログNo.9 とアップテンポな曲が続きます。もう動き出した体が止まりませんよ。ナイトダイビング で喜多さんの貴重な歌唱パートを堪能し、そのまま ライカ (世界で初めて地球軌道を周回した犬の名前) が 惑星 へ到達します。なんてこった。俺たちはアジカンによって宇宙旅行させられていた。もう好きにしてくれ。

そして満を持して流れ出すのです、転がる岩、君に朝が降る が。
これまでの旅立ちや大冒険は夢や空想だったような、理想に比べて現実はこんなにもうまくいかないことばかり。だけど、岩のように転がっていけば良いことにもぶつかるんじゃないか。
何だこの曲。あまりにも歌詞が良すぎるだろ。
ぼざろで言えば、あまりにも後藤ひとりすぎるだろ。
この曲をサブタイトルに、しかも1話と12話にもってくるアニメスタッフは楽曲への理解度が高すぎる。

その次の曲は ワールドワールド はこれまでとうってかわってアコースティックな静かな楽曲。メトロノームの音が流れ続けだんだんとBPMが落ちていく… 
このままアルバムが終わるのかと思いきや、雑踏の音とともに 或る街の群青 がきます。まだ終わらないよ!むしろ始まるよ!
ここまで聴いた人々に、俺たちはまだやるぞと言わんばかりに 新しい世界 で最後を飾ります。

13曲すべてを聴き終えたとき、改めてこのアルバムは名盤であると認識させられます。そして、楽曲という本来バラバラであるものに物語性を感じさせられるのです。

個人的には、アップテンポな曲も多く、ぼざろと関連のある曲もあるのでこのアルバムから入るのも聴きやすくて良いと思っています。


ソルファを聴いてくれ


ソルファ (2006)

言わずとしれた大名盤。アジカンといえばコレを挙げる人も多く、平成の名盤集なんかにも入ったりしています。今の30代の方々はこれをMDに突っ込んで通学路で聴いていたなんて人はいるんじゃないでしょうか。私はそうでした。

収録曲は、リライト君の街までループ&ループサイレンRe:Re: とシングルカット(Re:Re:は再録)された曲が多数あり、1曲1曲の強さが際立ちます。未だにライブでも披露される曲が多く、アジカン人気を決定づけたともいえるアルバムです。

それ以外の曲も劣っているということはなく、振動覚海岸通り などは私のお気に入りです。正直捨て曲なんてものが一切ありません。

このアルバムですが2016年に全楽曲を再録音した ソルファ(2016) という形でもリリースされています。

旧盤は初期のアジカンの若く粒の粗い、衝動的な何かを掻き立てられるような音で、新盤は積み重ねた経験と技術で曲としてのクオリティに磨きをかけたものになっています。どちらにもその当時のアジカンにしか出せない良さがあると思っています。

正直私は旧盤の方を学生当時に歌詞カードが擦り切れるほど読み返し、CDが傷だらけになるまで聴きこんでいたので、思い入れとしては旧盤の方が強いです。


サーフ ブンガク カマクラを聴いてくれ


サーフ ブンガク カマクラ (2008)

アジカンの曲に耳が馴染んできたら、このアルバムを聴いてみましょう。
何だこのアルバム。鎌倉とか江の島とか、江ノ電かよ。
そうです。江ノ電です。
神奈川の大学で結成されたアジカンがシングルのB面に湘南シリーズとして収録していた曲を集大成化したアルバムです。
ちなみに全曲一発録り。すごい。

ぼざろでも 長谷サンズ江ノ島エスカー がサブタイトルに使用されています。

これがリリースされた当時、私は「どうしたアジカン、急に遊びだしたか?」と思いながらも、当時は試聴なんて限られていたのでとりあえず購入して聴いたら「いや全然ガチだこれ!!」と思ったことを覚えています。

楽曲についてですが、抽象的な歌詞が多いアジカンに珍しく、全体を通して比較的現実味のある情景描写の歌詞が多いです。藤沢ルーザー のPVなんかは社会人の苦悩みたいなのが表現されていて、こうして疲れた人が江ノ島に現実から逃れに行くのかな…なんて思ったりします。PV自体は非常にコミカルで面白いです。

稲村ケ崎ジェーン なんかもう曲調といい歌詞といいウキウキですよ。完全にサーファーが波に乗ってます。

終盤にかけて 由比ヶ浜カイト鎌倉グッドバイ とバラード調になっていき、「あぁ…日が暮れて旅が終わっていくんだな…」という気持ちにさせられます。

私は神奈川近郊ではないので江ノ電に乗ったことはないのですが、いつかこのアルバムを聴きながら藤沢から鎌倉まで電車に揺られたいと思っています。Google mapでの予行演習はできています。


ホームタウンを聴いてくれ


ホームタウン(2018)

「さっきからお前昔のアルバムばっかじゃねえか」なんて思っている人がいるかもしれないのですが、そんなことないです。

ごめんなさい、正直2014~2020くらいまでアジカンあんまり聴いていませんでした。

けれども、ふと数年前にアジカンを聴いたときに「やっぱ好きだな」と思い、聴き逃していたアルバムを聴き返しました。

表題曲の ホームタウン を聴いたとき、新しい音なのになんか懐かしい。
あっ、知ってる。アジカンだ。全然あの頃のままだ。と感じました。

これからアジカンを聴く人向けの記事でいうのもなんですが、このアルバムは全体を通してどこか懐かしさを感じる楽曲が多いです。
そういう意味では、昔の曲と続けて聴いても似たような感覚で聴けるということで、新規の人からも違和感を感じることが少ないかと思います。

というより、昔は聴いてたけど最近は聴いてなかったという人こそ聴いてくれ!聴いてください!!
全然アジカン変わってねえから!! 荒野を歩け とかたまんねえから!!!


正直紹介しきれない


アルバム4枚くらい挙げたけれども、正直全然紹介しきれてません。
ファンクラブ がないとか、崩壊アンプリファー がないとか、未だ見ぬ明日に がないとか… 気持ちはわかりますがキリがありません!
だって全部いいんだもん。

近頃はサブスクなんかで知らない曲をかなり気軽に聴けるようになったので、ぼっち・ざ・ろっくをきっかけにアジカンを知った人に曲も知ってもらえればと思い記事を書きました。

アジカンをきっかけにジャケットデザインを手掛けている中村佑介氏を知るのも良いですし、そこから森見登美彦氏を知って「夜は短し歩けよ乙女」を知ったらアニメの主題歌がアジカンだったなんてこともあったりします。

他にも、ぼざろの廣井きっかけで八十八ヶ所巡礼を聴いたりするのも良いですし、原作漫画の各話の扉絵がほとんど実際のあるバンドの楽曲PVの1シーンのオマージュだったりするので、元ネタ探しで曲を聴いてみても良いと思います。

長々と書きましたが最後に、私が一番好きなアジカンの曲は 羅針盤 です。
ぼざろ2期もやってください。ありがとうございました。



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