闘牌原作のやり方

僕がこれまでやらせて頂いたお仕事の中に「闘牌原作」というものがあります。
なんだそれ?と言う方のために簡単に説明いたしますと、【麻雀漫画の、麻雀シーンを考えるお仕事】です。
このお仕事は、はっきり言ってめちゃくちゃ楽しいです!なんせ僕は麻雀漫画が大好きなのです!
その作業に関われるというのは、誰よりも早く読めるということでもあり、とても幸せです!

きっかけ

僕が闘牌原作をやるようになったのは約8年前、全くの漫画素人の僕を、あのMリーグ漫画でも有名なウヒョ助先生が指名してくれたからです。
しかも、新しいプロを応援したいから!という凄まじい理由だったので、なんとかその恩に報いようと毎回一生懸命考えています。
その縁で今では僕を応援してくれていますし、とても感謝の気持ちでいっぱいです。
こうして今でも続く闘牌原作が始まりました。
タイトルは「鉄鳴きの麒麟児」。カッコいいですね


流れ

闘牌原作はどうやってやるのか?
ここは鉄鳴きの麒麟児の中でも僕が一番好きな「リンドンリンドン編」を例にとって、実際の流れに沿って説明します。
知らない方のために、先にキャラ紹介をしましょう。

桐谷:主人公。ネット麻雀強いがダメ人間。とある事情で歌舞伎町の雀荘を全て制圧しようとしている(!?)
小梅:主人公の娘。圧倒的な麻雀のセンスがあるけどまだ5歳。末恐ろしい。
フィル:今回のラスボス。めちゃくちゃ強い。相手の心理を逆手に取る麻雀を打つ。顔芸が得意。
稲作:今回のライバルキャラ。読みが鋭い。フィルを倒そうと躍起になってる。顔芸が得意。

さて、話を戻しまして、まずウヒョ助先生からメールがきます。ちなみに今回はクライマックスのシーンです。

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見てわかりますように、かなり詳細に出来ています。
はっきり言って、僕がいなくても完成します。
しかしそれでは僕がいる必要がないので、これを少しでも麻雀として面白くしよう!!と頭を悩ますのが僕の仕事です。

闘牌を考える時

僕はまず、メインのトリックから考えます。こう言うと推理小説みたいでカッコいいですが、そんな大層なものではありません。
簡単に言うと、毎回「見せ場」を作りたいのです。
今回は、「カンチャンかペンチャン待ちをカンされた桐谷が手代わりして和了る!」という話なので、どんな感じだとカッコよく見えるかな?という事を考えます。
正直ここさえ決まればあとは流れのままいけるので、ここが一番時間のかかるところです。

(うーん、普通に手代わりしてリーチじゃ面白くないから何か一つ欲しい。カンしたままリーチじゃ待ちはないし……こういう時僕はいつもどう考えてるっけなあ)
こんな感じで頭を悩ませています。
はっきり言って閃き一発勝負です。すんなり思いつく時は数分ですし、長引くと次の日までかかったりします。
そして今回は、すんなりと閃きました。
それがこちら!
【カンチャンのテンパイで待ちをカンをされたけど、引いてきたくっつきに強い牌をツモ切って、その純カラのテンパイを維持した】
これならギャラリーも読者も何故だ!?と盛り上がりますし、闘牌に深みが出ることでしょう。
これが決まれば、あとは流れのままに進めていくだけです。

①何故そのテンパイを維持したのか?→引いてきた牌が後々危険になる、カンされた牌周辺のくっつきが強い
②ということは、フィルと同じ待ちのテンパイにはできないのでそこは変更する
③あとはこのアイディアに合わせて全員の手牌を作り、牌の枚数等チェックして完成

そしてできたのが、これです。
ちなみに突然登場する店長はただのギャラリーです。
牌が見え辛いのは、すいません。

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心理描写を勝手に入れていますが毎回こんな感じです。
この文章のままではとても実用に耐えうるものではありませんが、そこはやはりプロのウヒョ助先生。
こんな素敵なネームにして返してくれます。

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最後に、ネームを見て特に問題が無ければ僕の仕事は終了となります!
以上が、闘牌原作のお仕事でした。

ちなみに続きが気になる方や、興味をもってくださった方は是非コミックスをお買い上げください!!僕が言うのもなんですが、めちゃくちゃ面白いです!
鉄鳴きの麒麟児、鉄鳴きの麒麟児をよろしくお願いします!
それでは、また!

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