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2019.10.20 キンモクセイ

僕はキンモクセイの香りが好きだ。
清涼感のある香りが心を落ち着かせてくれる。大学寮の近くにいくつかあって、久しぶりにその香りを嗅いだ。
キンモクセイが好きだと自認したときはいつ頃だったか。

場所ならわかる。小中学校の通学路。
その途中の廃パチンコ屋。3月11日の地震でパの字が落ちてた気がする。
その周りには駐車場を囲うようにキンモクセイが植えてあった。キンモクセイは僕の誕生月の10月あたりから花を揃え始める。その頃になるとそこを自転車で通るたび、キンモクセイの香りが鼻腔をくすぐる。その香りを嗅ぐためにそこを通るのがとても好きだった。その通学路はいつもより遠回りなのにわざわざその道を通ったりした。

キンモクセイの香りはそんな郷愁を思い起こした。また思い出さなくてもいい恥ずかしい小中学生の頃のことも。その香りは通学路、また、その頃の記憶とリンクして、毎度恥ずかしいことを思い出させるだろう。でもキンモクセイのことは嫌いにはならない。

今頃、通学路のキンモクセイも花をつけているだろうか。チンコ屋は取り壊されてないだろうか。
バイト帰りにまたあの香りを嗅ぎに行こう。


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