麻雀のセンスって?

麻雀をやっていると、よく「センスがある」もしくは「センスが無い」という言葉を耳にすることがあると思います。
そして中には麻雀にセンスなんて存在しないという人もいますが、それだけは間違いだとハッキリ言えます。
麻雀にセンスはあります。

僕は、歌が大好きですしカラオケも大好きです。しかしどういうわけか、歌が一向にうまくなりません。
僕の十八番である天体観測を聞いて、酔って寝ていた後輩があまりの音程のズレにその場で吐いたという逸話すらあります。

何故そんなことになるかと言うと、僕は音程が分からない、俗に言う『音痴』なのです。
「ド」の音を出してみろ、と言われても「ド」ってなんだよとなるし、どんなに教えてもらっても歌の上達に何が必要か分からないので、これはセンスがないんだろうな、と思います。
スポーツも、上達速度は人によって違いますし、プロ野球選手になるような人はそもそもの才能が違うのだという話もよく聞きます。
何が言いたいのかと言いますと、カラオケにもセンスはあり、他の色々なことにもセンスはあるのだから麻雀にもセンスがあって当然だ、ということです。

では、センスとはなんでしょうか?
僕はセンスとは、「必要な情報とそうじゃない情報を感覚で選択できる能力」だと思っています。
つまり、センスがある人は上達速度が速いですし、選択速度も速いです。
僕はいろんな人に麻雀を教えてきましたが、やはり話していると、センスがあるかないかはすぐ分かります。


センスが無いとダメなのか?


しかし、センスがある人が強くなりセンスがない人は強くなれないかと言ったら、またそれは別の話となります。
センスが無くても、やる気がある人は強くなります。ただしやる気はあっても、何が正しいか分からなくて混乱してる人を多く見かけます。
そういう人は、この人についていけば大丈夫だ!という人を見つけ、その人の意見だけ聞くといいでしょう。
センスがある人はいろんな人の意見の中から使えるものだけを拾うことができますが、そうじゃ無い人はぐちゃぐちゃになって結果麻雀が迷子になってしまうからです。
知識は増えても、使いどころがわからなければ意味が無いのです。

さて、ここでひとつ、センスが測れる簡単な例題を出しましょう。

南2局、親、18000持ちの三着目。17000持ちのラス目のリーチを受け、以下の手牌です。

画像1

ドラは北、リーチ者の捨て牌は全て手出しで、現在リーチの一発目です。さてここで、何を考え何を切りますか?




解答


この問題に対してのセンスのある人の答えは、ほぼこうなります。

「こんなん白切るしか無くない?」

チートイっぽい、字牌が危なそう、国士もあるかも、一発は避けたい、67sは通る、3mは筋、24m落としもあるか?、あの手出しがあると言うことは…?、そもそも何ルールなんだ?

この辺のことを少しでも考えた方は、不要な情報に気を取られやすい人です。
「リーチ者の捨て牌は全て手出し」というのは出題者の意地悪です。
センスのある人は、そんな意地悪には騙されず一目見てこの手で白を切らないことが損になるから他の選択肢はありえない、と感覚で分かるのです。
しかし、感覚で分からなくても理屈で考えると白を切ることはできます。

【白を切る理由】
・仮にチートイだとしても、待ち候補が多すぎるので、この白が当たる可能性は低い。
・3mも4mも当たる可能性はある。
・67s落とすとこの手の価値はなくなる。
・放銃しても三着からラスに落ちるだけ。
・別にオリていてもラスに落ちる可能性は高い。
・高い手をあがると一気にトップまで狙える。
・最悪チーしてあがることも可能
・リーチがなければ絶対に白を切る手

色々書きましたが最後の一行が、ほぼ全てです。
巡目、持ち点、手格好、親番。すべての要素が、リーチなんか気にせず真っ直ぐ行けと言っているのです。
ここで守りの思考に入る人、上手く打ってやろうと思う人は、もう少し素直に打つことを心がけるといいでしょう。

このように麻雀はセンスが無くても、センスがある人と同じ牌を選ぶことはできます。
だから今回間違えた方も、「自分にはセンスが無いんだ…」と落ち込むのではなく、「感覚で分からなくても、考えて正解を導けるよう勉強頑張るぞ!!」と思うようにしましょう。

センスが無いと自覚することは麻雀上達への必要な一歩で、恥じることではありません。
そしてセンスがあっても、それにかまけて勉強しなければある程度以上強くなることはできません。
それを理解することが上達への近道です。
それではまた!

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