最強戦振り返り

先日行われた「麻雀最強戦、戦術本祭り」。
僕は戦術を出すまでもなく、あっさり負けてしまいました。
このままでは何も残らないので、せめて振り返りだけはしよう!とこのnoteを書くことを決めました。
それでは、スタートです!

対局前の準備


どんな対局でも、まず作戦をたてるとこから始まります。今回の作戦はこうでした。
「二着抜けは、二着を取ろうと思うと逆に決めきれず危うくなってしまうので、日和らずにトップを取る気でやる」
これは常に僕が二着抜けトーナメントの時に思っていることです。この作戦に隙があるとしたら、それは僕のトーナメントの勝率がそんなに高くないことだけです。
そしてもう一つ、作戦をたてるにあたって重要なのが、何家スタートになるかです。これにより作戦も変わってきます。
場決めの時間になり、僕が引いたのは北家でした。
(貰った……)
僕はほくそ笑みました。

北家の利点は二つあります。
一つ目は、オーラスノーテンで伏せることができることです。
北家以外だとオーラスあがって終わらせなきゃいけないですが、北家だけあがらずとも終わらせることができます。これは非常に大きいです。
そしてもう一つは、最後まで現実的な条件が残せることです。
東家や南家スタートだと、南場の親が流れてやることが大物手しかなくなるということもよくありますが、オーラス親だとどんな差でも連荘すればいいのです(しかも、大体一人は大物手条件になるので、連荘率も上がります)。すなわち、あまり放銃を恐れず思いきった麻雀が打ちやすくなります。
逆にデメリットとしては、オーラスあがっても連荘しなければいけないので、接戦の場合は少し弱いです。

一人が4万点、残り3人が2万点というオーラス。2万点持ちの親は必死に1500をあがっても連荘なので、他二人の条件がほぼ変わらないままもう一局しなければいけません。一方他二人は何でもあがれば通過です。この差は非常に大きいと言えるでしょう。
つまり、微差のリードはあまり意味を持たないので、ノーテンに出来る4000点くらいのリードは欲しいということになります。

さあ、これで心の準備は整いました。
気合が入っているのは、この画像を見てもらえればわかると思います。


画像3

とても何もできずに負ける人とは思えない顔をしてます。
そう、僕はこの時負けることなど微塵も考えていませんでした。さて、本編に入っていきましょう。


対局開始

実はこの試合はほぼこの局に集約されているのです。
そう、東4局、僕の親番です。

この局は、滝沢さんの手をどう読むか?が全てとなります。捨て牌も含めて下の図が一番わかりやすいと思いますのでご覧ください。

画像1

白い部分は怪奇現象ではなく、僕の拙い加工技術です。

ドラは表示されている通り2pです。そして、見えないですが、滝沢さんは3pを切った巡目に1mをポンして打4s、9sをポンして打7sと2フーロしています。そしてその後は全てツモ切りとなっています。
つまり、11m3p4799sと持っていて3pを切ったことは確定事項です。
この時僕の第一感は、こんな形でした。
45m66s中中中、もしくは55m66s中中中

つまり、役牌アンコで、6sが二枚。そして残る二枚がリャンメンか対子か、です。
何故そう思ったのかを順番に解説していきます。

①なぜ役牌アンコと思ったか?
役牌アンコじゃなければ、ほぼトイトイです。
しかしトイトイだとしたらチートイツのイーシャンテンから鳴いてることになります。役牌無しだと、滝沢さんのスタイルからも、あまり鳴かないんじゃないか?と考えました。
しかも最後は9sをポンして打7sなので、799sと持っていたことになります。そう考えるとトイトイだけじゃなく役牌も絡んでいそうです。
しかし、よく見ると残っている役牌は一枚切れの中と、滝沢さんが自分で切っている東だけでした。
中をポンしてないことを考えると、中アンコもしくは東アンコ(カンをせず切った)が濃厚だな、となりました。

