栗林良吏は何が変わったのか?


昨季、無敵のクローザーとして君臨し、ルーキーながら日本代表のクローザーとして東京オリンピックの金メダル獲得に貢献するなど、驚異的な活躍を見せた栗林。

その反動が出たのか、今季はオープン戦から苦しい投球が続いている。

今季はここまで6試合に登板し1敗4セーブ。5.1回で既に被安打4,自責点3と、昨年では考えられないほどの成績に終わっている。

ただ、その兆候は既に昨季終盤から見えており、9月以降は不安定な投球を見せていた。与四球と被安打がともに1.5倍近くに増加し、それをどうにか踏ん張るというシーンを記憶している方も多いはずだ。

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今季は4/2の中日戦で2失点を喫しセーブ失敗。その後も本調子とは言えない内容が続いている。以下の表に示した内容は昨季終盤とそこまで差のない数字に見えるが、やはり奪三振率の低下は気になるところだ。

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今季ここまで、フォーシームの平均球速は昨季と変わらず149.3km/hをマークしており、出力の低下は見られない。

そんな中、ひとつ大きく数字を落としている項目がある。ゾーン内のコンタクト率は70.3%から90.6%へ大きく低下。昨季の70.3%は、10イニング以上投げた全投手の中で最低の数字で、次位のモイネロ(ソフトバンク)と並んで「難攻不落」の投手であることを印象付けていた。

今季の90.6%は昨季の水準でいくと、ワースト40位近辺に相当し、ガンケルや秋山拓巳(ともに阪神)といったゴロを多く打たせる技巧派先発投手と同等の数字となっている。

その中で、逆方向への打球の割合が23.6%から46.7%に倍増。攻略法が確立されつつあるのかと思いきや、強い打球を打たれたことを示すHard%は31.5%から26.7%へ低下し、逆に弱い打球を打たれたことを示すSoft%が19.1%から40%に跳ね上がっている。

打たせて取る投球を試みているというよりは、昨年空振りが取れていたところが、バットに当たってしまっていると考えた方が良さそうだ。

復調に向けて

昨季と今季のフォームを比較することが出来ていないので、その点については追々するとして、やはりフォーシームの球質、制球を改善することになってくるのではないかと考えている。

昨日の阪神戦ではフォークを増やすことで抑えたが、先頭の中野拓夢には甘いフォーシームを打たれている。

フォークにしてもカットボールにしても、ストレートありきの球種であり、まずはそこを見直すこと…なんなら身体のメンテナンスをじっくりとしてほしい。



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