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伝えることは学ぶこと



 今年の夏、大学生2人がインターンシップに、小学校の先生が10年研修で職場体験に来てくれました。
猛暑で汗をかきながらの研修でしたが、いつもと違う環境はいろいろなことを考えるきっかけになったようです。研修後に学校や職場に出す報告書を見せてもらうと今まで何となく考えていたことを文章にしてくれていて伝えることは自分自身の学びになるんだと気づきました。



  
【 インターンシップの大学生の感想より 】

  いろいろ話をしていただいたなかで、就職についての話が印象に残っています。
「好きなことと楽しいことは違うと思うよ。好きなことはうまくいかないと嫌になっちゃうけど、楽しいことはゲームと同じで、うまくいかないことをクリアするのが楽しいんだよね。自分は農業が好きだけど、暑い時とか野菜が虫に食べられると嫌になっちゃうから、農業は仕事ではなくて、農業経営が仕事だと思ってやっているよ。暑いのも虫に食べられるのもビジネスチャンスだと考えてクリアするのを楽しもうって考えないと、好きでも続けるのは大変かな。この仕事だったら楽しめそう、そんなふうに思える就職先が見つかるといいね。」 こんなことを話してくれました。
短い間でしたが、得るものが多くて非常に勉強になりました。ありがとうございました。 



  
【 10年研の小学校の先生の報告書より 】

「仕事ってお客様の求める商品やサービスを提供することだと思うけど、先生にとってのお客様って誰だろう。」研修初日に、こんなことを問いかけられました。
私が答えに窮していると「お客様を生徒とか親と考えると、規則はゆるく、テストは簡単に、授業中は寝ていても卒業証書だけは欲しいという要望に応える教育が存在してしまう。これはまずいよね。だから、学校にとってのお客様は、未来の社会だと思う。未来の社会を構成するのは今の子どもたちなのだから、優秀な人材を育てて未来社会に送り出すのが学校(先生)の使命じゃないのかな。」と話され、続けて「そうやって考えると、先生のお給料は未来社会からの前払い金で、もし不良品(つまり力が身に付いていない子どもや社会に危害を加える大人)を育ててしまったら、将来給料を返金しなくちゃいけないと思う。会社が商品を販売したお客様にご迷惑をおかけしたときに、返金するようにね。」と話されました。
教員になって10年、振り返ってみると「目に見える具体的な数値として成果を出す」ことに意識が行きがちだった気がします。私たちの仕事の本当の成果というのは、日々指導している子どもたちが大人になったときに出る、そんな考え方が大事である。そんなことを教えてもらいました。


「伝えることは学ぶこと 」
第1版 2024年9月19日発信
 
オーガニック農園 株式会社 しあわせ野菜畑
代表 大角昌巳

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