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【カープ入団決定】ネヴァラウスカスはどんな投手?

今日、広島東洋カープが契約を発表したドビーダス・ネヴァラウスカス投手。今年のスコットは、NPB初の南アフリカ人選手でしたが、こちらはMLB、NPB通じて初のリトアニア人選手です。

27歳で迎えた今季はパイレーツで17試合に投げ0勝3敗、防御率7.11

全てリリーフでの登板でした。

まだ、名前が頭に馴染んでおらず、いつちゃんと言えるようになるかわかりません。Neverauskasと読むと、なんとなく東欧っぽい感じはしますが…。


どんな投球スタイル?

Baseball savant (https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/dovydas-neverauskas-596720?stats=statcast-r-pitching-mlb)

で提供されているデータによると、球種はフォーシーム、カーブ、カッターの3種類。今季はそれぞれ46.9%、33.8%、19.3%の割合でした。一応、去年まではチェンジアップも投げていたようです。

今季の成績もBaseball savantにまとめられていますので、ご覧ください。

こちらの表はそれぞれの数値を提供されているデータ(ヤードポンド法)からメートル法に換算したものです。

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やや速く、ホップ量もやや大きめのフォーシーム、こちらもやや速めのカッター、特徴的な大きな縦割れのカーブ。球種と球質を見ると、昨年のDJジョンソンによく似ています。(DJはフォーシームとカーブのほぼ2ピッチでしたが)

ザっと見て、やはりカーブの変化量、回転数は出色で、DJやブセニッツより大きな変化をしています。(阪神で大活躍したピアース・ジョンソンは、これくらいの回転数で、横に曲がるカーブを投げていました。そりゃすごいわけです)

K/9 10.89 の数字が示すように、MLBでも三振がこれだけ奪えており、ボールに威力があることを示しています。日本でも奪三振能力は光るはずです。

一方でBB/9は4.74と不安定で、フォーシームの被打率は.441と打ち込まれています。被BABIPが.367と高値であったことを考えても、打たれすぎという印象を持たざるを得ません。昨年も被打率.471、被BABIP.438という数字が出ているので、とても「不運」で片付ける気にはなれません。BarrelやHard Hitなども軒並みかなり悪い数字が出ているので、しっかりと捉えられていたことを示しています。

その原因は、コマンドの低さと球速低下なのではと考えています。フォーシームは真ん中近辺に集まるか、ボールゾーンへ散るか、といった感じで、狙われやすそうな投球分布になっています。さらに、2018年は平均156㎞/hだったのが、3㎞/h程度減速。威力低下が気になります。まだ27歳、衰えではないはずですが…。いずれにせよ、日本ではかなり速い部類になりますので、期待していいと思います。

いい意味で気になるのがカッター。69球中51球までを低めに投げており、被打率は.118、そしてWhiff%(空振り/全スイング)が40.7と強力な武器となっていました。

もっとも、カーブはWhiff% 51.1と、前出のDJやブセニッツを遥かに凌ぐ値を叩き出しています。

変化球のクオリティは高そうなので、いかに甘いフォーシームを狙われないかが未来を大きく左右すると考えています。アームアングルも高いので、どうしても横系の変化をつけることは難しいのですが、利き手側に曲がるボール(シンカーなど)もひとつあると、未来はより明るくなるはずです。


驚きの起用法も

投球スタイル、実績的にも当然リリーフだろう、と考えていましたが、「コルビー・ルイスタイプ。先発で。」というビックリなコメントが聞かれました。あのK/BB 9.79を記録したルイスとは正直似ても似つかぬ…と思いましたが、大化けに期待しましょう。変化球は低めに集まっており、速球を破壊できるバッターがMLBほど多くない環境なので、ナシではないのかもしれません。

ただ、そうなると、今季封印したチェンジアップや、ほとんど投げてこなかったシンカーを再度持ち球に加えることで、投球に幅を持たせてほしいところです。

おわりに

ボールの質自体はかなり高いと考えられます。四球の多さと球速低下は気になりますが、その代わりに変化球は良化していますので、しっかり噛み合えば大化けがあっても驚けません。

先発は全くの未知数なので、ローテに入れれば上出来、ルイスほどの活躍が出来たらどうしましょう。

球がとにかく速くて、変化はキレッキレ。見栄えはすると思いますので、来日を楽しみにしましょう。


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