②なぜ6sが対子だと思ったのか?
ドラが2pなのに、4sを3pより後に切っています。これは正直かなり違和感です。なぜなら滝沢さんは3p4799sと持っているのです。普通ならドラ引きに備え4s切りになるのでは?となりました。
仮にドラ対子だとしても
1145m223p4799s中中中や1155m223p4799s中中中
どちらのパターンでも4s切りになるんじゃないか?と思い、4sは孤立じゃなく何かとくっついてるのでは!という思考になりました。
そしてよく見ると235sはバンバン切れているので、候補はもう6sだけ。すなわち、6sが二枚あるんじゃないか?となったのです。
1145m3p466799s中中中や1155m3p466799s中中中
からの3p切りなら、自然だな、と思ったのです。
そしてその場合、ドラ対子の可能性はかなり低いなと思いました。ドラ対子だとすると
11m223p466799s中中中
から3p切りになります。この瞬間は別に変ではないですけど、その後1mをポンして打4sとして、9sをポンした時の牌姿は
22p667s中中中 ポン9s ポン1m
となっています。この場合6sを切るとかなりあがれそうな5200、7sを切るとかなりあがり辛い8000もしくは12000になります。二着目僕の親と考えると、ここはおそらくリャンメンに受けるんじゃないかな、と。そう推理しました。
ということで、滝沢さんの手は
1145m3p466799s中中中からの45m66s中中中
もしくは
1155m3p466799s中中中からの55m66s中中中
の可能性が高い、つまり6sと何かのシャンポンか6s頭のリャンメン待ちかな、と思ったのです。
しかし、これはあくまでその二つが本線で、他の形も十分あることは想定しています。
そして、運命の瞬間が訪れました。

画像4

まわりながらも、テンパイしました。

僕のこの時の思考は、
①自分の読みでは、ドラはまだ切りやすい
②鈴木さんも押してるし、ドラはそこにあってくれるんじゃないか?
③この58sは、めちゃくちゃいい待ちに見える
④これが当たるとほぼ12000、致命傷になる
⑤勝又さんが抜けてしまったので、実質枠は一つしかなく苦しい
⑥北家の利点を活かすには、ここでリードを取りたい

大体こんな感じでした。
よーく見ると2pを切る理由ばかりです。切らない理由は④一つしかありません。
今思うと、ぼくは焦っていたのかもしれません。ここで楽になりたい、という気持ちが強すぎて2pを切る理由ばかり探していたのではないないか?そう、まるで蜜を探して彷徨う蜂のように……
そして僕は力強く2p切りリーチといきました。
その結果は、と言いますと



画像4

日吉さんの絶叫が聞こえてきました。(脳内に)

見切れていますが、当然僕の切った2pがロンされ東トイトイドラ3のハネマン放銃となりました。
つまり滝沢さんが3pを切った時の形はこうなります。
1133m223p4799s東東東
ドラ対子を固定し、4sにくっついたらチートイを見切って3mを切る想定でくっつき牌として残していたのです。チートイツとしても4sの方が3pよりいいと思ったのもあるでしょう。
4s切りももちろんありますが、3pを切ってもそこまで不自然ではありません。
こう考えると、やはりこの2p切りは前のめりだったのかな?と今は思います。
しかしここでオリたとしてもツモられたらきつくて、無事流局してもまだまだ混戦で南入してしまうことを考えるとやはり勝負に行くのも間違いではなかったのか?という気持ちもあります。
終わった後にこれだけじっくり考えても結論が出ないので、やはり難しい局面だったと思います。
しかしどうしても結果を出したいところでコロリと負けてしまったのは本当に悔しいので、絶対にリベンジしたいと思います!!
余談ですが、終了後のインタビューで
「ドラよりも3mの方が危ないと思っていたので、まだ切りやすい方が残って良かったなと思ってリーチしたんですよ。アッハッハ」
という、自虐ギャグを披露したのですがウケませんでした。
もう一度やらせてくれたらもっと面白いことを言えたはずなので、ギャグセンスも磨かなきゃな、と思った瞬間でした。
それではまた!

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