Mリーグドラフトを終えて


僕のライバルでもあり、親友でもある堀慎吾プロが、今回のMリーグドラフト会議でKADOKAWAサクラナイツさんに指名されました。
僕は常々言っているように、堀さんが一番強いと思っているので(僕以外では)、めちゃくちゃ嬉しいですし今からMリーグ開幕が楽しみでなりません。

そして嬉しい反面、やはり寂しい気持ちがあるのも確かです。理由はもちろん、僕が指名される事はなかったからです。
公には言っていませんが、僕はMリーガーになりたい気持ちはかなり強いです
しかしその反面、僕が選ばれることはないだろうな、という諦めにも似た気持ちがあったのも確かです。

正直僕は自分の努力次第で、Mリーガーになっている未来はあったと思います。
麻雀に関しては努力してますし、言うだけの実力はあると自分では自負しています。しかし、それ以外の面で努力してきたかと言われると、「してきました!」と言い切る事はできません。というか、してきませんでした。


少し昔の話


僕はプロに入る前、ネット麻雀の天鳳で多少名の通ったプレイヤーでした。そのままプロに入ると、すぐにその縁もあり福地先生の紹介で近代麻雀のコラムの仕事を頂き、「魔神」という愛称をつけてもらいました。本当に感謝しています。本当ですよ?
そしてプロ入り2年目で協会の「雀竜位」というタイトルをとることができ、「魔神の読み」という戦術本も出版させて頂くこととなりました。さらにその頃ウヒョ助先生の「鉄鳴きの麒麟児」という漫画の闘牌原作もさせて頂き、リーグ戦も連続昇級とまさに順風満帆だったと言えるでしょう。
その時の僕なら、Mリーガーになることも夢ではなかったかもしれません。しかし、そこから僕はやるべき努力をしてきませんでした。
やるべき事は、たくさんあったのです。
ブログを定期的に書く、天鳳位を目指す、ツイッターをたくさん更新する、勉強会を開く、ゲストをたくさん引き受ける、身だしなみを整える、人付き合いをもっとしっかりする、等等。

やらなかった理由は簡単です。僕は自分が楽しいと思えることしか、やる気が出ない性分なのです。簡単に言うとめんどくさがり屋です。
麻雀は大好きだし、勝ちたいので麻雀の勉強はします。しかし麻雀にのめり込むあまり、他の事はやってこなかったのです。
こんなスタンスの僕が、麻雀だけでなく他のこともしっかりやっている方々に人気や知名度の面で劣るのは必然といえるでしょう。
つまり僕は麻雀好きではあるものの、麻雀「プロ」では無かったのだと思います。
僕のスタンスだと、麻雀で圧倒的に勝ち続ける必要があります。しかし僕には、それができませんでした。
タイトル獲得数は三つ(雀竜位、日本オープン、野口賞)、協会最高峰のタイトル「雀王」は決定戦には残ったものの獲得には至っていません。
【平均以上には勝っているけど、圧倒的に勝っているわけではない】
それが僕のここまでの実績です。
これではいくら自分で僕は強いんです!!と言っても、説得力はありません。僕が監督なら、渋川よりもっと実績を残している選手か、もっと人気のある選手を取ることでしょう。

正直堀さんも僕と同じようなスタンスでした。しかし、僕と違うところは「雀王」を獲ったこと。そして、周囲から僕以上に認められていること。
さらに最近は意識改革をしたのか、ファンサービスを積極的にやるようになりました。その積み重ねが今回の指名に繋がったのだと思います。

僕も最近は意識改革し、色々なことに挑戦することも増え、応援しています!と言われることも増えました。
今回のドラフトも、渋川さんを見たかった!という声も多数頂きました。
それが本当に嬉しくもあり、何故昔からこの気持ちが持てなかったのか、と悔しくもあります。
しかし、僕の麻雀人生はまだまだこれからです。最後まで気づかないより、今気づけたことを幸運と思い、これからは麻雀だけじゃなく全てのことを頑張っていきたいと思います。

思えば数年前の日本オープン、僕は見事優勝したにもかかわらず祝勝会に集まったのはなんと三人でした(うち1人は僕)。祝勝会史上最も少ない人数だった自信がありまさ。
そして翌年も決勝に残った僕は、最終戦魚谷プロと大激戦の末、敗北しました。
その時堀さんが言ったのは慰めの言葉ではなく
「難波ちゃんと魚谷さんの応援されっぷりは多分二千倍は違ったから、その差が出たね」
という謎の言葉でした。何言ってんだ?と思いつつも、僕も正直それくらいの差はあるな、と認めざるをえませんでした。
今はその差がさらに開いたと思いますが、少しでも差を縮めるために僕は生まれ変わるのです!

さて、問題はどう頑張るかですが、まずは僕の最大の武器である「解説」です。
僕は前年度のMリーグの解説に呼んで頂いて、それを見た友達から
「渋川 解説 でエゴサーチすると幸せな気分になれるよ!」と言われ、言われた通りにして幸せな気分になれたことがあります
もちろんその意見が全てとは思いませんが、解説は自信があるのでこれからも積極的にやっていきたいです。
前年度のMリーグ解説には呼んで頂けましたが、今年度も呼んで頂けるかどうかは分かりません。しかし、前年度に呼んで頂いた経験は絶対に無駄にはならないので、どうなろうとも前を向いていきたいと思います!
実は僕には1人実況解説ができるという特技もあるので、これもまたどこかで披露できたらなと思います。

他にもやるべきことは色々ありますが、長くなり過ぎてしまうのでこの辺で終わりとさせて頂きます。

最後に、堀さん本当におめでとう!!
僕もいつか追いつくので、それまで圧倒的な成績を残しながら待っていてください!!

それでは、また!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?