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勝又の3s放銃を考える【Mリーグ2024/2/23第一戦東4局】


勝又はこの3sを切り放銃となった。

放送を見ていた人なら分かるが、勝又はこの3sを躊躇いなく切った。

まず状況を整理しよう。このとき風林火山は約-340ptで8位。6位のフェニックスまで100ptほど稼がなければならない。同卓している3チームはだいぶ上なので直接のライバルという訳ではない。

トップを取りたい状況で親満のテンパイ。どうしても和了りたいが、2軒リーチに無筋のドラを持ってくる。頭の6sの筋というのも嫌な感じがする。

しかし、冷静になって場を見ると瑞原は2s4sと続けて切っており、その後に北中と手出しをしている。3sが元々のドラならともかく、3sは新ドラで勝又が6mを切る前にカンして出来たドラだ。瑞原は現在ラス目で、和了りが欲しい局面にしては4sを切るのが早すぎるので、瑞原に対しては3sを切ってもいいだろう。(実際は刺さるが。)

次に浅見だが、2sを切ってリーチしている。2sを223sや224sのように対子で持っていたなら2sが宣言牌の場合14sや3sはかなり危険だ。しかし、今回は2sが既に2枚見えており、2sを縦に持っておく意味はない。勝又や伊達の将来の危険牌になるだけなので、さっさと切るはず。
そう考えると、ソーズ周りなら14sやペンカン3sよりも112sからの1sシャボや246sからのカン5sの方が危険そうに見える。そういう読みを加えるなら、カン2mという勝ち目の薄そうな待ちでも2sプッシュする価値はありそうだ。(こちらも実際は刺さるが。)

そもそも完全安牌が全くないので押さざるを得ないというのもある。3sに比べると8mあたりがまだ安全そうだが、瑞原に刺さってもおかしくはない。
よって勝又の立場からすると3sでの放銃はしょうがない結果だったと思う。

ただ、今書いたのは勝又の立場から見た浅見の2s切りだったが、浅見から見るとまた違った考えになる。親がダブ東カンに7sカンとかなりはしゃいでいる。そこにドラ表の2sなんかはかなり切るのが嫌だろう。なので将来伊達や勝又の危険牌になることよりも、今切って勝又に刺さったり手を進められるのが嫌なので止めていたはずだ。
そう考えると場に2枚見えの2s切ってカン3sも普通に有り得る。それに1122m224smで3mでイーペーコー、12mで暗刻が出来るような形なら2枚見えの2sを引っ張ることもある。

そうすると3sを多少安全かと評価するのは難しいかもしれないが、それでも冷静に牌譜を見てみるとしょうがない放銃だったように思える。ぱっと見ではかなり危険そうなドラをあっさり切るのは、かなり胆力が必要だろう。なかなか見応えのある1局だった。

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